ワタクシが高校のころ、Y西という同級生がいました。
コイツは1年のころに知り合ったのですが(というか、なんのきっかけか知らないが、向こうから勝手に寄ってきた)、どういう人物かというと、いわゆる「どぢで坊や」というヤツ。
ちょっとした会話の言葉尻に食らいついては「なんでそう思うの?どうしてそうなるの?」としつこく聞いてきては、ワタクシが困惑するのを見てニヤニヤしているという、実に根性のワルいヤツでした。
当時はまだ高校生で、もともとが短気だったガキのワタクシはすぐに沸点に達し、「このクソが…」と殴りかかる気勢を見せるのですが、Y西はそういう剣呑な空気を察する能力にも長けており、「え、暴力に訴えようとするの?どうして?なんで?」などと返してくる…いやあ、本稿を書くにあたって当時のことを思い出したら、かなり殺意が湧いてきましたね(;^ω^)。
結局そいつは、ワタクシが柔道部に入部して黒帯を取り、また、海自の一般曹候補学生の試験勉強にガチで取り組み始めてから全く寄り付かなくなり、卒業式の時には目も合わせてくれなくなっていました。
Y西は他教科にくらべて数学が多少得意だったようですが、著名私大に入る能力はなく、どこかのFラン大学に行ったと仄聞しますが、まあ、今のワタクシにとってY西の人生なんてどうでもいいので、調べる気もありません(というか、弊ブログで幾度か書いたとおり、ワタクシは自分の卒業した高校が大嫌いなので、今まで1回も同窓会に出ていません)。
で、今回のお話の冒頭、なんでムカつく同級生の話をしたかと言いますと、実はY西がやっていた「質問攻め」は、実は意外と有効な護身術であったということを、あれから20年以上経ってから、ようやく気が付いたからです。
自らの不明と研究不足を愧じつつ、今日のメインのお話「質問攻め護身術」に入りたいと思います。
心理戦や敵の観察の部分にまで科学の目を向けてソフト化した「護身業界の黒船」とも言えるロー・コンバットの教則本(「2秒以内に倒す!ローコンバット」ルーク・ホロウェイ著 東方出版)によりますと、「質問攻め」はそのまま「言葉のジャブ」となるそうです。
ボクシングにおけるジャブとは、相手をサーチするためのレーダー波のようなものでもあり、また、相手を「居着き」の状態にさせるための手段…そうです。「なんで?」「どうして?」と無意味な質問を返すことは、そのまま相手を困惑させ、動きを止め、「居着き」の状態にすることができる、最も簡単で効果的な手段なのです。
そういえば昔読んだ安部譲二先生の小説で、安部譲二先生がチンピラ時代に従事したアニキは、当時入手したばかりのテレビを前に、ニュースやCMごとに相手に「アヤをつける(因縁をつける)」練習をしていたという話を読んだ記憶があります。
ワルいヤツやチンピラは、こうした「質問攻め」や「アヤつけ攻め」を繰り返すことが、相手を居着かせ、平常な思考力をなくさせるということを経験則として、あるいは本能的に知っていたのではないかと察しますし、また、いわゆるエグゼクティブと言われる輩の中でも、「弁が立つ」と評判なのは、たいていこういう「質問攻め」が巧みなヤツと相場が決まっています。
で、この「質問攻め」ですが、「護身でこれを使いなさい」と軽々に勧めることはできません。
「質問攻め」は「相手をムカつかせ、先に手を出させる」、あるいは「相手が混乱している間隙を衝いて逃げる」といった明確な目的がある場合にのみ有効であり、ただただ「質問攻め」を繰り返し、その有効性に酔っぱらって勢いに乗ると、その質問の理非はさておき、攻められた側は「質問攻め」をするヤツを死ぬほど憎みます。日本人はガマンができるいっぽうで、それが臨界点を超えたときの怒りの発露が凄まじいということは、皆様ご存知のとおり。
ですから「質問攻め」は、その威力を十分に認識し、用法要領と発露の場をじゅうぶん弁えたうえで、最小限に使うことをお勧め致します。
冒頭お話ししたY西は、何かのきっかけでその有効性に早くから気づいたのはいいのですが、適量を弁えずその有効性におぼれて乱用した結果、みんなから嫌われました。ただただ愚かとしかいいようがありません。いまもどこかで「どぢで坊や」をしているのでしょうが、まあ、いい人生を送っていることはないと思います。
コイツは1年のころに知り合ったのですが(というか、なんのきっかけか知らないが、向こうから勝手に寄ってきた)、どういう人物かというと、いわゆる「どぢで坊や」というヤツ。
ちょっとした会話の言葉尻に食らいついては「なんでそう思うの?どうしてそうなるの?」としつこく聞いてきては、ワタクシが困惑するのを見てニヤニヤしているという、実に根性のワルいヤツでした。
当時はまだ高校生で、もともとが短気だったガキのワタクシはすぐに沸点に達し、「このクソが…」と殴りかかる気勢を見せるのですが、Y西はそういう剣呑な空気を察する能力にも長けており、「え、暴力に訴えようとするの?どうして?なんで?」などと返してくる…いやあ、本稿を書くにあたって当時のことを思い出したら、かなり殺意が湧いてきましたね(;^ω^)。
結局そいつは、ワタクシが柔道部に入部して黒帯を取り、また、海自の一般曹候補学生の試験勉強にガチで取り組み始めてから全く寄り付かなくなり、卒業式の時には目も合わせてくれなくなっていました。
Y西は他教科にくらべて数学が多少得意だったようですが、著名私大に入る能力はなく、どこかのFラン大学に行ったと仄聞しますが、まあ、今のワタクシにとってY西の人生なんてどうでもいいので、調べる気もありません(というか、弊ブログで幾度か書いたとおり、ワタクシは自分の卒業した高校が大嫌いなので、今まで1回も同窓会に出ていません)。
で、今回のお話の冒頭、なんでムカつく同級生の話をしたかと言いますと、実はY西がやっていた「質問攻め」は、実は意外と有効な護身術であったということを、あれから20年以上経ってから、ようやく気が付いたからです。
自らの不明と研究不足を愧じつつ、今日のメインのお話「質問攻め護身術」に入りたいと思います。
心理戦や敵の観察の部分にまで科学の目を向けてソフト化した「護身業界の黒船」とも言えるロー・コンバットの教則本(「2秒以内に倒す!ローコンバット」ルーク・ホロウェイ著 東方出版)によりますと、「質問攻め」はそのまま「言葉のジャブ」となるそうです。
ボクシングにおけるジャブとは、相手をサーチするためのレーダー波のようなものでもあり、また、相手を「居着き」の状態にさせるための手段…そうです。「なんで?」「どうして?」と無意味な質問を返すことは、そのまま相手を困惑させ、動きを止め、「居着き」の状態にすることができる、最も簡単で効果的な手段なのです。
そういえば昔読んだ安部譲二先生の小説で、安部譲二先生がチンピラ時代に従事したアニキは、当時入手したばかりのテレビを前に、ニュースやCMごとに相手に「アヤをつける(因縁をつける)」練習をしていたという話を読んだ記憶があります。
ワルいヤツやチンピラは、こうした「質問攻め」や「アヤつけ攻め」を繰り返すことが、相手を居着かせ、平常な思考力をなくさせるということを経験則として、あるいは本能的に知っていたのではないかと察しますし、また、いわゆるエグゼクティブと言われる輩の中でも、「弁が立つ」と評判なのは、たいていこういう「質問攻め」が巧みなヤツと相場が決まっています。
で、この「質問攻め」ですが、「護身でこれを使いなさい」と軽々に勧めることはできません。
「質問攻め」は「相手をムカつかせ、先に手を出させる」、あるいは「相手が混乱している間隙を衝いて逃げる」といった明確な目的がある場合にのみ有効であり、ただただ「質問攻め」を繰り返し、その有効性に酔っぱらって勢いに乗ると、その質問の理非はさておき、攻められた側は「質問攻め」をするヤツを死ぬほど憎みます。日本人はガマンができるいっぽうで、それが臨界点を超えたときの怒りの発露が凄まじいということは、皆様ご存知のとおり。
ですから「質問攻め」は、その威力を十分に認識し、用法要領と発露の場をじゅうぶん弁えたうえで、最小限に使うことをお勧め致します。
冒頭お話ししたY西は、何かのきっかけでその有効性に早くから気づいたのはいいのですが、適量を弁えずその有効性におぼれて乱用した結果、みんなから嫌われました。ただただ愚かとしかいいようがありません。いまもどこかで「どぢで坊や」をしているのでしょうが、まあ、いい人生を送っていることはないと思います。
皆様もそうだとおもいますが、学生の頃に味わった嫌な記憶というのは、本当に忘れたいけど忘れられないものでございまして、ふとしたきっかけで、「思い出し笑い」ならに「思い出し怒り」にとらわれることが多々ございます。
ただ、現在のそいつを探し出し、「倍返しだ!」とばかりに叩きのめせば当然、刑事的・社会的制裁を受けることは自明ですので(;^_^A、その怒りのエネルギーをよりよい方向に指向させるよう、微力を尽くしております。
またよろしくお願いいたします!