その後、紆余曲折があり、二人はコネティカット週知事候補となり民主共和に別れて戦う。その共和党予備選でナットのライバルラルフ・エリオットがもう一人の候補者となる。ラルフは公開討論会で、スー・リンの過去を暴いて、スーの母が母国で売春婦だったとこを公開の場で問題とする。それを見ていたナットとスーの息子は自殺してしまう。ナットは激怒、ラルフの自宅に押しかけ、ラルフを殴る。ラルフはピストルで応じる。ナットがラルフの自宅を出た時に銃声がする。ラルフの妻レベッカがラルフを撃ち殺してしまったのだが、警察はナットに殺人の疑いをかける。
ナットは集知事選の候補者でありながら容疑者となり、裁判の被告となる。ナットは弁護士としてもう一人の州知事候補であるフレッチャーに依頼する。フレッチャーはそれを受け、裁判で勝利を獲得する。集知事選は激しい戦いになるが、接戦であった。その時、フレッチャーは交通事故で瀕死の重傷を負う。輸血が必要となるが、血液型はABマイナスという珍しい血液型、その時ナットは輸血を申し出る。医師は二人のDNAを検査して、全く一致することを知り二人に告げる。二人は二卵性双生児(Dizygotic twins)であると。二人はその原因を推測し、それがもたらすそれぞれの家族への影響を考え、他には漏らさないことを決めて、関係書類をシュレッダーにかける。州知事選の投票結果はなんと同数で決着はコイントスとなる。”head or tail?”
ナットとフレッチャーの年代記であるが、それぞれのストーリーが交互に、切れ切れに書かれていて、展開も早いので、読んでいる側としては時々キャッチアップできないこともある。次々に起きる事件もドラマチックであり、読者を飽きさせないが、ちょっと派手すぎるきらいがある。シドニー・シェルダンの小説に通じるものがある。
小説の中では度々シェイクスピアの台詞、俗語、フランス語などが登場する。「名前に何があるというの?」、「ユーコン(コネティカット大学)」、”Menage Trois(三角関係)”、”Sad Sacks(のろまども:ジョージ・ベイカーの漫画より)”、そして章立て自体が旧約聖書の目次に沿っている。
一気に読めてしまう痛快なお話しである。
運命の息子〈下〉 (新潮文庫)
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