今日で、NBAの2015-16シーズンが終了しました。ご存知の通り、Cleveland Cavaliers(Cavs) がFinal 第7戦でGolden State Warriors を下し、チームとして初のタイトルを取りました。
MVPはLeBron James。Cleveland近郊のAkronで育ったLeBronが、ついに地元チームを優勝に導きました。あれだけ泣くLeBronを見たのは初めてですが、2003年のNBA入り以来の夢が実現できたので今回は許してあげましょう。
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ネットによると、Cleavelandにとっては1964年にBrownsがNFLチャンピオンになって以来のメジャースポーツでの優勝だそうです。ご存知の通りSuper B owlが開催されたのは1967年ですので、BrownsはSuperBowlでは未勝利です(出場もありません)。
じゃあ、MLBのCleveland Indiansはどうなんだというと、最後に優勝したのは1948年。1989年に映画「Major League」で取り上げられ、1995年にはアメリカンリーグで優勝しましたが、World Seriesでは勝てませんでした。なおNHLのチームはClevelandにはありません。LeBronにしてみれば、自分が生まれて初めての地元チームの優勝を自身の手で成し遂げたということです。
さて、今回敗者となったGolden State Warriorsですが、今期はNBAシーズン記録となる73勝9敗の成績を上げ、Finalでもダントツの優勝候補でした。このチームをエースとしてけん引したのは、史上初の満票でMVPを獲得したStephen Curry。これまでのPoint Guardの常識を破り、3ポイントを連発するスタイルはNBAのプレイを変えたといっても過言でないでしょう。2015-16シーズンに決めた3ポイントは驚愕の402本。前年までの記録が、Curry自身が前シーズンに記録した273本ですから、今シーズンの異次元っぷりもご理解いただけるでしょう。
シーズン最高勝率となったチームで、自身もレギュラーシーズンでMVPを獲得した、ポジションの常識を大きく覆した司令塔のいるチームが決勝で負けた…。そうですね。NFLでSuper Bowl 50で敗れたCARのCam Newtonと見事に重なっています。
前回書いたNFLとNBAの相似形は、NBAのFinalが予想外の結果で(ごめんなさい、筆者もCavsが勝つとは思っていませんでした)終了したことで新たな展開を迎えました。ということで行ってみましょう。
■シーズン最高勝率でMVPを獲ったエースがいながら決勝で敗退
Stephen Curryは父親(Dell Curry)もNBAプレーヤーで、Dellの転勤?により少年時代はNorth Carolinaで過ごしました。
もう少し詳しく言うと、Stephenが1988年5月に生まれたときDellはCavsの一員でした(LeBronと同じAkron 近郊の病院で生まれたとのこと)。その翌月の6月23日に開催されたエクスパンションドラフトで、DellはCharlotte Hornetsに指名されて移籍しました。以後10シーズン、DellはHornetsのメンバーでしたので、CurryもNorth Carolinaで育った わけです。
CARが設立されたのは1995年ですね。7歳の少年が新たにできた地元チームを応援するようになった のは自然なことでしょう。
そのStephenがSuper Bowl 50のとCARの入場前に太鼓を叩いていた姿を覚えている人もいるのではないでしょうか。まあ、今にしてみると、あれがケチの付き始め だったのかもしれませんが。
今期、Golden State Warriorsは、レギュラーシーズン73勝9敗というNBA記録を樹立しました。前年もNBA Finalを制しており、いよいよWarriors王朝到来かという印象を与えましたね。特にRun TMC(このあたりは省略します)などタレントがそろっていたのに勝てなかった90年代のWarriorsを知る身としては胸熱でしたが。
そして、前シーズンと同じ組み合わせとなったNBA Finalでは3勝1敗とリード。この成績になってからひっくり返されたチームは今までなかったとのことなので、Warriorsの連覇は決まったも同然でした。
それをひっくり返したのはLeBronの、地元チームで勝ちたいという執念でした。筆者は、こういうお涙頂戴的な話は好きではない のですが、今回ばかりはLeBronを讃えたいと思います。
ではSuper Bowl 50でCARにDENが勝ったのは、Peytonの執念でしょうか ね。
ともかくレギュラーシーズンを15勝1敗(過去に16戦全勝のチームもいますが、大目に見てください)で勝ち抜き、NewtonもシーズンMVPを獲得(全50票のうち48票を獲得)、そしてNewtonの頭から突っ込むフィジカルぶりは、従来のQBにはないものでした。Super Bowl 前の下馬評はCAR有利という声が多かったところも、Warriorsとかぶります。
まあ、CurryとNewtonは1歳違い(88年生まれと89年生まれ)で、年齢的には伸びしろがあります。二人の来シーズン以降の雪辱に期待 しましょう。
■15年以上続く王朝、エースは年俸抑制に協力的でHCは変人
これだけでわかりますね。NBAはSan Antonio Spursで、NFLはNEです。
まずSpursから。Tim Duncanが入団した 1997–98年シーズンから、このチームは毎回Play Offに出続け、今シーズンで19シーズン連続です。そしてその間にNBA Finalに6度進出し、そのうち5度制しています 。間にLos Anges Lakersの5回優勝が挟まっていますが、立派な「王朝」が長きにわたって続いているといえるでしょう。常にNBA西地区の優勝候補として着実に勝ち上がってくる印象です。
対抗となるNEもTom Bradyが台頭した2001シーズン以降、王朝が続いています。こちらも6回Super Bowlに進出し4回勝利 しています。NYGのEli Manningがいなければ、Bradyのリングの数は、すでにJoe Montanaのそれを上回っていたことでしょう。
ただ、さすがにDuncanもBradyも年を取り、この4月で40歳になったDuncanは2016年シーズン限りの引退もささやかれています。「ダンカン 引退」で検索すると、今シーズンだけでなく数年前の引退説まで出てくるほど毎年のように取りざたされる問題ですが、Spursは着々と手を打って います。生え抜きのKawhi Leonardを育て、2015年にはLaMarcus AldridgeをFAで獲得し、Duncan引退に備えています。
一方のNEはどうでしょう。今シーズンはBradyが、デフレゲートの一件でシーズン開幕4試合を出場停止になりそうですね(さすがに前シーズンのように直前で出場可の裁定に覆ることはないでしょう)。その災いを転じて吉にするためにも、Jimmy Garoppoloを先発を見守り ましょう。
給与についてはBradyは、奥さんがSuperModelのGisele Bundchenということもあってお金に困っていないのか、あれだけの成績のQBながら年俸は抑え目。チームはその分、ほかの選手にお金をつぎ込めるわけで、それが長年の戦力維持に貢献しているともいえます。
Duncanもチームの戦力維持のために、チームからの要請を受け入れ、年俸を抑えています。LakersがKobe Bryantからの要求に抗えず、高額な年俸を保証した結果、チームバランスを崩し低迷したのとよく比較されます。筆者がNBAでSpursを押すのは、このあたりの選手の考え方にもあります。
HCについては、ちょっと省略。Bill Belichickは2000年から、Gregg Popovichは1996年からそれぞれチームのHCを続けており、それぞれのチームの王朝を維持しています。
最後は疲れましたが、NFLとNBAに、境遇が似たチームや選手はいるもんですね。ほかにもレギュラーシーズンはともかくPlay Offで勝てないChris PaulとAndy Daltonが近い(ちょっと強引)とか、Peyton ManningとKobe Bryantの最後の4年は真逆だったとか、NBAとNFLを比較するといろいろ話がありますね。ただこの原稿はNBAとNFLの両方を調べないといけないのでちょっと疲れます。
また別の思い付きがありましたが、書くようにします。
追記:2016/6/22 と、ここまで書いて、今日Cavsの優勝パレードにCLEのBernie Koserが招待されたというニュースを読ました。CLEで9年、QBを務めたKoserをClevelandの市民が忘れてなかったんだなぁと、ちょっと感動しました。詳しくはこちらから→ http://espn.go.com/nba/story/_/id/16405073/bernie-kosar-invited-ride-cavaliers-victory-parade
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。
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