情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

韓国は、日本の人権状況のはるか先を走っている~システムから変えることの大切さ

2008-04-11 06:53:37 | メディア(知るための手段のあり方)
 中央日報によると、いま、韓国では、京畿道高陽市一山(キョンギド・コヤンシ・イルサン)で発生した児童誘拐未遂事件の現場検証が行なわれた際、容疑者がマスクと帽子姿で登場したことをめぐって、被疑者について匿名で発表する問題に関する議論がインターネット上で白熱しているという(※1※2※3)。

 ネットユーザーらは、【帽子をかぶりマスクをかけたまま、名前も匿名で報道されている容疑者らを「じっとして見ていられない」と抗議】しており、【ポータルサイト「ダウム」の「イッシュー・請願のルーム」というディベートルームでは、「殺害、児童・女性を対象とした性的暴行関連犯罪者の顔を公開せよ」というタイトルのもと署名運動が展開されている】という。

 しかし、 【検察・警察・人権委員会の立場は「ネット上の世論」とはやや離れて】おり、【検察庁・警察署のロビーには「被疑者・参考人を許可なく撮影する場合、民事・刑事上の責任を負う」と警告する文がはってある】という。【警察庁・人権保護係の関係者は「憲法に明記された通り、被疑者でも『裁判所で刑が確定するまでは無罪と見なす』という、無罪推定の原則に従うべき」と話している 】らしい。

 人権委員会の【ユク・ソンチョル事務官は「市民が犯罪者について憤怒するのは理解できるが、犯罪に適切な罰を与えることと、大恥をかかせて人格権を侵害するのは別問題」とコメント。ユク事務官は「顔・身元情報を公開しなかったり重刑を言い渡さないために凶悪犯が増える、という論理については、冷静に考えてみる必要がある」と】話しているらしい。

 まさに正論だ。無罪推定の立場からは、有罪判決が出るまでは匿名で報道するのは当然ともいえる(権力者による権力濫用型犯罪はまた別に考えるべきだが…)。

 もちろん、このような方針に対し、反発の声も上がっているという。

【警察と人権委員会のこうした立場に「納得しがたい」という反応も手強い。人権先進国の日本と米国などでは、刑が確定済みでない状況でもマスコミを通じ、凶悪犯の顔・身元情報が公開されているのに、なぜ韓国だけ唯一犯罪者の顔を保護するのか、ということだ 】

 日米が人権先進国だなんて誤解も甚だしい。少なくとも日本より韓国の方がシステムとしてははるかに進んでいる。人権委員会、取り調べの可視化(録画)、放送に関する独立行政委員会、消費者庁…。いつの間にか、日本は韓国に追い抜かされてしまった。

 匿名発表問題もいまは、まだ、過渡期だから、感情論で反発する人もいるだろうが、いずれ、その意義が理解されるとともに、下らぬ犯罪報道が陰を潜め、もっと興味深い、権力犯罪に関する調査報道などが増えてくるだろう。そうなれば、社会のありようは変わってくるはずだ。

 韓国の皆さん、日本をまねするのではなく、日本をまねさせるようなシステムを維持し、発展させてください。

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※1:http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=98488&servcode=400§code=400

※2:http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=98489&servcode=400§code=400

※3:http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=98490&servcode=400§code=400












★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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