先日、TENとドラフト1位をトレードアップしたRamsが、どっちのQBを獲るのかが話題になっています。そう、Carson WentzかJared Goffかという話です。筆者は、先日のニュース直後にカリフォルニア大のGoffではないかと予想しましたが、米国での予想はそこまで断定的ではないようです。
例えば、同じ記事に「Wentz is the superior prospect -- in fact, he's better than Blake Bortles was coming out of UCF」とか「I have Wentz rated slightly higher, but I think Goff is a better fit in Los Angeles」とか、二つの選択肢が示されています。
この、1巡目上位に有力白人QBが2人いて、1位指名順を持っているのはCaliforniaのチーム、そして片方の選手はCalifornia出身というシチュエーション。どこかで似たような話を思い出しませんか?そう2005年のドラフト会議ですね。当時1位を持っていたSFが、Alex SmithとAaron Rodgers(カリフォルニア大)をどちらを指名するのかが話題になりました。
結果はご存知の通り、SFは1巡目1位でSmithを選び、Rodgersはなかなか指名されずに24位でGBの手に落ちました(ほかのチームがQBを必要としていなかったなどの事情があったためです)。
ではこの2人がNFL入り後にどういう足跡をたどったかをまとめてみましょう。11年後にWentzとGoffでも同じように比較できるといいですね。
実はこの2人、11シーズンで出場したRS試合数は何と同じ126。11シーズンで全試合に出ると176試合になるはずですが、それぞれ苦労しているため50試合分が欠けています。先発数はわずか2試合だけSmithが多い121ですが、それほどの差ではありません。
まず先にNFLで先発の機会を得たのはSmithでした。1年目(2005年シーズン)はTim Ratteyと先発の座を競い合い、7試合に先発します。この時のOCはご存知Mike McCarthyでしたね。
ただ「NFL 2006 カラー写真名鑑」(ベースボール・マガジン社)によると、9試合に出場し1TD11INTで「プロの洗礼を浴びた」とありますので、いきなり大活躍をしたわけではありません(2016年シーズンのWinstonやMariotaの方が数段上の結果を出しています)。
McCarthyがGBに去った2年目は、16試合全てに先発出場します。ただしTDを16獲得するもINTも16で、高い評価はもらえていません。そして3年目は肩の故障で7試合の出場にとどまり、4年目(2008年シーズン)は出場機会0。
シーズン後に大減俸を受け入れざるを得ないところまで窮地に追い込まれました(4年目に出場機会0というとRG IIIと重なりますね。1年目の実績はRG IIIの方が断然上ですが、2015年シーズン終了時点のRG IIIが近いイメージでしょうか)。
一方、同じ2008年に、McCarthyの下でGBのエースQBになったのがRodgersでした。チームは6勝10敗でしたが全16試合に先発して4000ヤードを突破(TDは28)。入団してから3年はBrett Favreの「辞める辞めない詐欺」に見舞われましたが、4年目はFavreが辞めないといってもチームがRodgersを選択するまでになっていました。
2009年シーズン前のRodgersへの評価は「周囲の期待に応える実力(中略)を証明して見せた」「リーダーシップも発揮」と賛辞であふれているのに、一方のSmithには「(ショーン・)ヒルに開幕先発争いで敗退」(どちらも「NFL 2009 カラー写真名鑑」 から引用)という冷たい評価でした。
その後Rodgersは、Super Bowlを2010年シーズンに獲り、レギュラー定着から6シーズン続けてパッサーレイティングが100越え。リーグを代表するQBの座を得ています。2016年は久しぶりにレイティングが100を下回りましたが、2試合でHail Maryを決めるなど、チームのエースとして君臨しています。
一方のSmithはチームが2012年シーズンにSuper Bowlへ進出するも、自身が脳震盪で退いているうちにColin Kaepernickにとって代わられ、2013年シーズンにKCへ移籍するという憂き目にあいます。ただ自分を呼び寄せたてくれたAndy Reidとの相性はよかったようで、2016年はチームの大躍進に貢献し、パッサーレイティングで久しぶりにRodgersを上回る結果を出しました。
2015年シーズンが終わって、通算の勝ち星や獲得ヤード、TD数、そしてパッサーレイティングでは全てRodgersが上回っています。それでも長年苦労してここまで来たSmithは今が絶頂期といえるでしょう。
所属するKCは2015年シーズン後半の爆発力を維持できれば、2016年シーズンのAFC西の優勝候補といえるでしょう。問題はPlayoffに行ってからの淡泊さを克服することと、チームがクロックマネジメントを学ぶことでしょうかね。
RodgersもJordy Nelsonの復帰とEddie Lacyのダイエットで、2度目のSuper Bowl獲得を狙ってきます。2015年シーズンの失速を繰り替えさないようGBがどこまで戦力を整えられるかにかかってきます。
Rodgersは83年生まれ、Smithは84年生まれですので、残りの時間が少なくなってきました。2015年のSuper Bowlは2011年のドラフト1位2位対決(Newton vs Miller)が話題でしたが、2016年シーズンのSuper BowlではSmith vs Rodgersに期待したいところです。
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。
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