時のしずく

COCCOのフォトダイアリー

ファインバーグ・コレクション展

2013年07月10日 01時40分38秒 | 美術・工芸
江戸東京博物館で開かれている「ファインバーク・コレクション展」に行ってきました。

アメリカの実業家ファインバーク夫妻が収集した江戸時代を中心とした日本画のコレクションです。
狩野派や土佐派などの保守的なものではない、ファインバーク夫妻の美の琴線に触れた日本画が有名・無名を問わず集められています。

私は美という概念は絶対的なモノではないと思っています。
時代や文明によって、○が×になってしまう、非常に危うい揺れ動くモノ。

東南アジアやトルコなどに行ってTVではなく生で異文化を体験すると、何と自分の美意識が欧米的な価値観によって作られているのかと感じました。
そういう意味で、今の私たちはアジアの人間であっても、美の世界では欧米文化に近い世界にいると思います。(ちょい悲しいけど、・・・昔の下膨れお顔の雛人形より、現代の雛人形のほうが綺麗と思うでしょ。)
これは良いとか悪いとかという問題ではなく、そういう時代に生きてるってことだと思います。

なので、この「ファインバーク・コレクション展」は、たくさんの日本画を自分に近い美意識を持った人が選んでくれた感じで、どれもこれも、どの作品も嬉しくってたまりませんでした。
作品の前でニヤニヤ。

特に谷文晁!
今までかなり日本画は見ているはずですが、なぜか今まで出会わなかった作者です。
『秋夜名月図』は、筆は迷いなく走っているのに、非常に丁寧に秋草を表現しています。
名月の幽玄な世界にとっぷりつからせていただきました。

ファインバーク夫妻ありがとうございました♫

●谷文晁 『秋夜名月図』



それにしても、会場の「江戸東京博物館」!

ポストモダニズム建築の作品で、できた時もあまり評判が良くなかったけど、アクセスは車と人の動線が交差してて危ないし、裏方さんも使い勝手が悪そうなプランニング。
ホールも散漫なデザイン(だって、トイレの入口がメインホールから丸見えなんだよ)。展示室からホールへの出口もまるで倉庫から出るような空間、大事な展示室がこれでは楽屋裏のような印象。

せっかく近くに国技館があって下町の風情のある地域なのに、そんな景観ともマッチしてないし。

積み木を積んだような形のイメージが先にあって、それ以外のことがすべておざなりな感じ。
その狙った形だって、いいとは言えない。

天国の菊竹先生、悪口ばっかりでごめんなさい。

でも、展覧会に来て、建築を見ることが目的でないのに、こんなに悪口を言いたくなる建築って珍しい。







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