先日独身の 生徒さんが家を買いました!と連絡がありました。ピアノを弾ける環境を整えたいとのことで、実家のアコースティック ピアノを 引き取って置けるようにするということです。
いわゆるピアノというのは、♪グランドピアノ→♪アップライト ピアノ→♪ハイブリッド ピアノ→ ♪電子ピアノがありますが、ピアノの先生のところにあるのはおそらく グランドピアノでしょう。私の生徒さんは全員 アコースティックピアノをお持ちですが、電子ピアノの生徒さんがいる方 は、いろいろ工夫がいると思います。
よくピアノと電子ピアノの違いはタッチのことを気にされてる方が多いですが、鍵盤の重い軽い は、♪ハイブリッド ピアノで弾く場合 あまり感じません。それは アコースティックピアノと同じ木の鍵盤を使っているからだと思います。
一昔前では電子ピアノは 鍵盤が軽くてパカパカするという感じでしたが、 ♪ハイブリッド ピアノが開発され木の鍵盤でハンマーも入って、アコーステックピアノに近い使用感で技術革新は進んでいると思います。♪電子ピアノは複雑なハンマーアクションも響板も無く、鍵盤を押すとその動きをセンサーが感知し、デジタルで録音されたピアノの音をアンプで増幅しスピーカーから音を出し音の強弱をだしています。鍵盤は樹脂なのでお安いものはパカパカ軽い感じもあると思います。
ただし、♪ハイブリットピアノも、♪電子ピアノも弦がないのです。
そこが問題なのです。
弦の震え、共鳴、そこからなる音の響き!
これがないのです。
ピアノのレッスンで一番重視してるのは音の響きです。
人によって音の響きが違います。例えば コンクールで同じピアノで同じ学年で同じ曲を弾いても出てくる音色は違います。左右の手、各指にも違いがあります。
電子ピアノ、 ハイブリッド ピアノは録音されたサンプリングの音をスピーカーを通して発しています。初めから これが自分の音だと勘違いして始まるわけです。♪グランドピアノが大きくてコンパクトにするため弦を縦に折り曲げたのが♪アップライトピアノ、(グランドピアノは水平に張っているので表現が豊か)ですが、表現力の違いは生徒さんも感じるほどあります。なので電子ピアノで一週間練習しても先生のグランドピアノを弾くには3つのハードル(♪ハイブリットピアノ→♪アップライトピアノ→♪グランドピアノ)を越えなくてはいけないので大変です。あれ?家では弾けてたのに!となるのです。それは辛い。
今年に入って、相次いで中高生がハイブリットピアノをセカンドピアノとして購入しましたが、感想を聞くと、先生の言う、硬い、柔らかいの表現がわからないような気がすると言っていました。ハイブリットピアノでそこまで表現できるのはトップピアニストでなくては無理でしょう。電子ピアノやハイブリットピアノを弾いている赤松林太郎氏や角野隼斗氏のような演奏を聴いて自分もできると思わないようにと言ったら、さすが私の生徒わかっていますと。(CMに出ているので素人ができると思ってしまう)
私は、幼少期電子ピアノでピアノを初め、今でも毎日ハイブリットピアノを弾いています
なので違いは分かっています。
生ピアノは重いし、場所を取ります。音も大きい。
ヤマハグランドⅭ3を入れるとき玄関が回転できなかったし廊下のドアを外しました。ヤマハグランドG2を入れるとき壁を壊して入口を作りました。そしてグランドピアノ3台になった時点で家が増えました。
ピアノってミニマリストから見たら本当にお荷物なのかもしれませんが、いろいろな自分の気持ちと思いが詰まる宝物です。今でも、家にアップライトピアノがきたこと、大学に入ってグランドピアノを買ってもらったうれしさを覚えています。ピアノの前に座ると喜びと緊張が一緒になって、こんな不思議な気持は他では味わえないな?と感じます。きっと私の生徒さんたちも同じ気持ちだと思います。
こう書くと、ハイブリットピアノはなぜ弾くの?と思われるのでまた、ハイブリットについてはいつか語ります。