Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

なぜLamar Jacksonは「Paul Pierceのようなことはしていない」と言ったのか

2020年12月16日 07時49分31秒 | NBA
日本時間の2020年12月15日10時15分KickOffのMNF(Monday Night Football)、BAL@CLEは白熱した試合になりました。
 
試合経過は飛ばして第4QのBALの攻撃が始まるところから、直前のドライブで追い上げられたBALのQBのポジションには、Lamar Jacksonではなく控えのTrace McSorleyが立っているではありませんか。
 
現地リポートでは「けいれんが理由でJacksonがロッカールームに戻り、復帰はQuestionableである」という情報が流れました。その時に流れた映像(NFL GamePassでは02:00:40頃)Jacksonがロッカールーム(というよりも、Bathroomらしい)に慌てて駆け込む様子も流れていました。
 

そのBALのドライブは3andOutに終わり、直後のドライブでCLEがTDを決めて34-35と逆転します。それに対するBALドライブでも、スナップを受けるのはMcSorley。Jackson不在のこのドライブを何とかつないで、CLE陣内44ヤードのところまでこぎつけたのですが、Two-minute warning直前の3rd Down5のプレイでMiles Garrettのタックルを受けたMcSoleyがひざを痛めていしまいました。
 
どうなるBAL!というところへ、Jacksonが走って戻ってきた!という映像が流れたとき、まるで図ったかのようにテレビにはTwo-minute warningのCMが流れます。そして、戻ってきたJacksonが何をしたかというと…
 
ここから先もこの試合にはいろいろあって、最終的にはBALが勝利するのですが、その経過は省略します(ぜひCLEの最後のプレイまでご覧ください)。ただ筆者はJacksonにいったい何があったのか気になったわけです。
 
当然、試合後のメディアインタビューでこのロッカールームの話に質問が飛ぶわけですが、そこでJacksonはこう答えたという報道があります。
 
"I was cramping," Jackson told reporters in his post-game press conference. "I ain't pull no Paul Pierce. I didn't pull a Paul Pierce. I was cramping."
 
https://www.insider.com/video-lamar-jackson-paul-pierce-poop-break-2020-12
 
「私はけいれんをしていた。Paul Pierceのようなことをしたわけではない」という趣旨です。じゃあ「Paul Pierce」って誰で何をしたのということになりますね。
 
Pierce はNBAのスターで、2008年にBoston Celticsの「Big 3」(Paul Pierce, Kevin Garnett and Ray Allen)の一員としてチームを2007-08シーズンのNBA Final 制覇(相手はLos Angels Lakers)に導いた選手です。このときはFinal MVPも獲得しています。
 
事件はそのFinal初戦(2008年6月)で起こりました。第3Qの途中、競り合いに巻き込まれたPierceはフロアに倒れこみ、そのまま立ち上がれず、チームスタッフの手を借りて車いすに乗せられてロッカールームへと引き上げます。
 
車いすで搬出されたPierceは、その後しばらくして試合に復帰。その時点で同点だった試合は、Pierceの3Pointもあって10点差を付けての勝利となり、Pierceは一躍ヒーローとなりました。
 
しかしその試合の直後から、Pierceはなぜロッカールームに、しかも車いすで運ばれなくてはならなかったのかが話題となっていました。この光景があるため、この試合のことは「Wheelchair game」と呼ばれています。
 
その後にいくつかの報道はありましたが、(Tront RaptorsとGoldenstate WarriorsのNBA Finals第3戦の試合中ということですから、2019年6月に)Pierce自身がESPNのカメラの前で当時の様子を告白しているので、それをご覧ください。
 
Paul Pierce’s ‘Wheelchair Game’ confession: Was he just joking? | ESPN Voices
 
動画では「I just had to go to the bathroom(字幕ではbalcony)」と言った後に字幕はなくなりますが、どうやら「something went down」(なんか出た)と言っているようです。つまり、このトラブルで自分で歩いてコートから退場できなくなっていたというの真相のようです。
 
この経過を知っていたJacksonが、Pierceの行為のどこまでを否定しているのかははっきりしませんが、Jacksonもbathroomに行かなくてはならなかったのは事実のようです。そのあとに復帰して、チームを勝利に導いたというPierceと同じ働きをしたといってよいでしょう。
 
こうしたコラムを書けるのは、筆者が長年NBAとNFLを並行して観てきたからです。日本でのNBAの報道が減ってきたことへの恨み言は以前書いたのでそちらをご覧いただくとして、この状況はそろそろ解決してほしいところです。
 
日本人として初めてNBAドラフトの1巡目で指名された八村塁のいるWashington Wizardsには、なんとRussell WilsonではなくRussell Westbrook(2016-17SeasonのMVPを獲った名選手)が移籍してきました。こんなビッグニュースも日本ではほとんど話題にならない状況を、非常に心苦しく思っています。何とかならないものなんでしょうかねえ
 
NFLに話を戻すと、現在BALはAFC北地区の3位で、まだPlayoff進出を確定できていません。同地区のCLEを破ったことで、なんとかAFCの8位となりましたが、7位のMIAや9位のLVとの競り合いが残っています。
 
NBA Final初戦のPierceとRegular Season中のJacksonとでは状況は違いますが、試合中の緊急事態に襲われたあとにチームをどこまで導けるか。2019年シーズンのMVPであるJacksonのこれからに注目していきましょう。
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

AFC東 BUF バッファロー・ビルズ NFC東 DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・フットボール・チーム
AFC北 BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北 CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南 HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南 ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西 DEN デンバー・ブロンコス NFC西 ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR ロサンゼルス・ラムズ
LAC ロサンゼルス・チャージャース SF サンフランシスコ・49ers
LV ラスベガス・レイダース SEA シアトル・シーホークス

なぜNBAのLakersとNFLのVikingsのチームカラーはPurple and Gold? Princeとの関係は

2020年11月03日 15時28分18秒 | NBA
先日NBA Finalを制したLos Angeles Lakes(LAL)について書きました。このチームは長年、チームカラーに紫と金色を使っています。いわゆるPurple and Goldですね。筆者がNBAをテレビで観戦するようになってからずっとですが、なんでこの色使いなのか気になっていました。
 
そしてもう一つ、NFLにもPurple and Goldをチームカラーにしているチームがいます。それがMinnesota Vikings(MIN)。先日の試合(2020年シーズンのWeek08)でGBを破ったMINの話はあまりしたくないのですが、まあ今回は仕方なく取り上げます。
 
実は先入観として、この2チームがMinneapolisに関係しているので(LALは創設時はMinneapolisが本拠で、Minneapolis Lakersと名乗っていました。湖の人を意味するLakerは移転後もそのまま残っていますね)、Purple and Goldの由来がMinneapolisの町の色なのではないかと思っていました。
 
さらに紫はMinneapolis出身で2016年に亡くなったミュージシャンのPrinceも愛していた色。Princeは2007年のSuper Bowl XLIで、紫のギターを弾きながら「Purple Rain」を雨のドルフィンスタジアムで熱唱しましたね。

Prince - Super Bowl XLI 🏈 | Halftime Show 2007 FULL SHOW HD

ということで、このMinneapolisと紫の謎を解くことにしました。
 
まずLALの紫ですが、これはLos Angeles移転後に変更されたもののようです。Minneapolis Lakersで画像を検索すると現れるのは水色と金色のユニフォームばかり。Wikipediaの「Logos and uniforms of the Los Angeles Lakers」にも「As the Minneapolis Lakers, their road uniform is powder blue with gold trim.」とあるので、Minneapolis在籍時は、金色は使っていたものの紫とは関係なかったようです。
 
ではいつ紫を採用したかというと、1967年に既にLos Angelesに移転した後に、Jack Kent CookeがLALを買収しThe Forumに本拠地を移したときからのようです。「Forum Blue」というサイトによると、Cookeが紫を好んでいた(けれども、当初は「Forum Blue」と呼んだ。そして1980-81年シーズンから「Royal Purple」と呼ばれるようになった)という記述があります。こちらは長いのでソースをご覧ください。
 
つまりLALの紫は、かつてのオーナーが好んだ色だったということになります。
 
では一方のMINはどうでしょう。これは2020年シーズン前にNFLと米国最大の塗料メーカーのSherwin-Williams(シャーウィン・ウィリアムズ)がコラボして作成した動画(「How each xxx xxx team got their colors」、xxxのところには「NFC East」のようにカンファレンス名と地区名が入る)に書いてありました。
 
先にこの動画の話をすると、NFLの8地区32チームのチームカラーの由来と、Sherwin-Williamsのカラーコードをひも付けて紹介するものです。筆者のひいきチームのGBは、創設当初はCurly Lambeauが卒業したNotre Dame大のチームカラーであるBlue and GoldのJersey(スローバックジャージーでたまに見かけますね)を着ていたと書いてありました。これ以外にもこの動画にはうんちくが満載です。各地区ごとの動画リンクを張りましたので、詳しくはこちらをご覧ください。

AFC東

AFC北

AFC南

AFC西

NFC東

NFC北

NFC南

NFC西

MINの紫と金色については「How each NFC North team got their colors」の動画の中に書いてあります。
 
紫はMINの初代GMだったBert RoseがWashington大の出身だったところからでした。Washington大のフットボールチーム「Washington Huskies football 」は現在もPurple and GoldのJerseyを着用しています。
 
Wikipediaの「University of Washington」には「The school colors of purple and gold were adopted in 1892 by student vote. 」と書いてあります。それほど歴史のあるカラーリングということになります。
 
つまりMINの紫はWashington大の由来で、ここからMINに持ち込まれたものだったことになります。Fanaticsのオフィシャルブログによると、MINは1961年の創設当初から紫のJerseyを着用していたようで、「The team’s inaugural jersey is purple and features white and gold stripes on the sleeves. 」と書いてあります。
 
MINの金色については、Minneapolisに1860年代に移民してきた北欧系の人々(なにせMINのチーム名はVikingsというくらいですから)を象徴していていると、動画の中で語られています。この金色はチームのロゴになっている「Norseman」にも使われています。
 
ということで、NBAのLALとNFLのMINはどちらもMinneapolisの創設だけど、全く違う理由でPurple and GoldのJerseyを着ているということになりました。
 
最後にPrinceの紫ですが、彼自身は1958年の生まれですから、(どれだけ影響したかは分かりませんが)MINが1961年に創設された当初から使っていた紫に、Minneapolisの街中で親しんでいたはずです。
 
プリンス自身が紫を使うのは、映画になった1984年の「Purple Rain」よりも前からで、1981年発売の「Controversy(戦慄の貴公子)」のジャケットで自身の名前を紫に塗っています(その前の3枚のジャケットには紫は確認できませんでした)。その次の「1999」(紛らわしいけど1982年発売)はジャケットが紫の地ですから、もうすっかり染まっていますね。
 
そしてrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)から引用した、Princeの遺族であるお姉さんの証言によると、
「(プリンスは)虹が持つ色々な色を気に入っていましたが、中でも特に紫が好きでした。それは、紫が品位を表す色だからです。紫色は彼を『プリンスな』気持ちにさせていたんです」
とあります。残念ながら、PrinceがMINのファンだったから紫とは書いてありませんでした。
 
さらにこの記事では、(上の動画を作ってくれたSherwin-Williamsには申し訳ないのですが)色見本帳を印刷するPANTONE(パントン)が、プリンスのシンボルカラーを「Love Symbol #2」というパントンカラーとして登録したことも紹介しています。
 
その色合いは、PrinceがTwitterで公開したヤマハのピアノから着想を得たのだそうです。このツイートを貼っておきますのでご覧ください(投稿日は2016年4月13日。Princeが亡くなったのはそれから10日も経っていない、4月21日でした)。

NBAとNFLから始まったMinneapolisと紫を巡る話はここまでにしましょう。皆さんがひいきチームの色の由来を考えるきっかけになれたのであれば光栄です。

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LakersとDodgersの優勝でLAは大騒ぎ、LARとLACはこの波に加われるのか

2020年11月01日 17時20分28秒 | NBA
NBAのLos Angeles LakersがNBA Finalを制したのに続き、MLBでLos Angeles DodgersがWorld Seriesを制しました。これでLos Angeles(以下、LA)のチームが4大スポーツのうちの2つを同じ年に制したことになります。
 
筆者はNHLに関してはよく分からないのでここは除外して、NBA、MLB、NFLで現在LAに在籍しているチームについて考えてみました(4年前にこんな記事も書いているので参考にしてください。あれからチームの所在地に少し変動はありますが)。
 
まずNBA、MLB、NFLの各チームのLA遍歴を表にまとめました(今回は、シーズンが年をまたぐNBAはNBA Finalが開催された年、NFLはレギュラーシーズンが開催された年で表記しています)。
 
実は、LAには創設以来現在までLAをずっとチーム名に冠し続けたチームは存在しません。Los Angeles Lakers(LAL)はそのチーム名にも名残があるように、(一帯に湖が多い)MinneapolisでMinneapolis Lakersとして創設され、1960年にLAに移転しています。
 
NBAで通算17回のリーグ優勝を誇るLALのNBA Final制覇が10年ぶりとは驚きでした。最後の優勝当時は2020年1月に事故で亡くなったKobe Bryantを主力とていましたが、LeBron Jamesが率いるチームとして復活を遂げるとは、なかなか予測が付かない展開ですね。
 
NBAのもう一つのチームLos Angeles Clippers(NBAのLAC)は1970年にBuffalo Bravesとして創設されましたが、その後San Diegoを経て1984年シーズンからLAに本拠を置いています。残念ながらNBA Finalを制覇した経験はありません。
 
MLBのLos Angeles Dodgers(LAD)はご存じのようにBrooklyn DodgersとしてNew Yorkを本拠としていましたが、1958年にLAに移転しました。チーム名はWikipediaの受け売りですが、路面電車が極めて多かったブルックリンの住人の呼び名 「路面電車をよける (dodge) 人たち」から取られたそうです。こちらは32年ぶりのWorld Series制覇だそうです。
 
筆者は今シーズンのWorld Seriesをほとんど見ていませんが、ついにClayton KershawがLADの一員としてWorld Championの座に輝いたことには感無量です。詳しくは説明しませんが、LAD生え抜きの大エースであるKershawは、Cy Young賞に3度輝くものの、長いことPost Seasonでの弱さを指摘されてきました(これもWikipediaの受け売りですが、KershawはHighland Park High School時代にDETの現・先発QBであるMatthew Staffordと同級生で、フットボールのセンターを務めていたとのことです)。
 
そして1961年に創設されたLos Angeles Angels(LAA)はLA近郊のAnaheimに移転してから、California AngelsとかAnaheim AngelsとかLos Angeles Angels of Anaheimとかいろいろと正式名称を変えているので、ちょっと面倒くさいです(2016年からはLos Angeles Angelsに戻しました)。
 
現在も所在地はLAから45kmほど離れたAnaheimですが、LA都市圏ということでLAのチームとしておきましょう(FoxboroughにあるNEを35km離れたBostonのチームとして扱っているようなものです)。そしてAnaheim Angels時代の2002年にWorld Championになりました。
 
  NBA MLB NFL
  LAL LAC LAD LAA LAR LAC LV
1880     1883        
1900     1903 World Series創設      
1930         1937    
1940         1946    
  1948            
  1949            
1950 1950 NBA Final創設          
  1950            
  1952            
  1953            
  1954            
      1955        
      1958        
      1959        
1960 1960         1960 1960
        1961      
      1963        
      1965        
          1966 Super Bowl 創設
1970   1970          
  1972            
              1976
1980 1980           1980
      1981        
  1982           1982
              1983
    1984          
  1985            
  1987            
  1988   1988        
1990             1994
          1995    
          1999    
2000 2000            
  2001            
  2002     2002      
  2009            
2010 2010            
               
          2016    
            2017  
2020 2020   2020        

凡例:LAで優勝した年LAで創設またはLAに移転した年LAから転出した年他都市でのチームの創設年他都市で優勝した年

 
この2002年にNBAではLALが優勝をしているので、NFLのチームがSuper Bowlを制すれば3大スポーツをLAが制覇となったわけですが、そうはいきません。1995年から2016年まで、LAにはNFLのチームが存在していませんでした。全米で第2の都市圏なのになぜか21年もの間、NFLのチームがいないという空白地帯でした。
 
1946年からLAにいたLARは、1995年にSt. Louisに移転しSt. Louis Rams(STL)となりました。そこで1999年シーズンにチームとして唯一のSuper Bowl制覇を飾るわけですが、LAのチームとしてではありませんでした。
 
現在LAにいるNFLのLACは、1960年にSan Diegoで創設され、2017年から本拠をLAに移しました。こちらはSuper Bowlに1994年に進出しましたが残念ながらSFに敗れ、Super Bowlに勝った経験はありません。San DiegoからLAに流れ着くのは、本家である(先に「LAC」を名乗っている)NBAのLACに追随した格好です。
 
2020年からLARとLACは、LA郊外のInglewoodにあるSoFi Stadiumを本拠地としています。ここで困ったことに、2020年シーズンからLARがJerseyの色を水色に近い青と黄色にしたため、2019年シーズンから水色と黄色のJerseyに切り替えていたLACと、ぱっと見の見分けが付かなくなっています。
 
筆者はそれまでのLARの白と紺(と金)のカラーリングとロゴの羊の顔が気に入っていたのでちょっと残念です。確かにLARがその昔、青と黄色のJerseyを着ていたことはThrowback Jerseyで見て知ってはいたのですが、やっぱり紛らわしい。新しいチームのロゴも、羊の角をかたどった部分が「C」に見えるため、知らない人が見たらLACと誤読しそうですね。
 
さてLAのNFLチームとして忘れてはいけないのは、現在のLV。2020年のLas Vegas移転前はOaklandにいたので忘れがちですが、1982年から1994年まではLAを本拠としていました。
 
そしてLA時代の1983年にチームとしては3回目のSuper Bowl制覇を飾っています。そういう意味では、唯一LAにVince Lombardi Trophyをもたらしたチームとなります。ただしこの年はNBAもMLBもLA在住のチームは優勝していません。
 
では、LARとLACは2020シーズン(正確には2021年2月)のSuper Bowlに勝利し、2020年にリーグを制したLALとLADの仲間入りができるのでしょうか。
 
LARは現在5勝2敗。筆者的には2018年シーズンのSuper Bowlに敗れ、2019年シーズン後にはTodd Gurleyなど主力選手が去ったLARがここまでやるとは意外でした。NFC西地区では現在3位ですが、SEAとARI、そして昨年地区優勝を飾ったSFという厳しい地区内の戦いを勝ち抜ければ、その先も考えられます。
 
一方のLACは新人QBのJustin Herbertが安定した成績を出し、2勝4敗ではありますが、面白い存在になり始めています。ただ同地区には2019年シーズンの王者KCがいるだけに、せめて現時点で地区2位のLVを上回る成績を残せないとPlay Offは難しいように見えます。
 
原稿もこれで書き終わったと思って表をよく見ると、あれ?LADが前回優勝した1988年には、LALもNBAを制覇しているではないですか。その年はまだRams(LAR)とRaiders(現LV)がLAに存在していたわけですから、今年同様どちらかがSuper Bowlを制することに期待が高まったことと思います。
 
その年の成績はというと、RamsはNFCで5位の成績でPlay Offに進出したものの、NFC Wild Card GameでMINに敗れています。RaidersはPlay Offに進出できませんでした。この年のSuper Bowlは、Joe Montanaの決勝ドライブでSFがCINを下したことで多くの方が記憶されていると思います。そう、あんな昔のことなんです。
 
この年が一番惜しかったといわれないように、山火事とか新型コロナウイルスの流行とか暗い話題が多いCalifornia州を元気づけるべく、LARにもLACにも奮闘してもらいたいものです。
 
 

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NFL倶楽部がスマホ/PCで見られる時代に、「NBA鎖国」のままでいいのか(追記あり)

2020年10月11日 14時10分23秒 | NBA

久しぶりのNBAのお話です。今週のNHK BSのNFL中継の時間を確認しようとして、NHK Sports Onlineのページを開いたところ、こんな番組が目に入りました。

10月12日(月)午後9:00-午後9:50 熱血バスケ「激闘!NBAファイナル」。どうやら2019~20年シーズンのNBA Finalについて取り上げるようです。

前にもこの場でお話ししましたが、筆者は昨年から20数年にわたって見てきたNBAの情報から隔絶されています。詳しくは以前書いたのでここでは省略しますが、「日本の携帯電話が高い!」とピンク色のお姉さんに叫ばせて携帯電話3社の寡占に文句を言う暇があったら、別のところでコンテンツを独占するのはやめてほしいものです。

筆者はLos Angeles Lakes(LAL)が久しぶりにNBA Finalに進んだらしいことは知っていましたが、その相手がMiami Heat(MIA)で、しかも第5戦まで終わっていることを先ほど知りました。

明日は第6戦がLALの本拠なので、きっと久しぶりの名門復活を見込んでのNHKでの放送なのでしょう。そのときReBron Jamesは「Los Angeles~」と叫ぶのでしょうか。

しかし、MLBの情報はそれなりにネットニュースで取り上げられるので筆者の目に入ってきますが、NBAの情報は目に入りませんね。コンテンツ独占に怒ったのか、メディアがあまり情報を発信しなくなったこともあるのではないかと思っています(あくまで個人的な感想です)。こうした「NBA鎖国」から、さっさと解放してほしいものです。

MBAのMIAといえば、かつてLeBronが在籍していたThree Kings時代にNBA Finalを制したこともありますが、その後は低迷。今のラインアップを見ると、Jimmy ButlerとBam Adebayoが主力のチームとなっていたのですね。

今シーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、NBAはだいぶ縮小したシーズンになったと聞いていますが、それでもFinalまでこぎ着けられたのは素晴らしいことだと思います。八村塁の活躍もあったのに、その熱さが日本まで伝わってこないことはどうかと思いますがね。

さて、冒頭に書いた今週のNHK BSのNFL中継なのですが、専用ページを見てもまだ「放送予定が入り次第お伝えいたします」のまま。NFL JAPANのテレビ放送のページを見ると、10/15(木)00:46~LAR@WASとあるのできっとこれが正しい情報なんでしょう。ただJ:COMのセットトップボックスで番組予約を予約しようとしましたが、まだ対戦相手がないままでした。

ホームページの情報更新の悪さをつついてしまいましたが、これくらいの情報は更新してほしいもの。しかもNHK BSの場合、放送開始時間が移動することもあるので、筆者は先日は予約に失敗しました。コロナ禍の問題がNFLにも吹き荒れており、いつ試合開始時間が変更になるか分からないという事情があるかもしれないのかもしれません。

週に3回しかないNFLの日本語解説付きの中継なので、視聴者が見逃すことのないよう、情報発信はしっかりやっていただきたいと思います。いや、それでもNBAに比べたらありがたいことなのですが。

そしてタイトルにも書いた「NFL倶楽部」の最新話がスマホやPCから見られる話。番組ホームページにこっそり書いてありました。このURLをクリックすれば見られるのかな?

筆者は日本テレビの受信可能圏内なので問題なく見られましたが、日本テレビが映らない地方の方は見られるのでしょうか?そして米国ではどうなのでしょうね。米国に赴任した友人が、「この番組が見られないのが残念」といっていたので、一応教えておきます。

少なくとも筆者は、自分の部屋から最新話を見られるようなので便利さがましました(コロナ禍で家の外に出ることは減りましたが、Wi-Fiがある環境なら視聴可能ですね)。

それから、HOUの監督解任に対するオードリーの若林氏の見解が面白かったので、せっかくなので貼っておきます。

テキサンズは遂に開幕4連敗。ヘッドコーチが解任されました。今の率直な気持ちをお願いします。...

NFL clubさんの投稿 2020年10月9日金曜日

ということで、NBAの話なのか、NFLの情報発信の話なのか、収拾が付かなくなりましたが、今日のところはこれまで。

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少しだけ情報の追加を。NFL倶楽部は「日テレ無料!(TADA)」で視聴できるのですが、そのページにはこういう情報がありました。やはり残念ながら海外からは見られないようです。

  • 本サービスの動画はストリーミング配信となり、動画をダウンロード(保存)することはできません。
  • 本サービスは日本国内限定となります。日本国外では動画が再生できませんのでご注意ください。
  • 尚、スマートフォンをご利用の方は、 AppStore(iOS) / Google Play(Android) からそれぞれ、「日テレ無料!(TADA)」アプリをダウンロード(無料)の上、ご利用ください。

パソコンからは郵便番号の入力などは求められましたが、アプリなしで見られました。スマホやタブレットから視聴する場合は、「日テレ無料!(TADA)」アプリのダウンロードが必要です。ここから先は自己責任でよろしくお願いします。

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

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八村塁のNBA1巡目9位指名とAdrian Peterson来日、キーワードはWashintonと臙脂色

2019年06月22日 14時37分18秒 | NBA

前回、次はNFLの2019年シーズンの話をすると書きましたが予定を変更します。

米ゴンザガ大の八村塁が、日本人として初めてNBAドラフトの1巡目で指名されました。筆者は会社でドラフトの進行をチラチラ見ていましたが、まさか一桁台(9位)で指名されているとは思わず、気が付いたときは「Washington Wizersに指名された」という日本語ニュースが流れていました。

いろんなところで報道されているのでさらっと書きますが、この順位で指名されるって本当に凄いことなんですよ。いくつかのメディアではその凄さを9位指名で得られる年俸を使って説明していましたがちょっとげんなりですね。

先日終わったNBA Finalの報道が盛り上がらなかっただけに心配していましたが、さすが日本人の話とリンクすると一般の方々も自分事にする(関心を持ってくれる)のですね。これで日本でNBAに興味を持つ人が増えればいいのですが。

ご存知の通り日本は現在、ある事情によって「NBA鎖国」状態(某メディアが放映権を独占したことで、テレビなどでNBAの映像を簡単に見られなくなった状態のこと)。ですから、NBA機構はせっかくの日本市場拡大のチャンスをみすみす逃したわけですね(なお、この言葉は筆者が思いついた造語です。今日現在「NBA鎖国」でググっても該当した言葉はありませんでした)。

よく考えると、2002年に姚明(ヤオミン)がNBAドラフト全体1位でHusuton Roketsに指名され、それをきっかけに中国でNBAファンを大きく拡大したのとほぼ同じ状況ですね。日本で中国の再現を期待するのなら、鎖国を解くのが最良の策と考えますが、NBA機構はどう考えているのでしょう。

江戸時代の鎖国が令和の時代に歴史的に評価されているのと同じように、NBA鎖国も数年後にかつてあった過去の歴史として振り返りたいものです。もちろん私はNBA鎖国の主導をした会社は許しませんけどね。

さて八村がドラフトで指名されていた時に、臙脂色のジャケットを着ていたことを覚えていますでしょうか(裏地に日本とベナンの柄をあしらったやつです)。筆者に限らず、あのジャケットの色を見てWashingtonを連想したNFLファンは多かったはずです。もちろんWASのチームカラーだからですね。

ということで強引に、明日(6月23日)に富士通川崎スタジアムにAdrian Peterson(AP)が来る話をします。NFLファンならもうとっくにご存知ですよね。

将来のある子どもを指導するNFLプレーヤーとしてAPが適任であるかどうかは別として(意味が分からない方はスルーしてください)、NFLの現役プレーヤーが来日するのは素晴らしいことだと筆者は思っております。

2年前に筆者はTom Bradyが来日したときに有明コロシアムのイベントに参加しましたが、それから久しぶりの大物来日に気分が高揚しております。

筆者は明日のイベントを予知していたわけではありませんが、昨年Washingtonに行った友人にお願いして、写真のJerseyを手に入れております(WASの選手でほしいJerseyがこれしかなかった)。MIN時代(とARI時代)のJerseyはともかく、このJersey(米国版)を持っている人は日本にそんなにいないんじゃあないかなあ。しかもありがたいことに契約延長してくれたのであと数年は現役プレーヤーのJerseyとして着られそうです。

明日は、余程の雨でない限りは川崎に行くことにします。このブログをご覧の方にもお目に書かれると嬉しいです。いい写真が取れたら、この場に公開しますね。

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR ロサンゼルス・ラムズ
OAK オークランド・レイダース SF サンフランシスコ・49ers
LAC ロサンゼルス・チャージャース SEA シアトル・シーホークス

フッター

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

AFC東 BUF バッファロー・ビルズ NFC東 DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・フットボール・チーム
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AFC西 DEN デンバー・ブロンコス NFC西 ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR ロサンゼルス・ラムズ
LAC ロサンゼルス・チャージャース SF サンフランシスコ・49ers
LV ラスベガス・レイダース SEA シアトル・シーホークス