智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

原発事故 一市民の奮闘記

2011年03月22日 | 日記
3月11日金曜日、午後3時前、大地震が襲った。

相次いで、津波、原発事故、、、、

人災であり、後々まで影響を与える放射能汚染への恐怖から、テレビ、新聞、ネットを隅々目を通した。


3月16日水曜日、

自衛隊のヘリコプターが高濃度の放射線に阻まれて、空からの注水を断念、

機動隊の群衆対策の放水車を導入、結局、水は届かなかった。

自衛隊、機動隊、消防ハイパーレスキューが必死の作業している様子は伝わった。


ふと、東京スカイツリーが頭に浮かび、建設業の重機が、現場に並んでいないことが気になった。

夕食時、造園業の夫に、

超大型クレーン車の導入、

超高層ビル用コンクリート注入車の水転用


というアイデアを伝えたら、

「この非常時に、すべての国民が知恵を出すことは、いいことだ」

と珍しく、褒めてくれた。


翌朝、朝早く夫を見送り、どうしても気になった。


放射能への恐怖、差し迫る時間へのプレッシャー下で、

電力、政府は、公機関内での発想に狭まれて、民間に相談する、

なんて考えが浮かんでいないのでは、、、、


8時半に、

東京電力の本社に電話して、代表の受付嬢に趣旨を話したら、担当部署に繋いでくれた。

緊張した男性の声が、聞こえた。

上記アイデアを伝えたところ、「社内で皆で、知恵を出し合っていた、建設業にはまだ相談していない」と答える。

それで私は、「建物も施設も健全なら、メーカーの東芝の協力で足りるかもしれないが、破壊された非常時では、

水という物質を、下から上へ、左か右か、と運ぶには、建設業の重機と技術が役に立つ


と重ねて申し上げたところ、

「対策本部に伝える」と言ってくれた。


そういえば、建設業側の考えも聞かねば、と思いつき、大林組本社に電話を入れた。

受付嬢から広報部、対策担当の男性が応答した。

政府、電力から物資輸送の協力要請は来ているが、原発自体からはない。」

「クレーン車の導入は、我々も考えたが、施設に近づき、被曝が怖くて行きたがらない
」など伺った。

そこで

クレーンも一台なら近づかないと吊れないが、3台で3点吊り、という手法なら距離が稼げる。造園技術である」
相手が、はっとした声で「三点吊りなら、離れてできる」

「高層ビルのコンクリート注入車で水は可能か?」

「できる」「社に対策本部が設置されているが、伝える」と言ってくれた。

私は「東京スカイツリーを始め、日本の建設業には世界に誇る技術がある、それを、活かしてほしい、提案してほしい」

と熱弁したところ「ありがとうございます」と高揚した声で答えてくれた。


さらに、政府機関へ、と考え、

都庁電話したら、それなら経済産業省へ、と紹介してくれて、掛け直したら、原子力エネルギー庁に回してくれた。

やはり、緊張した男性の声がした。

一通り説明し、大林組での会話も伝えたところ、

「建設業に、まだ協力要請していない」しかし「本部に、伝える。」と言ってくれた。


東京電力も、経産省も、大林組も、皆、真摯に対応してくださった。

が、、顔が見えないので、本当に伝わったか分からないので、

ここまでくれば、警視庁、消防庁にも電話してみた。

しかし朝1番は連絡付いたが、昼は、どこも繋がらず、夜に連絡してみた。

最後に、NHKと朝日新聞にメールを送り、政府の質疑応答の時に、民間の協力要請を求める旨伝えた。


ここまでやったら、十分。と納得した。



金曜日、夜9時のNHKニュース、冒頭原発ニュースの最後、30秒に、

「本日は、新しい重機が導入されました。高層ビル建設用、コンクリート注入車で、、、、」

とドイツ製で、60mまで伸び、屈折箇所がいくつもあり、ポイントで注水できる特徴が解説された。

主人と私で顔を見合わせた。

私は、うれしくて、うふふふ、と笑い続けた。



その後、音沙汰なしだったので、役に立たなかったのかな、、、と案じたが、

今朝のニュースと新聞で、政府は数台調達し、東京電力がオペレートする旨が報道された。

もちろん、誰か、私と同じことを考えた人がいたかもしれない。

でも、当時のニュースを隅々読んでも、切羽詰まった状態で、もしかしたら、、、

と思い切って行動して(電話して)、良かった、と思う。


一市民として、お役に立てたことが、うれしい。

















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