Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

Nick Folesはどこへ行く、年間最高レーティングから3年でこんな展開とは

2016年07月31日 12時00分00秒 | NFL2016
先日、LA(Rams)がNick Folesを解雇したというニュースが流れました。そしてFolesの行き先にかかわる記事も出回っています。
 
例えばこんな記事。Washingtonpostが考えるべきと推薦していたのは、SFとDEN、そしてKCでした。詳しくは記事を読んでいただくとして、SFにはNick Folesが輝きを放っていた時(2013年シーズン)のPHIのHCだったChip Kellyが、KCにはFolesをドラフトした時(2012年)のPHIのHCであるAndy Reidがいるという根拠のようです。
 
DENについては、Emmanuel SandersとDemaryius Thomasの有能なWRを使えるのに「butt fumble」でおなじみのMark Sanchezや2年目のTrevor Siemian、新人のPaxton Lynchでは心もとないという評価が背景にあります。
 
確かに2014年シーズンのPHIはFoles先発、Sanchez控えで開幕を迎え、Folesの鎖骨骨折を機にSanchezが先発に昇格したという経緯があります。2年前はFolesのほうが格上だったわけで、Sanchezに先発が務まるならFolesでもいいのではないか、という指摘は一理あります。ただDENはこの噂を即座に否定しています。
 
ESPNにFolesの移籍先の有力候補とされたDALも、オーナーのJerry Jonesが自ら、Foles獲得を否定する声明を現地時間の29日金曜日に出しました。
 
なかなか思うに任せませんね。
 
Folesのこれまでの実績を振り返ると、派手な活躍をした2年目から急降下したというイメージが強いですね。
 
Year Tm G GS Att Cmp Cmp% Yds Y/A TD TD% Int Int% Rate
2012 PHI 7 6 265 161 60.8 1699 6.4 6 2.3 5 1.9 79.1
2013 PHI 13 10 317 203 64.0 2891 9.1 27 8.5 2 0.6 119.2
2014 PHI 8 8 311 186 59.8 2163 7.0 13 4.2 10 3.2 81.4
2015 STL 11 11 337 190 56.4 2052 6.1 7 2.1 10 3.0 69.0
 
これまでの4年を振り返ってみましょう。Folesは2012年にドラフト全体88位で、PHIに指名されました。Andrew Luck(全体1位)、Robert Griffin III(同2位)、Ryan Tannehill(同8位)、Brandon Weeden(同22位)、Brock Osweiler(同57位)、Russell Wilson(同75位)、Kirk Cousins(同102位)、Ryan Lindley(同185位)という同期がいます。
 
1年目はMichel Vickの控えとして開幕を迎え、6試合に先発しまあ普通の成績でしたが、2年目にPHIのHCがChip Kellyに代わると突然のブレイク。この年もVickの控えでスタートしましたが10試合に先発し、QBレーティングが119.2という全QB中の最高値(規定投球回数を超えた中で)をたたき出しました。
 
パスAttemptが317回と少な目なのに、距離は2891ヤード、TDが27回もあればパッサーレイティングは伸びますね。しかも、INTがわずか2回。これなら計算式に照らしても、高い値が出ますね。Week9のOAK戦では、レーティングで満点(158.3)を記録しています(28回投げて22回成功、406ヤード、7TD、0INT)。
 
この年のFolesはまさに神懸った活躍で、先発した試合は8勝2敗でした。3勝5敗で前半を終えたチームをNFC東地区優勝(10勝6敗)に導く大活躍でした。
 
まだこのときはRussell WilsonがSuper Bowlで勝つ前だったこともあり、同期の中でFolesの株も急上昇。最高潮だった時期でしょうかね。
 
しかし2014年シーズンは、中盤で鎖骨を骨折。INTも8試合で10回と、「前年が出来過ぎだったのかも」と周囲に思われ始めました。そして、2015年シーズン開幕前に、Sam BradfordとトレードでSTL(当時)に送られます。
 
Folesのプレイスタイルは日本版のWikipediaにも書いてあるように、「足の速さも肩の強さもないため、唯一にして最大の武器であるコントロールが生命線」。これが乱れるようだと、なかなか結果は出ません。そしてSTLではTDが急減。INTも10となり、シーズン途中でCase Keenumに先発を奪われます。
 
TDが少ないのはSTLに信頼できるターゲットとなりうるWRがいないという、ちょっと同情できる側面もありました。Folesにすればあまり合っていないチームにトレードされた格好ですが、2年前の実績を知っているだけにここまでの没落は残念でした。
 
そして2016年にLAに戻ったRamsは、ドラフトでトレードアップする方針を確定。ご存知の通り、全体1位でJared Goffを指名(そうでなくても、2016年の先発はKeenumという報道もありました)しています。
 
Folesはこれを受けワークアウトを欠席していたそうです。解雇後に「これがお互いにとってベスト」とLAのFisher HCが言ったようですが、確かに仕方ない流れかもしれません。
 
まだFolesは27歳。同期のRG IIIがCLEでチャンスをもらえるくらいなら、Folesにも可能性はあるでしょう。
 
と、いろいろ考えていた時に、各チームの2016年シーズンの先発と控えのQB一覧をまとめた記事(評価が高い順に並んだランキングになっている。このランキングにはいろいろ言いたいことがありますが省略)を発見しました。公開されたのは2016年7月10日ごろで、FitzpatrickのNYJ契約延長などが盛り込まれていないためランキング部分には修正が必要ですが、各チームのQB陣容を理解するには最適でしょう。
 
Rank Team Starter Backup
1 GB Aaron Rodgers Brett Hundley
2 NE Tom Brady*1 Jimmy Garoppolo
3 PIT Ben Roethlisberger Landry Jones
4 CAR Cam Newton Derek Anderson
5 SEA Russell Wilson Trevone Boykin
6 ARI Carson Palmer Drew Stanton
7 NO Drew Brees Luke McCown
8 ATL Matt Ryan Matt Schaub
9 IND Andrew Luck Scott Tolzien
10 CIN Andy Dalton A.J McCarron
11 OAK Derek Carr Matthew McGloin
12 SD Philip Rivers Kellen Clemens
13 DAL Tony Romo Kellen Moore, Dak Prescott
14 BUF Tyrod Taylor E.J Manuel, Cardale Jones
15 TB Jameis Winston Mike Glennon
16 MIN Teddy Bridgewater Shaun Hill
17 WAS Kirk Cousins Colt McCoy
18 JAX Blake Bortles Chad Henne
19 KC Alex Smith Aaron Murray
20 NYG Eli Manning Ryan Nassib
21 MIA Ryan Tannehill Matt Moore
22 CHI Jay Cutler Brian Hoyer
23 DET Matthew Stafford Dan Orlovsky
24 PHI Sam Bradford Carson Wentz, Chase Daniel
25 BAL Joe Flacco Ryan Mallett
26 TEN Marcus Mariota Matt Cassel
27 LA Jared Goff Case Keenum
28 HOU Brock Osweiler Tom Savage
29 DEN Mark Sanchez Paxton Lynch, Trevor Siemian
30 CLE Robert Griffin III Josh McCown, Cody Kessler
31 SF Blaine Gabbert Colin Kaepernick
32 NYJ Geno Smith Bryce Petty, Christian Hackenberg
*1 suspended four games
 
この表を見て感じたのは、まだFolesが呼ばれる可能性は十分にあるということ。例えば、上の表で5位の評価を受けているSEAですが、WilsonにもしものことがあったらルーキーのBoykinがリリーフでは怖すぎます。
 
先発が健在である限りは必要ないけど、怪我したとたんにすぐに招集…そんなJoker的な位置づけなのかと思います。なのでシーズン開始までに就職先が決まらなくても、慌てることはないでしょう。
 
筆者としても、ここまで書いた手前、Folesの今期の逆襲に期待しているのですよ。
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

 

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
 MIA マイアミ・ドルフィンズ  NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
 NE ニューイングランド・ペイトリオッツ  PHI フィラデルフィア・イーグルス
 NYJ ニューヨーク・ジェッツ  WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
 CIN シンシナティ・ベンガルズ  DET デトロイト・ライオンズ
 CLE クリーブランド・ブラウンズ  GB グリーンベイ・パッカーズ
 PIT ピッツバーグ・スティーラーズ  MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
 IND インディアナポリス・コルツ  CAR カロライナ・パンサーズ
 JAX ジャクソンビル・ジャガーズ  NO ニューオリンズ・セインツ
 TEN テネシー・タイタンズ  TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
 KC カンザスシティ・チーフス  LA(STL) ロサンゼルス(セントルイス)・ラムズ
 OAK オークランド・レイダース  SF サンフランシスコ・49ers
 SD サンディエゴ・チャージャース  SEA シアトル・シーホークス

Super Bowlの勝利数が一番多い地区はどこなんだろう、各チームのピークを可視化してみる

2016年07月23日 18時00分00秒 | Stats
先日、Duncan引退に寄せた記事の中で、1999年以降の17シーズンでSan Antonio Spurs(Final出場6回)とLos Angels Lakers(Final出場7回) が5回ずつNBA Finalに勝ったと書きました。では、NFLのSuper Bowl出場と勝利の片寄りってどうなんだろうと考え、ちゃんと調べることにしました。
 
先ほどの記事にも書きましたが、AFCからのSuper Bowl出場QBが片寄っている話は有名ですよね。2000年シーズンからの16回で、Tom Brady(NE)が6回、Peyton Manningが4回(INDとDENで2回ずつ)、Ben Roethlisberger(PIT)が3回。残りはTrent Dilfer(BAL、2000年シーズン )と Rich Gannon(OAK、2002年シーズン )とJoe Flacco(BAL、2012年シーズン)の3人だけ。つまり出場チームも6チームだけとなっています。NFCから11チームが出場しているのとは対照的です。
 
ということで、ちょっとした表をまとめてみました。チームごとに過去50回のSuper Bowl出場と勝敗です(2016年1月のSuper Bowl 50は2015年シーズンなので「2015」と表記、以下同)。背景がオレンジが勝利で、白は敗退ですね。図はHTMLで作るのは大変だから、エクセルの表をキャプチャした画像データを貼りました。


ついでに優勝年の文字色を、1966-79年を水色2000-15年を赤にしてみました。こうすると年代別のSuper Bowlへの到達度合いもわかるというものです。
 
ではまず地区別に見ていきましょう。Super Bowlでの最多勝利そして最多出場だったのはNFC東でした。DALが5勝3敗、NYGが4勝1敗、そしてWASが3勝2敗。まだ勝利を挙げていないPHIも2回出場しています。勝利数でこれに次ぐのは、70年代の4勝を含む6勝を挙げたPITがいるAFC北ですね。この地区では2000年代に入ってもPITとBALが2勝ずつを挙げています。
 
2000年代でいえば、AFC東がNEだけで6戦4勝を挙げています。こればかりは同地区の3チームがだらしないとしか言えません。Super Bowl4年連続出場の記録を誇るBUFですら、最後のSuper Bowl出場が20年以上も前。NYJに至っては、48シーズン前の一度だけです。
 
2000年代に入ってから一番競争が激しいといえるのはNFC西。4チームすべてがSuper Bowlに出場しています。LAは最後の出場から15シーズンが開いていますが、16シーズンでこの地区から6回出場というのはしっかり競争環境を維持できているわけで面白い地区といえますね。そういう意味では、4回3チームが出場しており、うち2回はSuper Bowlで勝利を挙げているNFC南も激戦です。
 
ただ、NFCもAFCも南地区は創立年数が浅いチームが多いので(90年代創立が3チーム、70年代創立が1チーム)ほかの地区に比べてSuper Bowl出場回数が少ないのは仕方ありません。早くJAXやHOUのSuper Bowl出場を見てみたいですね。特に今期戦力が整っていると噂のJAXには、裏切られるのを承知でちょっとだけ期待しています。
 
INDについては最初のSuper Bowl出場の1968年のときは(NFCの前身である)NFLに在籍しており、AFL(AFCの前身)の勝者であるNYJに敗れました。このため、現在はどちらもAFCに属する2チームがSuper Bowlを戦っています。
 
さて、各チームのSuper Bowl出場年の色を見ることで、チームごとに隆盛を誇った時期が見えてきます。例えばMIAは70年代から80年代前半に栄華を誇ったものの、ここ30年ほどはご無沙汰。BUFも90年代前半にピークがあったように見えます。MINも70年代がピークで40年ほど眠りに入っています。
 
DALやWAS、そして2012年に久しぶりにSuper Bowlに出たSFも、80-90年代がピークといえるでしょう。
 
50年のSuper Bowlの歴史で、1966-79年(水色)、1980-99年(黒)、2000-15年(赤)の3期とも出場しているチームは数えるほど(5チーム)しかいませんね。その中にOAKとLAが入っています。両チームともここ10シーズンは低迷気味(正しく言うと、勝ち越しがない)ですが、どちらもSuper Bowlで勝利を飾っています。やるときはしっかり結果を出す古豪といえるでしょう。
 
そして最後に、3期全てでSuper Bowl優勝を飾っているのはGBだけ。なんかGBをほめるために書いた記事にも見えますが、ここは分析の結果としてご容赦ください。
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
 MIA マイアミ・ドルフィンズ  NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
 NE ニューイングランド・ペイトリオッツ  PHI フィラデルフィア・イーグルス
 NYJ ニューヨーク・ジェッツ  WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
 CIN シンシナティ・ベンガルズ  DET デトロイト・ライオンズ
 CLE クリーブランド・ブラウンズ  GB グリーンベイ・パッカーズ
 PIT ピッツバーグ・スティーラーズ  MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
 IND インディアナポリス・コルツ  CAR カロライナ・パンサーズ
 JAX ジャクソンビル・ジャガーズ  NO ニューオリンズ・セインツ
 TEN テネシー・タイタンズ  TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
 KC カンザスシティ・チーフス  LA(STL) ロサンゼルス(セントルイス)・ラムズ
 OAK オークランド・レイダース  SF サンフランシスコ・49ers
 SD サンディエゴ・チャージャース  SEA シアトル・シーホークス

Von Millerが大型契約結ぶ、平均年俸は14位でも保証額は?位

2016年07月18日 22時10分00秒 | NFL2016
DENのSuper Bowl 50優勝の立役者、Von Millerがフランチャイズ指定選手の長期契約期限だった7月15日に、ついに契約合意しました。契約金額は6年1億1450万ドルで、保証額7000万ドルが2018年3月までに支払われるのだそうです。
 
今回はこのMillerの契約を基に、選手の年俸を勉強してみましょう(事実誤認があったらごめんなさい)。
 
まず、Millerの今回の契約については、spotracに載っていたものを見やすくしたのがこちら。元のサイトは「0」が多く3桁ごとに「,」で区切られているのを、万単位で切り直しました。

CONTRACT:6年1億1450万ドル、SIGNING BONUS:1700万ドル、AVERAGE SALARY:1908万3333ドル、GUARANTEED:7000万ドル、FREE AGENT:2022年
 
YEAR AGE

BASE
SALARY(ドル)

SIGNING
BONUS(ドル)

ROSTER
BONUS(ドル)

WORKOUT
BONUS(ドル)

CAP
HIT(ドル)
DEAD
CAP
(ドル
2016 27   200万 340万 600万 - 1140万 4200万
2017 28 1700万 340万 - - 2040万 3060万
2018 29 1900万 340万 - - 2240万 1020万
2019 30 1750万 340万 - - 2090万   680万
2020 31 1750万 340万 - 50万 2140万   340万
2021 32 1750万 - - 50万
2022 33 UFA
 
7000万ドル guaranteed
4200万ドル guaranteed after first 2 years
6100万ドル guaranteed after 3rd year (early trigger)
2018 injury-only guarantee converts to full guarantee March 2017
7850万ドル guaranteed after 4th year (900万ドル/1750万ドル has early trigger)
900万ドル of 2019 salary guarantees in March 2018
 
なお、日本円換算すると時期によって変わっちゃうので本記事内ではドル→円換算はしません。まあ100倍すれば(1ドル100円と考えれば)大体のイメージは湧くでしょう。
 
保証額7000万ドルというのは、1700万ドルのSIGNING BONUSと、2018年までのBASE SALARY3800万ドル(200万+1700万+1900万)に2019年の900万ドル(BASE SALARYのうち保証額)に、2016年のROSTER BONUSである600万ドルを加えたものです(今回はCAP HITとDEAD CAPの話は省略しますね)。
 
もちろん怪我なく6年契約を全うできれば1億1450万ドルを得られますが、NFLには複数年契約でも途中で選手を解雇できるというルールが存在しています。複数年契約=全額保証が当たり前のMLBやNBAを見慣れていた筆者にとっては、ここが分かりづらいところでしたね。例えば「New York YankeesがAlex Rodriguezと結んだ総額2億7500万ドルの10年契約に苦しんでいる」というニュースが流れるのも、全額保証が前提だからです。
 
このためNFLの選手は契約時点で「保証額」を盛り込んで、リスクに備えます。Millerの契約延長が長引いていたころ、最大の争点は保証額と最初の3年間での支払額であるとの報道もありました。総額だけでなく保証額がモノをいう(つまりダブルスタンダードな)NFLならではの交渉だったわけです。
 
Millerが毎年もらえる金額は、2016年から2500万ドル、1700万ドル、1900万ドル、1750万ドル、1800万ドル、1800万ドルと推移します(怪我なく全ボーナスをクリアした場合)。ただ、この金額は選手ごとに保証額やボーナスの設定が異なるため、ほかの人と比べるのが難しくなりますね。
 
そこで年俸総額を契約年数で割ることで契約期間中の平均年俸をはじき出します。6年1億1450万ドルのMillerの場合は、1908万3333ドルとなります
 
こうしてNFLの全選手の2016年の平均年俸を横並びで見たのがこちらになります(Millerの更改を受けてアップデートされました)。
 
順位選手チーム平均年俸(ドル)契約年契約総額(ドル)保証額(ドル)
1 Andrew Luck IND 2333万3333 6 1億4000万 8700万
2 Joe Flacco BAL 2213万3133 3      6640万 4400万
3 Aaron Rodgers GB 2200万 5 1億1000万 5400万
4 Russell Wilson SEA 2190万 4      8760万 6154万2000
5 Ben Roethlisberger PIT 2185万 4      8740万 6075万
6 Eli Manning NYG 2100万 4      8400万 6500万
7 Philip Rivers SD 2081万2500 4      8325万 6500万
8 Cam Newton CAR 2076万 5 1億  380万 6000万
9 Matt Ryan ATL 2075万 5 1億  375万 4200万
10 Tom Brady NE 2050万 2      4100万 2800万
11 Drew Brees NO 2000万 5 1億 4000万
12 Kirk Cousins WAS 1995万3000 1      1995万3000 1995万3000
13 Ryan Tannehill MIA 1925万 4      7700万 4500万
14 Von Miller DEN 1908万3333 6 1億1450万 7000万
15 Ndamukong Suh MIA 1906万2500 6 1億1437万5000 5995万5000
16 Colin Kaepernick SF 1900万 6 1億1400万 6100万
17 Jay Cutler CHI 1810万 7 1億2670万 5400万
18 Tony Romo DAL 1800万 6 1億  800万 5500万
19 Brock Osweiler HOU 1800万 4      7200万 3700万
20 Matthew Stafford DET 1766万6667 3      5300万 4150万
21 Sam Bradord PHI 1750万 2      3500万 2200万
22 Fletcher Cox PHI 1710万 6 1億  300万 6300万
23 Olivier Vernon NYG 1700万 5      8500万 5250万
24 Alex Smith KC 1700万 4      6800万 4500万
25 Muhammad Wilkerson NYJ 1700万 5      8500万 5400万

こちらのトップは2016年オフシーズンに再契約を結んだAndrew Luckの平均年俸2333万3333ドル(6年1億4000万ドル)、保証額8700万ドルです。QBばかりが上位に並んでいて、Millerが登場するのは14位。ポジションの違いはいかんともしがたいものでした。
 
Millerの契約に大きく影響を及ぼしたとされる、Fletcher Coxがこのオフに結んだ契約は、平均年俸が1710万ドル(6年1億300万ドル)で、保証額が6300万ドルもありました。さらにディフェンス選手として平均年俸の最高額はNdamukong Suh得ていた1906万2500ドル(6年1億1437万5000ドル)があります。
 
Super Bowl MVPとなったMillerが契約期限まで引っ張ったのは、契約の二つの側面でディフェンス選手としてナンバーワンであるとDENに認めさせることだったとはっきり分かりますね。なお、Millerの保証額はLuckにはかなわなかったものの、ほかのQBを含むどの選手よりも上(NFL選手の中で2番目)でした。
 
ほかは、19位につけたBrock Osweilerの 平均年俸1800万ドル(4年7200万ドル)で保証額3700万ドルという破格さが目立っています。Super Bowl 50のチームメートですが、その働きは天と地の違いがありますOsweilerはQBの控えでしたがゲームには出ていません)。

Jay CutlerやSam Bradordはもらいすぎのようにも感じますが、長年レギュラーQBを張るとはこういうことなのでしょう。Ryan Fitzpatrickの契約がなかなか成立しない理由も、なんとなくこれを見て察しがつきました。
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
 MIA マイアミ・ドルフィンズ  NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
 NE ニューイングランド・ペイトリオッツ  PHI フィラデルフィア・イーグルス
 NYJ ニューヨーク・ジェッツ  WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
 CIN シンシナティ・ベンガルズ  DET デトロイト・ライオンズ
 CLE クリーブランド・ブラウンズ  GB グリーンベイ・パッカーズ
 PIT ピッツバーグ・スティーラーズ  MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
 IND インディアナポリス・コルツ  CAR カロライナ・パンサーズ
 JAX ジャクソンビル・ジャガーズ  NO ニューオリンズ・セインツ
 TEN テネシー・タイタンズ  TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
 KC カンザスシティ・チーフス  LA(STL) ロサンゼルス(セントルイス)・ラムズ
 OAK オークランド・レイダース  SF サンフランシスコ・49ers
 SD サンディエゴ・チャージャース  SEA シアトル・シーホークス

『米の「国技」アメフトピンチ』だってさ、だったら「コンカッション」を読んでね

2016年07月14日 00時30分00秒 | Concussion

3日連続投稿してもう今日はネタがないなあと思っていた昨日(水曜日)の朝、2ちゃんねるでこんな見出しを目にしました。

米の「国技」アメフトピンチ 脳振とうで後遺症 NFL認める 
子供の競技人口減る 

世界の鼓動を伝えるという趣旨のようで、このブログで2度も取り上げた(リンクはこちらこちら映画「Concussion」の後でもあり読んでみました。いまだに映画館で公開されないという、NFL=関心が低い=興行的に難しいという風潮が日本にはびこる中、このテーマを取り上げた記者の心意気を買ったんですよ。

でも中身はびっくりでしたが。

最大ポイントは、この記事の主なニュースソースが「ハーバード大学でアメフトの選手として活躍したクリス・ノウィンスキー」であること。

おい、そのプロフィールでいいのかよ

記事にもあるとおり、脳震盪問題は米国の社会問題になっていますし、選手へのケアも緻密になっています。最近、脳震盪を起こした選手がリーグのガイドラインを通過できず、欠場が続く例も増えました。

高校生未満の競技人口が減っているのも深刻な事実でしょう。筆者もAmerican Footballは高校生くらいで始めればいいと思います。

ただそれを言ったら、最近日本で話題再燃のラグビーはいいのかよって気もします。サッカーのヘディングも中学生未満は禁止にしますか。柔道は中学校の授業で教えるのやめますか。これって決してアメフトピンチだけでは済まない話でしょ。

記事に戻って、ノウィンスキーの最近の活動は、脳震盪に悩む選手たちの救いになっているでしょう。この活動を否定するつもりはありませんよ。でも彼が脳震盪を患った原因は別のところにあるし

筆者がこう感じるのは「コンカッション」を読んだ後からです。もちろんBennett Omalu医師(右に写真を載せときました)への取材に基づく本書の内容が全て正しいなんて言うつもりはありません。

ただねえ...。もうここからは本を読んでくださいとしか言えません。なぜ筆者がここまで反応するか、ご理解いただけると思いますよ。

記事では映画「Concussion」に触れてはいましたが、記者は書籍「コンカッション」は読んでいないようです。アメフトピンチというなら、せめてノゥインスキー氏も出て来る本書を読んでから記事を書いてほしかったですね。多分そうすれば、同じタイトルでも同じ筋立てでも、文脈の細部が変わっていたはずだから。

ということで、Omalu医師の功績を讃え、Mike Websterの魂を鎮めるためにも、コンカッションを読んで、邦題未定の映画を見ましょう。

たとえ後者が日本の映画館ではなく、自宅のリビングであったとしてとも。ここにアマゾンへのアフィリエイトリンクを貼ったりはしませんから。

 


#21だけどLTじゃないよ、Tim Duncanに惜別の言葉を

2016年07月12日 22時51分29秒 | NBA

昨日のPVは、たぶんブログ開設以来最高だったんじゃないかな。みなさんConcussionの映画、好きなんですねえ。さて今回はNFLではなくNBAの話をさせてください

San Antonio Supers(SAS)のTim Duncanが引退を発表しました。NFLよりもNBAを長く見ている筆者にとって、Duncan引退はとてつもなく重大な意味があります。本ブログのタイトルにはそぐわないかもしれませんが、今回はDuncanの19シーズンを取り上げます。

 
筆者は昨年から始めたFantasy Footballのチームに「Texas Chaparrals」と名付けています。これはSASの昔のチーム名なんですね。現在のソフトバンクホークスのファンが「近畿グレートリング」(このチーム名にはちょっとした逸話がありますが、ここは省略)というチーム名を使ってゲームに参加するようなものでしょうか。

まずお約束の、Jersey Numberの話からしましょう。Duncanが入団から引退までずっと着けていたのは#21。NBAでこの番号はKevin Garnett(Minnesota Timberwolves時代)とDominique Wilkins(Atlanta Hawksなど)が有名です。

NFLでも多くの有名選手が着けている番号ですね。日本で最も有名なアメリカンフットボール漫画「アイシールド21」ではタイトルにまでなって、主人公が着けてましたし。
 
引退選手で真っ先に思い浮かんだのはLawrence Taylorじゃない方の「LT」、 LaDainian Tomlinsonですね。
 
あとはSuper BowlとWorld Seriesに出場した唯一の男、Deion Sandersでしょうか。Sandersはキャリア終盤のBALで37番を着けた以外は21番でした。MLBではさすがにそうはいかなかったようで、ほかの番号をいくつかのチームで着けてます。
 
なんて調べているうちに、こんな記事を見つけました。
http://m.thepostgame.com/blog/list/201206/top-21-athletes-wear-no-21
ここにはNHLの選手もいます。もちろんDuncanはランクに入ってますが何位だったでしょう。そして最後まで読むとトリがこの人かよ、とちょっと感激しますよ。今シーズン、日本でもある事情から何度か名前が挙がっている選手ですが(追記しておくと、このころはイチローの3000本安打達成直前だったため、MLBで選手生涯の安打数3000本丁度の安打数だったこの人が取り上げられていたのです)。
 
それから筆者が唯一持っているGBのJerseyも21番です。前シーズンを最後に引退したWoodson隊長のものではありません。ちょっとした成り行きで買いましたが、あと3年は着られるかと思ってます。現役の有名どころでは目つぶしAqib TalibとSuper Bowl 49のヒーローMalcom Butlerがいます。
 
さてDuncanですが、1997年に入団後の全19シーズンでPlayoffに出場。99年に初優勝以来、三つのDecade(90年代、2000年代、2010年代)でNBA Finalに勝利しました。これはNBAの歴史でも二人目で(一人目がJohn Salleyだったとは知らなかった)、一つのチームではDuncanが初めてなのだそうです。
 
SASが初優勝した99年シーズンからNBA西はSASが6回(Final勝利は5回)、LA Lakersが7回(同5回)であとは、Dallas Mavericsが2回(同1回)Golden State Warriorsが2回(同1回)、Okrahoma City Thunderが1回(同0回)しかFinalに出ていません。AFCからのSuper Bowl出場QBが片寄っているのと同様に、NBAにもFinalに出られるチームと出られるないチームに見えない格差があるようです。
 
見ての通りSASはこの20年近く、LALとNBA西の覇権を争ってきました。LALばかりが勝つ状況にSASがストップをかけていたので、リーグの均衡も保てたと思います。
 
チームのカラーリングは黒とシルバーという、OAKと同じ地味な色合いですが、戦績はOAKと違って着実。そのチームカラーを身をもって示していたのがエースのDuncanでした。
 
しかもLALが某選手を野放しにしたツケが回って、ここ3年低迷しているのに、SASは次世代の柱を育て、有力選手をFAで獲得しています(以前もこの話を書きましたが、そのあとまさかPau Gasolを獲得するとは)。今シーズンもまさかのOKC覚醒がなければ、GSWとNBA西の決勝で戦い、それにも勝利できるだけの戦力を保持していました。それができた理由の一つに、Duncanが減俸を受け入れたことがあります。
 
ここ最近のDuncanで思い出されるのは、2012-13年シーズンのMiami HeatとのFinal第7戦。競った終盤でそれほど難しいとは思えないシュートを外した後の「床ドンでしょうか。YouTubeに映像が挙がっていたのでこちらからご覧ください。
 
 
その前の第6戦でRay Allenが放った同点シュートも懐かしいですね。その翌年、再び同じHeatとFinalで再戦し、リベンジしたのがDuncanにとっての最後のリングになりました。
 
このとき「Beautiful Basketball」と言われたチームを筆者は忘れないでしょう。
 
 
DuncanとLALの#24が今季をもって引退し、GSWにKevin Durantが移籍したことで、NBA西地区は時代の節目を迎えました。MavsのDirk Nowitzkiも38歳になり、引退が近づいています。Duncanが引退しても戦力を維持できそうなSASのほかに、GSWを止められるチームは出てくるのでしょうか。

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

 

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
 MIA マイアミ・ドルフィンズ  NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
 NE ニューイングランド・ペイトリオッツ  PHI フィラデルフィア・イーグルス
 NYJ ニューヨーク・ジェッツ  WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
 CIN シンシナティ・ベンガルズ  DET デトロイト・ライオンズ
 CLE クリーブランド・ブラウンズ  GB グリーンベイ・パッカーズ
 PIT ピッツバーグ・スティーラーズ  MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
 IND インディアナポリス・コルツ  CAR カロライナ・パンサーズ
 JAX ジャクソンビル・ジャガーズ  NO ニューオリンズ・セインツ
 TEN テネシー・タイタンズ  TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
 KC カンザスシティ・チーフス  LA(STL) ロサンゼルス(セントルイス)・ラムズ
 OAK オークランド・レイダース  SF サンフランシスコ・49ers
 SD サンディエゴ・チャージャース  SEA シアトル・シーホークス

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2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

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