血風録ではそれぞれの組員の人間性に迫るような話題が提供される。刀にかける近藤や沖田、斉藤、土方の考え方(虎徹、菊一文字)、女性に接する機会がなかった沖田の女性観と近藤、土方の沖田への思いやり(沖田総司の恋)、などが面白く紹介される。薩摩藩と長州藩の幕末における立場と考え方の相違と関係の経緯が良くわかるように描かれていて幕末の歴史の勉強にもなる。話の中にはその他の組頭であった、斉藤一、永倉新八、藤堂平助、鈴木三樹三郎、原田左之助なども登場するので、さながら新撰組オールスターキャストである。新撰組メンバーにも思想性はあったと思うが、国を守る、という抽象的なレベルなのか、この際、国を開いて諸外国の先進技術を入れて国を発展させようという開国派の考えを聞いて理解しようとしていたのか、それとも侍になれない階級の郷士たちの吹きだまりにすぎなかったのか、そのあたりは良くわからない。時代背景から貧乏な生活があって同情もできるが、浪人生活がいやで腕に覚えがあるメンバーが集まって人を切っては京都で威張っていただけ、という気がしてならない。新撰組は僕も好きになれない。
新選組血風録 (角川文庫)
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