智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

愛の形

2009年09月11日 | 日記
愛には、様々な形がある。


前の夫は、大学の友人から自然と付き合うに至った。

彼はいつも手を繋ぎたがった。

小春日和のような、内気でおとなしい人であった。

出会ってから、20年という月日、生活を共にした。


今の夫は、仕事仲間であったが、仕事上ではいつも激しく議論(喧嘩)した相手。

久しぶりに会って、初めて二人で食事をした。

その時に、私は、「この人なんだ」と確信できた。

彼は、めったに手を握らないが、そのときは、「オマエはオレの女」

と力をこめて絡めた指が、そう言ってくる。

彼は、怒るべきときに怒ることができる。

だから私は、安心して、「女」でいられる。

彼は、夫であり、亡くなった父の面影であり、兄であり、息子のよう。

私の中に隠れていた、男女の愛、母性の慈愛を引き出してくれた。


この人にそっくりな男の子を、産んでみたい。

この人と一緒のお墓に入りたい。

この人と同じ姓を名乗る

こんな平凡なことに、静かな喜びを感じる。


これまでの苦難は、彼に出会うためにあったのだ、と思えます。