前回は、2016年シーズンのポジション別Fantasy Pointを分析したDEF編、RB編、TE編、K編、QB編、WR編を受けて、ポジション横断的な分析をしてみました。ここではWRの成績が非常に悪く、RBとの差が着いていたことがわかりました。あくまでシーズンが終わった後の後付けなのではありますが、2017年シーズンの傾向を予測する上で重要なのであえて書いています。
さて2016年シーズン二つ目の課題であった、TEの成績が非常に悪かった話を考えてみましょう。前回は2015年シーズンと2016年シーズンの比較をしましたが、ちょっとこれだけではTEの傾向が理解できないため、2011年からの6年間で調べてみました。
最初は上位25人のグラフを書いていたのですが、見づらくなったので上位10人だけにしました。もう一つ言うと、10位以下は雨後の筍で、グラフにしても面白くなかったんです。
グラフはこの通り。まず一番最初に気付いていただきたいのが赤線で描いた2016年のTEの成績の悪さ。ここ6シーズンで最悪なのが一目瞭然ですね。
面白いのは上から7番目の成績を残した選手の成績がどのシーズンも近いこと。6年間で108.90~120.90と12pointに収まりました。つまり、TEは成績が上から7番目の選手だと1試合当たり6.75~7.5ポイントくらいを稼ぐと考えればいいわけです。筆者がTEがその週に10point稼ぐとチームが安定するといつも書いているのは、こうしたところからもわかっていただけるかと。
そして2011年と2013年に200pointを超えたTEがいます。2011年の方はご存知のあのお方(Rob Gronkowski、240.90point)ですね。そして2013年の方はというと、今も現役のあの人(Jimmy Graham、217.50point )ですね。2011年のGronkowskiはQBを含むpointランキングで15位に入っていたのですから、その凄まじさが分かります。
しかしグラフをよく見ると、TEが年間で160pointつまり1試合当たり10pointを超えたのは6例しかありません。3回のGronkowski、2回のGrahamともう一人は誰でしょう。ヒントは2013年。
答えはVernon Davisですね。(この行だけ文字と背景を同じ色にしましたので、答えを知りたい方は該当部分をマウスでドラッグしてください)
こうなると2016年ドラフトもそうですが、GronkowskiはWR上位と同じ扱いにして、ドラフト1巡目で選ぶのが妥当と考えられます。もちろん指名できればですが。ただ1巡目のWRやRBの上位と比較するとどうなのかという疑問もあります。NFL.comのドラフト前人気でも全体9位というのは、そういう順位なんです。
しかし前にも言った通り、Gronkowskiは怪我が怖い。2015年、2014年、2011年は爆発しましたが、そうでないとドラフト1巡目としてはいただけない成績です。これは大きなリスクであり、悩みますねえ。
そして、GrahamはSEAに移籍以降は人並みのTEになってしまいました。こればかりはQBとの相性やチームの攻撃スタイルに影響を受けているので成績不振とは言えませんが、有力な
Gronkowskiの対抗馬だっただけに惜しい気がします。
ここでちょっとした表を作ってみました。
年 |
1位 |
TEでPointが1位だった選手 |
2-10位の平均 |
差分 |
2016 |
138.00 |
Travis Kelce |
114.53 |
23.47 |
2015 |
183.60 |
Rob Gronkowski |
131.02 |
52.58 |
2014 |
184.40 |
Rob Gronkowski |
127.02 |
57.38 |
2013 |
217.50 |
Jimmy Graham |
129.18 |
88.32 |
2012 |
152.20 |
Jimmy Graham |
119.80 |
32.40 |
2011 |
240.90 |
Rob Gronkowski |
129.11 |
111.79 |
1位の成績を挙げたTEのpointと、2位から10位までのポイントを挙げたTEの平均pointの差です。2011年はその差が111.79ですから、1試合にして平均7ポイントの差がほかのTEと開いていた計算になります。
TEは必ず1試合に一人が先発しないといけないポジションですからこの差は大きいですね。もちろんほかのポジションの選手の成績との兼ね合いもありますが、これだけ1ポジションで差がつくと、この年にGronkowskiを指名できていたFantasyオーナーはウハウハだったことでしょう。これは2013年シーズンにGrahamを得ていたオーナーにも同じことが言えます(年間88.32ポイントなので1試合にして5.5pointの差)。
とすると、大きな賭けではありますが、Gronkowskiを1巡目で指名して後は怪我をしないよう神に祈るという戦略は大いにありでしょう。Tom Bradyはまだ衰えそうにないし。
そこで考えたいのは、Gronkowskiが1巡目に指名されてしまった後の対抗馬となる存在です。2015年シーズンのグラフを見るとGronkowskiだけでなく、Gary Barnidge(158.3point)、Jordan Reed(157.2point) 、Greg Olsen(150.4point) 、Delanie Walker(148.4point)も好成績を残しており、さらなる成績の伸び(つまりは年間200pointくらい)を期待できていました。
それなのにどの選手も成績を下げていたのではいけません。なにせTEのpoint上位10人の平均値116.88は、RBのpoint上位11~20位(上位1~10位ではありませんので念のため)の平均値166.14よりも低いだけでなく、WRのpoint上位11~20位までの平均値141.29も下回っています。Gronkowski以外のTEを上位で指名するのは今年の成績を見る限りは損だったということです。そして肝心のGronkowskiまでが怪我ではTEの成績は伸びない訳です。
WRの成績が急落したことと同様、2016年シーズンのFantasy Pointに起こった大きな変化が影響しているのかもしれません。TEの扱いは2017年ドラフトの大きなテーマになりそうです。
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。
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NFC東 | DAL |
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MIA |
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NYG |
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NE |
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PHI |
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WAS |
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NFC北 | CHI |
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CIN |
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CLE |
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GB |
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PIT |
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MIN |
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AFC南 | HOU |
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