Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

大谷翔平の活躍を祝い、背番号17について調べたらNBAもNFLも奥が深かった

2018年04月08日 22時00分00秒 | MLB
久しぶりの投稿の今回はMLBネタから。Los Angeles Angelsの大谷翔平選手が、米国で最高のデビューを飾りました。

なにせあのBabe Ruth以来の二刀流(英語ではまんま「two-way」というらしいですが)としての活躍をして、2018年4月8日時点で投手としては1勝(防御率は6回投げて3失点ですから4.50ですね)、打者としては3試合連続のHRで打率は0.389、長打率と出塁率の和が1.31という恐るべき数字を残しています。日本時間で4月9日早朝に予定されている2回目の先発ではどのような結果を出すのでしょう。

追記:その9日の試合で6回まで投げ終わった時点で書いていますが凄いことになってますね

ESPNが大谷が投手としての初勝利を挙げた直後に(つまり最初のHRを打つ前に)Should Shohei Ohtani stay a two-way player? Exactly 100 years ago, the Red Sox faced the same question with Babe Ruthなんて記事を掲載したくらいですから、日本だけでなく米国でも大谷の存在が大きな話題となっていることは間違いありません。

MLBだけを扱っているわけではない本ブログとしては大谷の活躍についてはこれくらいにしますが、大谷の米国での鮮烈デビューを記念して、大谷がAngelsで付けた背番号17についていろいろ考えてみました。
 
まずMLBからいきますと、2018年シーズンに#17をつけているのは今のところ10人。大谷以外で有名どころでは、Chicago CubsのKris Bryantがいます。なにせ2015年シーズンのNational League新人王にして、2016年シーズンのNational League MVP。2017年シーズンはやや成績を落としたもののCubsの大看板となっています。
 
それ以外では、現在Texas Rangersの秋信守(Shin-Soo Choo)がいます。Seattle Marinarsでのデビュー当時は#54だったようですが、その後のキャリアの大半で#17を着けています。#54から#17というと昔の読売東京ジャイアンツの槙原寛己を思い出しますが、これを言っちゃうと年がばれますかねえ。
 
秋に話を戻すと、早いものでMLBで14シーズン目を迎えました。ヒットの数では松井秀喜(10シーズン)のMLB通算記録を上回り、HRの数でも175本の松井に4本差の171本となっています。1982年生まれの秋はもうじき36歳。韓国人で最も成功したMLB打者ということでよいのでしょうか(投手にはMLBで通算124勝を挙げた朴賛浩がいるので)。しぶとくMLBで生き残ってほしいものです。
 
歴代のMLBの#17には、有名な選手はあまり多くないようで、#17で永久欠番になっているのは1930年代に活躍したDizzy Dean(野球殿堂入り)と、Colorado Rockies一筋で1997年から2013年シーズンまで活躍したTodd Heltonだけです。Heltonは5度のオールスターと4度のシルバースラッガー賞に選ばれた、押しも押されぬRockiesのスタープレーヤーでした。
 
Heltonは2019年から殿堂入り候補になる資格を得るとのこと。いまどきのMLBでは珍しい「生涯一球団の選手」ということもありますので、初年度での選出は難しいとしても、いずれ殿堂入りするような気がします。
 
あと面白いのは、2018年シーズンからNewYork Yankeesの監督を任されたAaron Booneが着けているのが#17です。Booneと言えば、2003年シーズンのBoston RedsoxとのAmerican League Championshipの第7戦に、サヨナラホームランを打ったことで記憶されている方も多いかと思います。そう松井秀喜がPedro Martinezからヒットを打ち、その後のJorge Posadaのヒットで同点のホームインをした後にホームベース付近で飛び上がったあの試合ですね。
 
実はこの時のBooneは、MLBデビューを飾ったCincinnati Redsから付けていた愛着のある#17ではなく#19を着けていました。Booneはこの年のシーズン中に移籍してきたのですが、その時点では#17が空いていなかったのですね。
 
そしてBooneは2003年のWorld Series敗戦(Florida Marlins、現Miami Marlinsに敗れました)後のシーズンオフ(2004年1月16日)に、チームとの契約に反してバスケットをしているときに靭帯を断裂します。正三塁手を失ったYankeesはその直後にあのAlex Rodriguezを獲得したわけですから、Booneの軽率な行動がなければMLBの歴史は変わっていたかもしれません。それまでの過去5年でリーグ優勝4回、ポストシーズンで42勝24敗を誇っていたYankeesが、なかなかWorld Seriesにたどり着けない“並みのチーム”になったからです。
 
当時のYankeesの監督だったJoe Torreは自著「さらばヤンキース」の中で、「アレックスが来てからというもの、クラブハウスから和気あいあいとした雰囲気が消えてしまった」と語っています。その後の、ポストシーズンでなかなか勝てないYankeesを覆っていたのはRodriguezの存在がもたらした副作用としか思えません。そのあたりはTorreの自伝に詳しく描かれているので、興味がある方はご覧ください。
 
結局Yankeesが再び世界一に輝くのは、松井がWorld Series MVPを獲った2009年シーズンでした。松井ファンの筆者から見ればRodriguezが、松井がYankeesでWorld Seriesを制覇するまでの6年間のストーリーを演出したともいえるのですが。
 
Booneに話を戻すと、Booneは怪我の直後にYankeesを解雇され、2005年にCleaveland Indiansへ復帰したのち2009年シ-ズンを最後に引退しています。せっかく前年のポストシーズンで名を売り、春からYankeesの正三塁手の地位を約束されていたのに、自分の軽率な行動ですべてを台無しにしたBoone。そんなBooneがYankeesの監督になって、現役時代に着られなかったYankeesの#17のユニホームに袖を通すとは、何という皮肉でしょう。ぜひ長い期間、このユニフォームを着られるよう精進というかチームを勝たせ続けてほしいものです。
 
NFLに行く前に、NBAの#17についても調べましょう。Dunk Shot 2018年2月号(こうした用途も見越して、永久欠番特集が載っているこの号を購入していました)によると#17を永久欠番としているのはNBAには3人しかいないとのこと。一人はBoston Celticsで1960-70年代の16シーズンのうち8回の優勝を飾ったJohn Havlicekですね。筆者はプレイを見たことはありませんが、Celticsが最強だった当時を支えた選手として名前は知っていました。
 
二人目はAtlanta HawksのかつてのオーナーでCNN創業者であるTed Turnerの名を挙げています。ただ2013年からHawksではDennis Schröderが着用しているところから、現時点で#17は欠番ではないようです。Turnerが所有していたWTBS(現TBS)がチャンネル17だったため、この因縁があって一時期のHawksでは#17を着用させなかったのかもしれません。
 
そして筆者が現役時代を知っているのが三人目のChris Mullin。1992年のバルセロナオリンピックでドリームチームの一員として金メダルを獲得した、左利きのシューターでした。
 
Mullinがいる当時、人気はあったもののなかなか勝てないチームだったGolden State Warriorsですが、ここ3年で2回NBAファイナルを制した強豪として君臨しているのはご存知の通りですね。2012年に#17はWarriorsの永久欠番になりました。
 
ああ、やっとNFLの#17になりました。
 
NFLではルール上、#17(10番台)はWRかQB、K、Pしか着けられませんね。ただ背中が重くなるせいか、二けたのKやPを見かけることはあまり多くありません。つまりほとんどがWRかQBということになります。
 
2017年シーズンに#17を着けたWRでは、以前ここで取り上げたRobert Woods(LAR)やDavante Adams(GB)、Devin Funchess(CAR)あたりが思い浮かびます。ほかにも何人か入るのですが、省略してQBの話にしましょう。
 
2年前にQBのJersey Numberを取り上げた記事(1-910-19)のとき、#17を着けていたのはPhilip RiversとBrock Osweiler、そしてRyan Tannehillとあと二人(Kellen MooreとCase Keenum)でした。Mooreは2018年シーズンは出番がないまま終わり、Keenumは移籍先のMINでは#7を着用しました。

つまり2017年シーズンはRiversとOsweilerとTannehillの3人しか、#17を背負わなかったようです。正しく言えばTannehillは怪我により全試合欠場なので、#17として試合に出場したQBは二人しかいませんでした。
 
Riversは全試合出場でTom Bradyに次ぐ2番目のヤード数を稼ぐ活躍でした。因縁のEli Manningとの直接対決も制し、前半不振だったチームをPlayoff直前まで復活させたところはさすがです。
 
もう一人のOs君はなぜかDENに舞い戻り、Peyton Manningの控え時代に着けていた#17を着用してしっかり4試合に先発しました。しかし、チームからの信頼は得られなかったようでCase KeenumをDENが獲得した後の2018年3月にMIAと契約します。
 
MIAと言えば、Tannehillの全休が決まったことを受け急きょ、引退を発表しFOX Sportsのコメンテーターに内定していたJay Cutlerを復帰させ(MIAのHCであるAdam Gaseは、前職がCHIのOffensive Coordinatorだった)、1シーズンを乗り切りました。そういえばOs君はCutlerがCHIに去った後、#6をつけていた経験があります。どれだけCutlerの追っかけをすることに関心があるのかわかりませんが、2度目のCutler後釜人事となりました。
 
ここで興味深いのはTannehillとOsweilerの今シーズンのJersey Numberが#17で見事にかぶっていること。マイアミで#17をめぐる戦いが勃発するのでしょうか。
 
とはいえ、フランチャイズQBと呼ぶには微妙なTannehillではありますが、長年にわたり同チームの#17を背負ってきたTannehillがこの番号を奪われる可能性は低く、番号を変えるのはOsweilerのはずです。ではかつてDENで付けていたことがある#6に行くのか、いっそDEN時代の恩師の番号である#18を背負うのか、もちろん全く別の番号にするのか、たいへん興味があります。
 
筆者としては、#15以上の重い番号を背負うQBが減ってきただけに、Osweilerには新天地では#18を着けてもらいたいと考えているのですがどうでしょう。「Peytonをリスペクトして、DENでは着けられなかったこの番号を背負うことにしました」と言ったらちょっとは好感度が上がるかもしれません。もちろんこの地で#13はありえませんけどね。
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR(旧STL) ロサンゼルス・ラムズ
OAK オークランド・レイダース SF サンフランシスコ・49ers
LAC(旧SD) ロサンゼルス・チャージャース SEA シアトル・シーホークス

Aaron JudgeはNYYの歴史を変えられるか、NBAとNHLの伝説の背番号を背負った宿命

2017年06月13日 22時05分00秒 | MLB
Aaron Judgeが止まらないって誰だよと思った方はごめんなさい。久しぶりの投稿はMLBのRising Starをきっかけに、Jersey Numberネタで書きます。
 
ご存知でない方のためにちょっと書くと、JudgeとはNewyork Yankees(NYY)のメジャー2年目の選手。2016年、シーズン中の8月にAlex Rodriguezに詰め腹を切らせるなど大リストラを敢行したNYY期待のメジャー2年目の選手です。年齢は25歳で、201㎝127㎏という立派な体格をしています。
 
2016年シーズンはシーズン半ばにメジャーに昇格し、初打席初ホームランという華々しいスタートを切りましたが、最終的には4本塁打で終わりました。27試合に出ただけで既定の130打席には至らず、今シーズンの新人王を取る資格が残っているんだそうです。
 
この日曜、久しぶりにNHK BSのMLB中継を冒頭から見た筆者は、Judgeのブレークぶりに今さらながら気が付きました。なんと6月12日(現地)時点で、22HR57RBI、打率3割4分7厘はAmerican Leagueで全てトップの成績。All Starの投票でもリーグトップの投票を得ており、怪我さえなければJoe DiMaggioと松井秀喜に次ぐ、NYYのルーキーとしてオールスターに先発する選手となりそうです。
 
日曜日にGoogleの検索窓に「Aaron」と入れたところ、「Aaron Rodgers」よりも「Aaron Judge」の方が上に出てきたときはさすがに驚きました。それほど検索される件数が多いということなのでしょう。もしJudgeをFantasy Baseballでドラフトしていたら今ごろウハウハでしょうね。なにせ2016年は三振が多く、シーズン前の評価は低かったからです。
 
さて、このJudgeが着けているJersey Number(まあMLBなのでUniform numberまたは背番号と書いてもいいのですが)は#99。MLBの長い歴史を見ても、この番号を付けたのはたったの17人しかいません。99とは2桁では最高に大きな数であり、やはり野球をやるには「重い」背番号のようです。
 
MLBでは田口壮が(St. Louis Cardinals 02-07年、Philadelphia Phillies 08年、Chicago Cubs 09年)8年間、ずっとこの番号で通したのを覚えている方も多いと思いますが、どうやらこれがMLBの最長の記録のようです。そういえば、Manny RamirezもLA Dodgersに移籍した後、この番号を着けていました。
 
このブログはNFLが中心ですから、現役のNFL選手で考えてみましょう。そうなれば、なんといってもHOUのJ.J.Wattが思い浮かびます。これ以外ではLARのAaron DonaldとBUFのMarcell Dareusあたりが有名どころでしょうか。
 
NFLのOBではやはり、TBなどで活躍したWarren Sappでしょうかね。あとはMIAなどで活躍したJason TaylorやDan Hamptonの名前が上がります。NLFの場合、#99を着けられるのは原則LinebackersかDefensive Linemenに限られるルールがあるので、攻撃の選手がいないのはやむを得ません。
 
せっかくなのでほかのスポーツもはどうなんだろうと思って検索したところ、99を付けた選手としてだいたい最初に名前が出てくるのはWayne Gretzky。NHLをほとんど見ない筆者でも知っている、伝説のホッケー選手でした。
 
そしてNBAでは、「バスケットを変えた」とまで言われるGeorge Mikan(読み方は「みかん」でなく「マイカン」)の名前が上がります。筆者は現役時代を見たことはありませんが、Wikipediaによると「現代バスケットボールが形成される上でその発展に最も影響を与えた選手の一人」「彼の登場以後、バスケットボールは『 巨人のスポーツ』となった」と書いてあるほどの選手です。
 
Mikanのゴール下での支配力があまりに強力なため、「ゴールテンディング」や「ショットクロック」など、現在のNBAに通じる重要なルールができたとのこと。現役選手ではBOSのJae Crowderが着けていますが、Mikanの足元にも及びません。
 
#99という他のスポーツでも伝説になった番号を背負うには、それなりの自尊心と成績がないと務まりません。これからJudgeが、「コア4」の引退後パッとしなくなったと言われるNYYを背負って立てる存在になれるのか注目していきましょう。
 
最後に、歳がばれるのでこのネタは振りたくなかったのですが、筆者が「99」といわれて思い出すのはTOTOですね。いやもちろんサッカー賭博のことではなく、米国のロックグループTOTOの代表曲です。
 
 
1979年発売のアルバム「Hydra」の収録曲なので、もう世に出て38年も立ちました。なお「99」というのは、 どうやら女性を指しているようです。
 
ネットに転がっている情報を見ると、この曲はGeorge Lucasが1971年に作った監督デビュー作「THX 1138」にインスパイア―されたとのこと。この映画は、人々は3文字のアルファベットと4文字の数字で呼ばれている25世紀を描いているそうです。さすがにこれじゃ長いから、最後の2桁だけを呼称にしたってことでしょうか。
 
最後になりますが、長い間お休みをいただいたお詫びを。最近まで仕事が忙しかったというのが最大の理由ですが、NFLネタはこの時期、なかなか原稿を書くほどのモチベーションが上がらないのですよ。多分、米国のNFL雑誌が日本に輸入されて、紀伊国屋書店に並ぶころから本気になります。
 
次回はNFLではなく、今日決着がついたNBA Finalについて書くつもりです。
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR(旧STL) ロサンゼルス・ラムズ
OAK オークランド・レイダース SF サンフランシスコ・49ers
LAC(旧SD) ロサンゼルス・チャージャース SEA シアトル・シーホークス

108年ぶりのCubs優勝は讃えるがChicago市民は贅沢?なぜLeBronは咆哮したのか

2016年11月05日 15時20分00秒 | MLB

“Cleveland, this is for you” とLeBron Jamesが叫び、NBAでCleveland CavaliersがFinalを制覇してから約半年。1948年にMLBを制覇してから68年を経たCleveland IndiansがWorld Seriesに登場しました。結果はご存知の通り、3勝1敗からChicago Cubsに3連勝を食らい、World Championにはなれませんでした。

108年ぶりのCubsの優勝は素直に讃えます。ヤギの呪いも解けてよかったでしょう。ただ、Chicago市民が筆者には贅沢に見えました。ChicagoにはMLBの球団は二つあって、Chicago White Soxは2005年に優勝していたからです。いくら大都市でファン層が違うといっても、街としてはついこの間のことでしょ。しかもNFLではBearsが1986年にSuper Bowlで勝っているし、NBAではBullsが90年代だけで6回も優勝しています。
 
こう考えると、まだSuper Bowlが始まる前の1964年にCleveland BrownsがNFL Championになってから、52年の間が開いたClevelandの方につい同情したくなります。LeBronの咆哮にもこういう背景があったのですね。
 
ということで、それぞれの都市圏のフランチャイズ事情をちょっと調べてみました。
 
まずWikipediaのデータを基にこんな表(リンク先をご覧ください)を作りました。こちらはNHLも含んだ全米4大スポーツの表になっていますので参考資料にとどめましょう。ここで筆者はNHLはほとんど見ていないので、ここから先はNHLの話を除外して考えます。
 
先ほどのデータを基に、作り直したのがこの表。ここにそれぞれのチームが最後に優勝した年を入れてみました。
 
都市圏名
NFL
MLB
NBA
ニューヨーク New York Giants→2012
New York Jets→1969
New York Yankees→2009
New York Mets→1986
New York Knicks→1973
Brooklyn Nets
ロサンゼルス
(ロサンゼルス、アナハイム)
Los Angeles Rams
Los Angeles Raders→1984
Los Angeles Dodgers→1988
Los Angeles Angels→2002
Los Angeles Lakers→2010
Los Angeles Clippers
シカゴ Chicago Bears→1986 Chicago Cubs→2016
Chicago White Sox→2005
Chicago Bulls→1998
ワシントン・ボルチモア
(ワシントンD.C.、ボルチモア)
Washington Redskins→1992
Baltimore Ravens→2013
Washington Nationals
Baltimore Orioles→1983
Washington Wizers→1978
ボストン New England Patriots→2015 Boston Red Sox→2013 Boston Celtics→2008
サンフランシスコ
(サンフランシスコ、オークランド、サンノゼ)
San Francisco 49ers→1995
Oakland Raiders→1977
San Francisco Giants→2014
Oakland Athletics→1989
Golden State Warriors→2015
ダラス・フォートワース
(ダラス、フォートワース)
Dallas Cowboys→1996 Texas Rangers  Dallas Mavericks→2011
フィラデルフィア Philadelphia Eagles Philadelphia Phillies→2008 Philadelphia 76ers→1983
ヒューストン Houston Texans Houston Astros Houston Rockets→1995
トロント Toronto Blue Jays→1993  Toronto Raptors
マイアミ Miami Dolphins→1974 Florida Marlins→2003 Miami Heat→2013
アトランタ Atlanta Falcons Atlanta Braves→1995 Atlanta Hawks
デトロイト Detroit Lions Detroit Tigers→1984 Detroit Pistons→2004
シアトル Seattle Seahawks→2014 Seattle Mariners Seatle Supersonics→1979
フェニックス Arizona Cardinals Arizona Diamondbacks→2001 Phoenix Suns
ミネアポリス・セントポール
(ミネアポリス、セントポール)
Minnesota Vikings Minnesota Twins→1991 Minnesota Timberwolves
サンディエゴ San Diego Chargers San Diego Padres
デンバー Denver Broncos→2016 Colorado Rockies Denver Nuggets
クリーブランド Cleveland Browns Cleveland Indians→1948 Cleveland Cavaliers→2016
セントルイス St Louis Rams→2000 St. Louis Cardinals→2011 St. Louis Hawks→1958
オーランド Orlando Magic
タンパベイ(タンパ、セントピーターズバーグ) Tampa Bay Buccaneers→2003 Tampa Bay Rays 
サクラメント Sacramento Kings
ピッツバーグ Pittsburgh Steelers→2009 Pittsburgh Pirates→1979
シャーロット Carolina Panthers Charlotte Hornets
ポートランド Portland Trail Blazers→1977
シンシナティ Cincinnati Bengals Cinncinnati Reds→1990
サンアントニオ San Antonio Spurs→2014
カンザスシティ Kansas City Chiefs→1970 Kansas City Royals→2015
インディアナポリス Indianapolis Colts→2007 Indiana Pacers
ミルウォーキー Milwaukee Brewers Milwaukee Bucks→1971
ソルトレイクシティ Utah Jazz
ナッシュビル Tennessee Titans
ジャクソンビル Jacksonville Jaguars
オクラホマシティ Oklahoma City Thunder
メンフィス Memphis Grizzlies
バッファロー Buffalo Bills
ニューオーリンズ New Orleans Saints→2010 New Orleans Pelicans
グリーンベイ Green Bay Packers→2011
 
なお赤字はその都市を本拠とするチームが最後に優勝した年(ややこしくなるので、年号はすべて優勝決定戦が戦われた日のものにしました。つまりSuper Bowl 50は2015年シーズンですが、DENの優勝は試合があった日の2016年としています)。青字はもうその都市にいないチームが、優勝したものです(なお、かつてNBAチームがフランチャイズを置いていた時に優勝した、シラキュースやロチェスターなどは省略しました)。

RamsはLon Angelsにいる時期は、Super Bowlに勝っていないので黒字。その代わり、St. Louisでは青字になっています。一方のRadersはLos Angelsを本拠とした1984年にSuper Bowlで勝ったので青字になっています。Oaklandでの優勝は1977年が最後ですね(こっちは赤字)。

NBAでも、現在のOklahoma City ThunderはSeattle Supersonics時代に優勝経験があります。Atranta HawksはSt. Louis時代に優勝してました。

データは、NFLはSuper Bowlが開催されるようになった1967年から、NBAはFinalが開催されるようになった1947年からのデータからになります。Cubsのように108年前の優勝経験が語られるところからは、MLBの歴史の長さを感じますね。

こうしてみるとわかるように、NBAもNFLもMLBもチームがあるのに長いこと優勝から見はなされていたのがClevelandなのです。そんなClevelandに、同じ年にNBAとMLBが優勝決定戦まで勝ち残ったのは奇跡的なこと。ご存知の通りNFLの方はまだだいぶ時間がかかりそうですが、この奇跡の1年があればしばらくは我慢できるのではないでしょうか。

これに対して、州は違えどClevelandから200㎞ほどの距離にあるPittsburghは、Piratesはだいぶ遠ざかっているものの、Steelersがいるので街として優勝を何度も味わっています。同じOhio州のCincinatiは、BengalsもNFL制覇経験がありませんが、RedsがMLBで1990年に優勝しています(こっちは26年前なのでだいぶご無沙汰ですかね)。Cleveland近郊のAkron出身のLeBronが、「北Ohioでの優勝を」と言っていた理由はPittsburghやCincinatiへの対抗意識があったのでしょうかね。

表は米国の都市圏で、人口が多い順に並んでいます。都市圏のくくり方次第では微妙に人口が変わるのでまあ、大まかに見ていただけばよいと思いますが、表の上から見て優勝がない都市はどこかというと、ChargersとPadresがいるSan Diegoでした。

Chargersは1959年創設、Padresは1969年創設。2チームしかないところはClevelandよりも厳しいですが、同じ条件で人口が少ないKansas CityがNFLでもMLBでも優勝していることを考えれば、あまり同情はできません。NHLのチームもないSan Diegoの街に、世界一をプレゼントするのはどちらが先でしょう。Chargersが移転するともっと厳しいことになりますけど。

こうしてみると周辺を含めて人口が30万程度しかいないGBの奮闘ぶりがちょっとうれしくなりますね。
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
 MIA マイアミ・ドルフィンズ  NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
 NE ニューイングランド・ペイトリオッツ  PHI フィラデルフィア・イーグルス
 NYJ ニューヨーク・ジェッツ  WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
 CIN シンシナティ・ベンガルズ  DET デトロイト・ライオンズ
 CLE クリーブランド・ブラウンズ  GB グリーンベイ・パッカーズ
 PIT ピッツバーグ・スティーラーズ  MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
 IND インディアナポリス・コルツ  CAR カロライナ・パンサーズ
 JAX ジャクソンビル・ジャガーズ  NO ニューオリンズ・セインツ
 TEN テネシー・タイタンズ  TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
 KC カンザスシティ・チーフス  LA ロサンゼルス・ラムズ
 OAK オークランド・レイダース  SF サンフランシスコ・49ers
 SD サンディエゴ・チャージャース  SEA シアトル・シーホークス

資料編:全米4大スポーツの都市圏別フランチャイズ

2016年11月05日 15時18分00秒 | MLB

この記事は、「108年ぶりのCubs優勝は讃えるがChicago市民は贅沢?なぜLeBronは咆哮したのか」の参考データです。詳しくは本記事をご覧ください。

都市名 順位 人口 総数 NFL MLB NBA NHL
ニューヨーク
(ニューヨーク)
1 2208万5649 9 ジャイアンツ
ジェッツ
ヤンキース
メッツ
ニックス
ネッツ
レンジャース
アイランダース
デビルス
ロサンゼルス
(ロサンゼルス、アナハイム)
2 1787万7006 7 ラムズ ドジャース
エンゼルス
レイカーズ
クリッパーズ
キングス
ダックス
シカゴ(シカゴ) 3 968万6021 5 ベアーズ カブス
ホワイトソックス
ブルズ ブラックホークス
ワシントン・ボルチモア
(ワシントンD.C.、ボルチモア)
4 857万2971 6 レッドスキンズ
レイブンズ
ナショナルズ
オリオールズ
ウィザーズ キャピタルズ
ボストン(ボストン) 5 755万9060 4 ペイトリオッツ レッドソックス セルティックス ブルーインズ
サンフランシスコ
(サンフランシスコ、オークランド、サンノゼ)
6 746万8390 6 フォーティナイナーズ
レイダーズ
ジャイアンツ
アスレチックス
ウォリアーズ シャークス
ダラス・フォートワース
(ダラス、フォートワース)
7 673万1317 4 カウボーイズ レンジャーズ マーベリックス スターズ
フィラデルフィア
(フィラデルフィア)
8 653万3683 4 イーグルス フィリーズ セブンティシクサーズ フライヤーズ
ヒューストン(ヒューストン) 9 605万1363 3 テキサンズ アストロズ ロケッツ
トロント(トロント) 10 558万3064 3 ブルージェイズ ラプターズ メープルリーフス
マイアミ(マイアミ) 11 556万4635 4 ドルフィンズ マーリンズ ヒート パンサーズ
アトランタ(アトランタ) 12 545万7831 3 ファルコンズ ブレーブス ホークス
デトロイト(デトロイト) 13 521万8852 4 ライオンズ タイガース ピストンズ レッドウィングス
シアトル(シアトル) 14 419万9312 2 シーホークス マリナーズ
フェニックス(フェニックス) 15 419万2887 4 カージナルス ダイヤモンドバックス サンズ コヨーテズ
モントリオール(モントリオール) 16 382万4221 1 カナディアンズ
ミネアポリス・セントポール
(ミネアポリス、セントポール)
17 361万5902 4 バイキングス ツインズ ティンバーウルブズ ワイルド
サンディエゴ(サンディエゴ) 18 309万5313 2 チャージャーズ パドレス
デンバー(デンバー) 19 309万0874 4 ブロンコス ロッキーズ ナゲッツ アバランチ
クリーブランド(クリーブランド) 20 288万1937 3 ブラウンズ インディアンス キャバリアーズ
セントルイス(セントルイス) 21 287万8255 2 カージナルス ブルース
オーランド(オーランド) 22 281万8120 1 マジック
タンパベイ
(タンパ、セントピーターズバーグ)
23 278万3243 3 バッカニアーズ レイズ ライトニング
サクラメント(サクラメント) 24 246万1780 1 キングス
ピッツバーグ(ピッツバーグ) 25 244万7393 3 スティーラーズ パイレーツ ペンギンズ
シャーロット(シャーロット) 26 240万2623 2 パンサーズ ホーネッツ
バンクーバー(バンクーバー) 27 231万3328 1 カナックス
ポートランド(ポートランド) 28 222万6009 1 トレイルブレイザーズ
シンシナティ(シンシナティ) 29 217万2191 2 ベンガルズ レッズ
サンアントニオ(サンアントニオ) 30 214万2508 1 スパーズ
カンザスシティ(カンザスシティ) 31 210万4853 2 チーフス ロイヤルズ
インディアナポリス
(インディアナポリス)
32 208万0782 2 コルツ ペイサーズ
コロンバス(コロンバス) 33 207万1052 1 ブルージャケッツ
ミルウォーキー(ミルウォーキー) 36 175万1316 2 ブルワーズ バックス
ローリー(ローリー) 37 174万9525 1 ハリケーンズ
ソルトレイクシティ(ソルトレイクシティ) 38 174万4886 1 ジャズ
ナッシュビル(ナッシュビル) 40 167万0890 2 タイタンズ プレデターズ
ジャクソンビル(ジャクソンビル) 43 134万5596 1 ジャガーズ
オクラホマシティ(オクラホマシティ) 45 132万2429 1 サンダー
メンフィス(メンフィス) 47 131万6100 1 グリズリーズ
オタワ(オタワ) 50 123万6324 1 セネターズ
バッファロー(バッファロー) 51 121万5826 2 ビルズ セイバーズ
ニューオーリンズ
(ニューオーリンズ)
52 121万4932 2 セインツ ペリカンズ
カルガリー(カルガリー) 53 121万4839 1 フレームス
エドモントン(エドモントン) 56 115万9869 1 オイラーズ
ウィニペグ(ウィニペグ) 76 73万0018 1 ジェッツ
グリーンベイ(グリーンベイ) 156 30万4783 1 パッカーズ
 
 
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
 MIA マイアミ・ドルフィンズ  NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
 NE ニューイングランド・ペイトリオッツ  PHI フィラデルフィア・イーグルス
 NYJ ニューヨーク・ジェッツ  WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
 CIN シンシナティ・ベンガルズ  DET デトロイト・ライオンズ
 CLE クリーブランド・ブラウンズ  GB グリーンベイ・パッカーズ
 PIT ピッツバーグ・スティーラーズ  MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
 IND インディアナポリス・コルツ  CAR カロライナ・パンサーズ
 JAX ジャクソンビル・ジャガーズ  NO ニューオリンズ・セインツ
 TEN テネシー・タイタンズ  TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
 KC カンザスシティ・チーフス  LA ロサンゼルス・ラムズ
 OAK オークランド・レイダース  SF サンフランシスコ・49ers
 SD サンディエゴ・チャージャース  SEA シアトル・シーホークス

David OrtizはRay Lewisになれるのか、NBAではGarnettが引退しPierceは最後の1年に

2016年10月02日 15時00分00秒 | MLB
以前、2回に分けて書いた米国スポーツの有力選手の引退話ですが(こちらこちら、NBAの大物が去就を決めたのと、MLBのPlay Offが近づいてきたのでアップデートします。
 
まず、NBAでは二人の有力選手の去就が新たに発表されました
 
一人はKevin Garnett。愛称は「The Big Ticket」ってのもありますが、筆者には「KG」の方がピンときます。9月下旬のNBAの2016-17シーズン開幕を控えたこの時点で引退を発表しました。
 
GarnettはMinesota Timverwolvesに高卒で入り21年間、Wolves(#21)→Boston Celtics(#5) →Newjersey Nets(#2) →Wolves(#21) で活躍しました。細身の身体でもゴリゴリとゴール下を守るスタイルが印象的な選手でした。同じPower ForwardのTim Duncanのスマートさというか無機質さとはちょっとイメージが違うんですよね。
 
2000年代にNBAを最もよく見ていた筆者のイメージでいうと、高卒でNBA入りしたこともあって、恵まれないチームで孤軍奮闘する「若手選手」(当時)でした。Wolvesは昔から(今でも)、有望な選手で編成するものの勝ちきれないチーム。そんな中で通算13シーズン半にわたり務めたわけですが、入団するチームが違っていたらDuncan並みの実績(チャンピオンリングの数という意味)を残せていたかもしれません(奇しくも一番長く付けたJersey Numberは二人とも#21でした)。
 
キャリアの頂点は、長年在籍したWolvesからCelticsに移籍した2007-08年シーズン。Celtics生え抜きのPaul Pierceと、屈指のシューター Ray Allenの3人で結成した、「The Big 3」のときでしょう。この年はゴール下を制圧し、NBA FinalではLA Lakersを下しました。Eddie HouseやJames Poseyなどのベンチメンバー、そして入団2年目のRajon Rondoが機能した素晴らしいチームでしたね。Kendrick PerkinsやGlen Davisも...(略

晩年(2014-15年シーズンの途中)、「NBAのシベリア」と呼ばれるWolvesに帰還したときは、これでキャリアを終える気だろうと周囲も納得しました。残念なのは引退決意が2016年シーズン直前になったこと。

ひざの状態がことのほか思わしくなかったのか、Kobe BryantとDuncanという同年代の大物二人の引退と被らないように避けたのか真意はわかりませんが、シーズン直前の発表はもったいない気がします。今期からWolvesのHCに就任した、Tom Thibodeauと話が合わなかったのかとか邪推してしまう自分がいるのですが、これは勘繰りの域を出ません。蛇足ですがBryantとの対比では、こんな面白い記事がありましたのでご参考にどうぞ。
 
もう一人はPaul Pierce。愛称は「THE TRUTH」。こちらはCeltics →Nets→Washington Wizardsを経て、現在はLA Clippersにいます。Pierceは2016-17シーズン限りの引退を発表しました。
 
表向きは「もう1年だけClippersの優勝の可能性に賭けてみたい」とのことですが、筆者の口の悪い友人が指摘しているのは「Bryant、Duncan、Garnettと同じ年に殿堂入りの審査を受けるのを避けた」という見方。確かに殿堂入りは確実な選手なのですが、実績面では先ほどの3人に比べるとやや見劣りすることを否定できません(思い切り配慮した表現)。
 
Pierceのイメージは、長年低迷していた名門Celticsを生え抜きとして支え続けたオールラウンダーです。上で書いたFainal制覇のときは名実ともにチームのリーダーで、確か第1戦でけがを負いながら試合に復帰してチームの勝利に貢献しました。意外だったのはCelticsから当時の金満チームNetsに移籍したこと。トレードなので仕方ないですが、最後までCelticsにいるものだと思っていただけにがっかりした記憶があります。
 
そしてシーズン、Celticsの優勝当時のHCだったDoc Riversの下、最後の戦いに挑みます。ただ2016-17シーズンのClippersが在籍するNBA Westは、Kiven Durantを加えたGolden State Warriorsと、Duncanが引退するもPau Gasolを呼び寄せたSanantonio Spursの前評判が高いです。
 
正直ここを勝ち抜いて、NBA Finalにたどり着くのは至難の業と思います。さらにその先にはLeBron James率いるCleveland Cavaliersが待っていることでしょう。Pierceの最後の輝きに期待したいところです。
 
Pierceは4チームを渡り歩きましたが、Garnettと違いJersey Numberはずっと同じ#34を着けています。そしてMLBで今年引退する#34といえば、お待たせしましたDavid Ortizですね。
 
シーズン開始時から引退を標榜して臨んだOrtizの今シーズン。前回書いたときから成績が伸び、打率.316でHR38本。そして打点は127とリーグ2位の成績を挙げています。Boston Redsoxファンならずとも、これで引退させるのは惜しいですね。
 
チームもシーズン終盤にきて絶好調。9月に10連勝を飾り、American League東地区の優勝を決めました。勝率こそTexas Rangersに上をいかれましたが、立派な優勝候補です。
 
こうなると思い出すのは、2013年シーズンのPlay OFFを「負けたら引退」を宣言して勝ち進んだBALのRay Lewisのこと。BALはこの年、第4シードからの進出でしたが、終盤まで負けていたDEN戦で終了間際のHail Meryで追いつくなど、神懸り的な勝負強さを発揮しSuper Bowl 47に進みました。

Super Bowl 47のダイジェストがYouTubeに上がっていたので、少しだけ見ようと思いましたが十数分の動画を最後まで見てしまいました。最後のボールが止まるまで結果が見えない好ゲームでしたね。
 
 
Lewisは動画にもちらほら出てきますが、「負けないまま引退」という見事な結果を残します。
 
先日、優勝を飾ってそのまま引退したPeyton Manningですが、Super Bowl 50で勝てていなかったら引退の道を選んでいなかったように思います。周囲からも折に触れて進退についてのコメントを求められたシーズンでしたが、Super Bowlの勝利直後のインタビューでもその質問には答えませんでした。勝利という結果を噛みしめて、進退を決めたのでしょう。それも引退までの一つの道といえます。
 
一方で開幕当初からシーズン終了時の引退を発表しているOrtizに期待したいのは、自身の引退を材料にチームを発奮させる役割。MLBではPlay Off進出から優勝までは11勝が必要です。バッティング面では、2013年のWorld SeriesでMVPをとったときの、あの活躍の再来を期待します。そしてLewisが成し遂げたように、「優勝して引退」の花道をぜひ自身の手でもぎ取ってほしいものです。
 
そしてこの言葉を、これから長いそして苦しいシーズンを迎えるPierceにも贈ろうと思います。
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

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