tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

よかった…「認知症男性JR事故死 家族側が逆転勝訴 最高裁」

2016-03-01 17:01:36 | 今日の出来事
認知症男性JR事故死 家族側が逆転勝訴 最高裁

愛知県大府市で認知症の男性(当時91歳)が1人で外出して列車にはねられ死亡した事故を巡り、JR東海が家族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、男性の家族に賠償を命じた2審判決を破棄し、JR東海側の請求を棄却した。家族側の逆転勝訴が確定した。

事故は2007年に発生。男性が列車にはねられた事故で、JR東海が「電車に遅れが出た」として同居の妻や首都圏に住んでいた長男らに約720万円の支払いを求めた。

民法は、責任能力のない人が第三者に損害を与えた場合、代わりに親などの監督義務者が責任を負うとする一方、監督義務を怠らなければ例外的に免責されると定めている。

1審・名古屋地裁は長男を事実上の監督者と判断し、妻の責任も認定。2人に全額の支払いを命じた。一方、2審・名古屋高裁は長男の監督義務を否定したものの「同居する妻は原則として監督義務を負う」として、妻には約360万円の賠償責任があると判断。JR側と家族側の双方が上告していた。(毎日新聞)


妥当な判決が出たと思う。
地裁・高裁の判決は首をかしげるものだった。
「認知症の家族を監督できなかった責任をきっちり取れ」という主張を何が何でも通そうとするのなら、
一方で「JRにだって、そうした人間を線路に入れさせないような方策を
講じていなかったという非があったのでは?」
と思っていたからだ。
誰もが容易に入れる“開放的”な線路の構造をそのままにしながら、
「そこへ入った方が悪い」と一方的に責める理屈だけがまかり通る理由もないだろう。
天下のJRが、無辜の一市民相手に「大人気ない」という印象もあったし。

ただ、この判決はJRという大企業が当事者だったからそう思うだけであって、
たとえば「認知症の人間が過って火を出してしまい、その火災に隣家の住民が巻き込まれて死亡した」
といったようなケースともなると、また見え方が変わってくると思う。

いずれにせよ、認知症の人が暮らしていくのに不安のない社会システムや技術革新を、
早急に生み出さねばなるまいね。これからの日本は。


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