広島高裁は【死刑の選択を回避するに足りる特に酌量すべき事情の有無を検討するに当たり、被告人が本件各犯行をどのように受け止め、本件各犯行とどのように向き合い、自己のした行為についてどのように考えているのかということは、極めて重要である】という。
極めて重要なのは、やはり犯罪に至った原因ではないだろうか。
【(ア)被告人には前科はもとより見るべき非行歴もない。幼少期に、実父から暴力を振るわれる実母をかばおうとしたり、祖母が寝たきりになり介護が必要な状態になると排泄(はいせつ)の始末を手伝うなど、心優しい面もある。
(イ)被告人は幼少期より実父から暴力を受けたり、実父の実母に対する暴力を目の当たりにしてきたほか、中学時代に実母が自殺するなど、生育環境には同情すべきものがある。また、実父が年若い女性と再婚し、本件の約3カ月前には異母弟が生まれるなど、これら幼少期からの環境が被告人の人格形成や健全な精神の発達に影響を与えた面があることも否定できない。もっとも、経済的に問題のない家庭に育ち、高校教育も受けたのであるから、生育環境が特に劣悪であったとはいえない。
(ウ)被告人は犯行当時18歳と30日の少年であった。少年法51条は犯行時18歳未満の少年の行為については死刑を科さないものとしており、被告人が犯行時18歳になって間もない少年であったことは量刑上十分に考慮すべきである。また、被告人は高校を卒業しており、知的能力には問題がないものの、精神的成熟度は低い。】
これが判決が認定した犯行に至る彼の経歴である。
【もっとも、経済的に問題のない家庭に育ち、高校教育も受けたのであるから、生育環境が特に劣悪であったとはいえない】で済むようなことだろうか…。
家庭内暴力、母親の自殺、父親の再婚、異母弟の出産…。
この経過が彼の犯行に与えた影響は小さくはない。
私は、そのような環境で育つことを想像したとき、絶望的な気持ちになる。
繰り返していることだが、なぜ、犯罪を犯したのか、それに真剣に向き合い、その原因を少しでも改善することを追及するべきだと思う。
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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極めて重要なのは、やはり犯罪に至った原因ではないだろうか。
【(ア)被告人には前科はもとより見るべき非行歴もない。幼少期に、実父から暴力を振るわれる実母をかばおうとしたり、祖母が寝たきりになり介護が必要な状態になると排泄(はいせつ)の始末を手伝うなど、心優しい面もある。
(イ)被告人は幼少期より実父から暴力を受けたり、実父の実母に対する暴力を目の当たりにしてきたほか、中学時代に実母が自殺するなど、生育環境には同情すべきものがある。また、実父が年若い女性と再婚し、本件の約3カ月前には異母弟が生まれるなど、これら幼少期からの環境が被告人の人格形成や健全な精神の発達に影響を与えた面があることも否定できない。もっとも、経済的に問題のない家庭に育ち、高校教育も受けたのであるから、生育環境が特に劣悪であったとはいえない。
(ウ)被告人は犯行当時18歳と30日の少年であった。少年法51条は犯行時18歳未満の少年の行為については死刑を科さないものとしており、被告人が犯行時18歳になって間もない少年であったことは量刑上十分に考慮すべきである。また、被告人は高校を卒業しており、知的能力には問題がないものの、精神的成熟度は低い。】
これが判決が認定した犯行に至る彼の経歴である。
【もっとも、経済的に問題のない家庭に育ち、高校教育も受けたのであるから、生育環境が特に劣悪であったとはいえない】で済むようなことだろうか…。
家庭内暴力、母親の自殺、父親の再婚、異母弟の出産…。
この経過が彼の犯行に与えた影響は小さくはない。
私は、そのような環境で育つことを想像したとき、絶望的な気持ちになる。
繰り返していることだが、なぜ、犯罪を犯したのか、それに真剣に向き合い、その原因を少しでも改善することを追及するべきだと思う。
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
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