個人的に例えば、開発投資色が強いアジアインフラ銀行(AIIB)と、経済支援色が強いアジア開発銀行(ADB)は元来競合する物では無いと思っているので、日本の一帯一路への参加に拒否感は全く無いんだが、しかし、中国はどうも、それを軍事覇権に利用してる帰来が有るから警戒してるんです。
例えばインドのモディ首相が中国の台頭を懸念し、Act east Policy と称した政策で、ASEANとの繋がりを強化しようとしてますよね。その前提の一つがインドを取り囲む中国の海軍基地ネットワーク「真珠の首飾り」ですよね。
「真珠の首飾り」は南シナ海、マラッカ海峡、インド洋、ペルシャ湾までの港と空港へのアクセスを増加させる為の中国の戦略。それを受けてインドやオーストラリア、などの必ずしも利害を逸する国々は、中国による軍事を含んだ特殊な外交関係の構築と、近代化した戦力投射の拡大、プレゼンスの向上だと懸念を呈している。
インドが懸念してるのは、パキスタンのグワダール港、スリランカのハンバントタ港、バングラディシュのチッタゴン港、ミャンマーのシットウェ港など、インド洋進出の為の港湾整備に中国が支援を行い、そこへの中国海軍の立ち寄りが確認されてる事。オーストラリアが懸念するバヌアツの件も機序は同じでしょう。
更に言えば、日本の直接的驚異として考えられるのは、台湾・尖閣が視野に入る東風型弾道ミサイルの配備。今後実戦配備される001A型空母、075型強襲揚陸艦、更に海軍陸戦隊の独立・増強。空母打撃群は上陸作戦に必須の存在です。
更に003型は原子力空母を想定してるとされ、094A型は原子力潜水艦を想定されてると言われてる。警戒しないで済む理由が全く見当たらない。
日本特有の嫌中ナショナリズムに囚われて過度に驚異を煽るのは間違いだと思うが、エコノミーに囚われ過度に驚異を矮小化するのも違いでしょう。
軍事的警戒が先にあるから、良好な外交関係が築けるのだと、努々忘れない事です。