今日は雲空でそれほど暑くもないサイクリング日和だったので、玉川上水沿いを自転車で走りました。
上水沿いにはセンニンソウの白い花がたくさん咲いていました。野の花でありながら気品を感じる上品な花です。
自転車を止めて、写真を撮っていたら、その白い花に囲まれて、大振りの赤紫の房状の花を見つけました。綺麗なクズの花!クズは空き地などで草むらを作っていて、花が咲いていても普段は見落としてしまうのですが、今日は白い花に囲まれてクズの赤紫の花が特別に美しく見えました。
もともとクズの花は万葉の時代から人々に愛されてきた花です。秋の七草にも入っています。万葉集では山上憶良が秋の七草をこんな風に詠んでいます。
『秋の野に 咲きたる花を 指折およびおり かき数ふれば 七種ななくさの花』
意味:秋の野にとりどりに咲く花を、指を折りながら一つひとつ数えてみると、
七種類の花がありました。
『萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花』
読み方: はぎのはな おばな くずはな なでしこのはな おみなえし
また ふじばかま あさがおのはな
この二句目の歌で私は秋の七草を覚えました。
(センニンソウはすでに昨年、「今日の一花 センニンソウ」で取り上げています。)
【データ】
クズ(葛、学名: Pueraria lobata または Pueraria montana var. lobata)は、マメ科クズ属のつる性の多年草である。日本では、根を用いて食材の葛粉や漢方薬が作られ、万葉の昔から秋の七草の一つに数えられている。
和名は、かつて大和国(現:奈良県)吉野川(紀の川)上流の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来する。漢字は葛を当てる。
地面を這うつるは、他のものに巻きついて10メートル以上に伸び、全体に褐色の細かい毛が生えている。
根もとは木質化し、地下では肥大した長芋状の塊根となり、長さは1.5メートル、径は20センチに達する。
葉は三出複葉、小葉は草質で幅広く大きい。葉の裏面は白い毛を密生して白色を帯びている。
花は8-9月の秋に咲き、穂状花序が立ち上がり、濃紺紫色の甘い芳香を発する花を咲かせる。花色には変異がみられ、白いものをシロバナクズ、淡桃色のものをトキイロクズと呼ぶ。