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COCCOのフォトダイアリー

怒涛の琳派! 第一弾  「岡田美術館所蔵 琳派名品展」

2015年02月15日 16時05分51秒 | 美術・工芸

今年は、琳派の祖、俵屋宗達と本阿弥光悦が徳川家康から京都鷹ヶ峯の土地を与えられ、その地で芸術サロンとも呼ぶべき「光悦村」を作り、創作を始めてから400年の年だそうです。また、琳派の名前の元ともなった尾形光琳が亡くなってから300年の記念の年でもあるそうで、全国の美術館で琳派の特別展がたくさん開催されます。

どこかモダンデザインに通じるところのある琳派の作品は、現代でもとても魅力的で、時がたっても色あせないどころか、今にこそ活きる気がします。

それで今年は、関東で開催される琳派の特別展はできる限り見ようと、関東の美術館のスケジュールをチェックをしました。こんなチャンスを逃したら、本当にもったいない!

そのcoccoの『怒涛の琳派 第一弾』となる、日本橋三越で行われている岡田美術館所蔵琳派名品展」に1月28日行ってきました。(2週間以上たってからのアップごめんなさい。)

2013年に開園した岡田美術館の収蔵品だけで構成されていたのに、琳派の様式が固まる前にその予兆が感じられる古典から、琳派を流れを継いだ現代作品まで系統立てて展示されていて、とても面白かったです。

琳派は絵だけではなくって工芸品も多いので、日本画も漆器などの工芸品もあって、バラエティーに富んでいます。

今回の展示のメイン作品は↓尾形光琳の雪松群禽図屏風」でした。構図の巧みさと鴨の生き生きとした描写にうっとりでした。

 

でも、私が一番印象深かった作品は「花卉に蝶摺絵新古今集和歌巻」です。やっぱり、下絵・俵屋宗達、書・本阿弥光悦の作品は、見ていて音楽を聴いているような錯覚に陥ります。・・・大好きです(笑)

実は京都国立博物館収蔵品で重要文化財に指定されている「鶴図下絵和歌巻」が琳派マイべストなんです。同じ下絵・俵屋宗達、書・本阿弥光悦で別の作品を見られると思っていなかったので幸せでした。

ただ、この絵は「 鶴図下絵和歌」と違って、下絵といっても 宗達が筆で書いたのではなく版画でした。竹の絵と藤の絵に和歌が書かれていましたが、版画ゆえに藤の花が少し盛り上がっていて厚みが感じられ、絵のリズムが強調されているようで、これはこれで面白かったです。巻物で、今回は巻かれていて見えなかったところに蝶の絵もあるので、次は岡田美術館で蝶の部分を見たくなりました。

 

それと塗りの小箱の「光琳蒔絵 蜻蛉蒔絵螺鈿合子」も小品ながら秀逸でした。螺鈿と蒔絵でトンボなどが描かれていましたが、形といい、絵といい・・・う~まいとしか言いようがない作品でした。ヨーロッパのアールヌーボーの作家たちがこんな日本の小箱に心奪われた気持ちが分かる気がしました。時代の古い新しい、文化の違いなんか軽~く超えてしまう魅力があります。 

2013年に開館したばかりで全然知らなかった岡田美術館ですが、とっても素敵な環境のところに、センスが良い建物があるようです。こんなに収蔵品も充実しています。しかも、昨年、話題になった喜多川歌麿の「深川の雪」も4月からまた展示されるそうです。見逃して残念に思っていた「深川の雪」を見に行きましょう♪



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