情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

国連・拷問禁止委員会が日本政府に代用監獄などを改善するよう勧告~そんなことは隠してしまえホトトギス

2007-05-21 23:58:39 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 国連・拷問禁止委員会は、21日、拷問禁止条約の規定に基づき、自白強要、冤罪の温床とされる代用監獄などを改善するよう求める勧告を発表した(ここ←クリック)。この勧告は、今月9、10の両日、拷問禁止条約の規定に基づいて初めて対日審査を実施、自白強要、冤罪の温床と批判される代用監獄制度や死刑執行などについて、政府やNGOに対し、質疑を2日間にわたって行ってまとめたものだ。

 勧告は、例えば、警察の留置場(代用監獄)での勾留期間が長いこと、不必要な勾留が多いこと、証拠開示が不十分であることなどを指摘し、それらを改善するために法改正するよう求めている。

 拷問禁止条約というレベルの法規に違反していると国際的に指摘されたことは、先進国として本当に恥ずかしいことだ。直ちに改善しなければ、そのうち、北朝鮮レベルの国だと思われることになるのではないか。

 でっ、勧告の内容に優る劣らず問題なのは、実は、日本政府がこの問題を隠蔽していることだ。外務省のウェブサイトには委員会の対日審査が行われていることは書いていないし、国際連合日本政府代表部のウェブサイトにもない。国際連合広報センター東京事務所のウェブサイトならあるだろうと思ったが、全然ない。かけらもない。
 
 都合の悪いことには目を塞ぐ、日本政府の典型的なパターンだ!卑怯だぞ、安倍、卑怯だぞ、麻生外相、卑怯だぞ、長勢法相!そういえば、価値観外交のお仲間には参議院議員はいたが、今度の夏選挙のある人はいなかった。卑怯だぞ、自民党!本当に、わたしゃぁ、情けないよ。

 
※写真は、新品の代用監獄。こちら(←クリック)より。











★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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価値観外交って好き嫌い外交ってこと?いやいやもっと悪辣かも…私たち市民はイラクの子どもに学ぼう!

2007-05-21 18:37:32 | 有事法制関連
 ちょっと古いが、本当に悲しくなるニュース…。朝日によると、【安倍首相が提唱する「価値観外交」を支持する自民党の中堅・若手議員43人が17日、「価値観外交を推進する議員の会」を発足させた。歴史教科書問題などで安倍氏と行動を共にした盟友たちが名を連ね、会長に古屋圭司氏、顧問に中川昭一政調会長が就任した。出席者の多くは安倍氏と「理念」を共有する議員で、派閥横断で結びつく事実上の「安倍派」の様相を呈している】。この価値観が立派なものなら、いいよ。例えば、平和推進外交だとか、南北間格差解消外交だとか、温暖化防止外交だとか、なら。

 ところが、この連中の価値観ときたら、「公共の精神や自律の精神、自分たちが生まれ育った地域や国に対する愛着愛情、道徳心」(首相施政方針演説)というそぶりをしつつ、【古屋氏は人権擁護法案、皇室典範改正、靖国参拝、国民投票法、民法772条を列挙し、強調した】というのだから、お里は知れている。
 
 そもそも、【初会合は、中国を牽制(けんせい)する古屋会長のあいさつで始まった。「安倍首相が就任直後に日中首脳会談をやったが、軍事費増大など覇権拡張の疑念は払拭(ふっしょく)されず、中国は共通の価値観を持っている国ではない」】とか、【中川氏も中国への警戒心をあらわにした。中国を「お隣の大事な国」と呼びつつも、「我々を包含し、我々が中国の一つの省になることは避けないといけない」と語った】というのだから、その狙いは、単に、近隣に敵を作るためのものに過ぎないのは明白だ。つまり、毎回引用している、ヘルマン・ゲーリングの作戦だ。

 だって、そうじゃないですか、安倍が【1月の施政方針演説で「価値観を共有する国々」に挙げたのはインド、オーストラリア】だが、この二つの国が、【公共の精神や自律の精神、自分たちが生まれ育った地域や国に対する愛着愛情、道徳心】という点で、特に中国に優っているとは到底思えない。もちろん、中国のチベット迫害も忘れてはならないが、インドは、いまだにカースト制が残っている差別大国だし、オーストラリアもちょっと前までは、「白豪主義」で人種差別天国だった国だ。
 
 論点はずれるが、3世議員の安倍やその取り巻きの2世、3世議員にとっては、世襲制が確立しているインドがうらやましいのかもしれない…。

 話を戻し、安倍らに対して私たちのとるべき道を示すものとして、昨日紹介したイラクの少年を写したすばらしい写真を再度紹介したい。AFPの配信になるものだ。憂いのある表情が胸を打つ。

 彼は壁の隙間からこう言う。「一つ壁をつくれば他にも壁ができるかもしれない。元々反対していた壁までも…」。(Al-Maliki said he feared the wall "might have repercussions which remind us of other walls ... which we reject" [AFP])。

 壁をつくることの危険性を身をもって体験している彼の知恵に学ぶべきではないだろうか。この子が厳しい戦火を生きながらえ、話ができる日が来ることを祈りたい。そのときに、彼に、日本のことを誇れるようにしたいものだ。そのためには、まずは、参院選だ!


 PS:しかし、私たち市民も壁を持っている。核廃棄物最終処分場を誘致しようとした高知県東洋町で、「核物質拒否条例」が全会一致で可決成立したことは大きく伝えられ、関心も持つが、劣化ウラン弾のことはあまり伝えられず、考えることは少ない…。自省したい。

 【劣化ウランは放射能を出して人体に被害を与えるが、戦場で使う分には「敵」に対してのみ放射能をばらまくのでかまわないということで、米軍は湾岸戦争やコソボ戦争などで劣化ウラン弾を使った。
 ところが実際には「敵」の中には無数の市民がいた。クウェート国境近くのイラク領内で米軍が発射した大量の劣化ウラン弾からばらまかれた放射性物質は、砂漠の砂塵に混じって周辺の村々やバスラ市内に到達し、湾岸戦争が終わった数カ月後の1991年夏ごろから、バスラ一帯では放射能の影響と思われる白血病やガン、奇形児の出産が増加した】(イラク日記(7)劣化ウラン弾の町



 








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えっ、あの産経新聞が「従軍慰安婦」の強制性を裏付ける米陸軍報告書について報道!

2007-05-21 08:18:19 | 有事法制関連
 いやぁ、びっくりしました。あの産経新聞が、いわゆる従軍慰安婦の強制性を裏付ける米軍の報告書について詳細に報道しているんです。もちろん、見出しは、一応、「契約の下で雇用」となっていますが、その内容は、明らかに、強制性を裏付けるものとなっている。産経新聞がこの資料について報道したことは非常に意味が大きい。

 5月18日付同紙によると、この報告書は、ソウルで金銭と引き替えに徴募され、ビルマ(現ミャンマー)北部の慰安所で、日本軍将兵を相手にさせられていた朝鮮人女性20人を監督していた日本人男性に対する尋問をもとに作成したもの。

 その報告書によると、慰安婦は、「移動と医療は軍から供与され、食料は慰安婦経営者が軍の支援を得て、購入していた」うえ、「慰安婦の女性がその家族に支払われた金額を利子付きで返済できるようになれば、朝鮮への無料の帰還の便宜を与えられ、自由の身になったとみなされることになっていた。だが、戦争の状況のために、このグループの女性はだれも帰国を許されなかった」というのだ。

 慰安婦が軍に勝手についていったのではなく、軍が慰安婦を運んだわけです。そして、帰国したくてもさせなかった。本来自由になった彼女たちは、性行為を提供する必要はなかったが、帰国できなかった間も、当然、その行為を拒む自由はなかったはずだ。ここには明確に意思に反した性行為、つまり、レイプがあったということになる。

 これを裏付けるような記載もある。「個々の慰安婦はその総売上の50%を受け取」る一方、「経営者たちは、衣類、日常必需品、さらにはぜいたく品を法外な値段で慰安婦に売り付け、利益をあげていた」うえ、「この日本人が経営した慰安所では女性1人の2ヶ月の総売り上げは最大1500円、最小300円だった。個々の女性は経営者に毎月、最低150円は支払わねばならなかった」というのだ。
 
 とすると、売り上げ最大の女性の1ヶ月の取り分は1500÷2か月÷2-150=225円、最小の女性の取り分は300÷2か月÷2-150=-75円となる。最大で月に225円の儲け、最小では月に75円の赤字…。

 つまり、彼女らは、儲けもなく、奴隷のように「働かされていた」のであり、例え、形式的には自由の身になっても従軍状態から解放されない以上、毎月の最低の「滞在費」150円を支う必要があったが、上記の状況では蓄えもないため、その「滞在費」を支払うことができず、必然的に、身を差しだし続けるほかなかった。軍はその実態を知ったうえで、組織的に彼女たちを移動させていたのである。これをもって、軍の強制がなかったというのは、よっぽど頭がおかしい人だろう。

 よくやった産経新聞、見直したよ。このうえは、表向きのマッチョ姿勢を投げ捨て、堂々と、慰安婦問題できちんと謝罪するよう政府に迫ってはいかがだろうか。

 ※なお、産経新聞のこの記事についての真の意図がいかなるものかは、わきまえているつもりですので、そんなふうには読めないだろうという突っ込みはしないでね(笑)。それにしても、「自由の身になれるという仕組みも存在した」っていっても、それが利用できないのでは何の意味もないだろう!あんたの子がそんな目に遭ったら、日本軍に責任があるって訴えないのか!訴えるだろうが!例えば、いま、従米軍慰安婦としてイラクにやったら、自由になれる時期になっても自由になれず、しまいなゃ、一緒に自決しろって、殺されたら、いくら、イラクにやるときに金銭のやりとりがあったとしても、少なくとも約束が違うって訴えるだろうが!











★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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