1972年の変動相場制移行から、ケインズ政策の力は著しく減殺されました。
ケインズ政策が威力を発揮するには、固定相場制、かつ国境を超えるのはモノの輸出入だけ。 これが条件です つまり、現行の変動相場制、かつお金や労働力が国境を越える体制は前提になっていません。
公共事業で景気をよくしても、変動相場制では為替が高くなり、景気の足を引っ張ります。 1970年以降、日本の財政赤字が急激に悪化した主因です。
また、外国の安い労働力が入ってくると、賃金は上がらず失業率も改善しにくくなります。 だから、国内労働者は賃金を消費に回さず貯蓄する可能性が高いですし、外国の出稼ぎ労働者は母国に送金してしまうので、国内の景気浮揚には全く役に立ちません。
そこで有効だといわれるのが金融政策、なかでもリーマンショック後、アメリカが真っ先に実行した量的緩和です。 中央銀行にバンバン紙幣を刷らせるやつです。 今のところ、ケインズ政策よりは即効性がありそうです(ただし、長くは続かないと思います)。
量的緩和を日本のマスコミはよく非伝統的政策とよく呼びますが、むしろ昭和初期まではこちらの方が伝統的です。 これがタブーになったのは、戦争につながった(近隣窮乏化策)、というトラウマがあるからです。
とりあえず、現体制を前提に景気を良くするには、今述べた量的緩和と、生産性の向上が有効です。
否、生産性の向上こそ、あらゆる条件下で景気を良くする唯一の方法です。 変動も固定も、金融自由化も非自由化も関係ありません。 現代の豊かな社会を作ったもっとも大きな原動力です。 安倍内閣三本目の矢も生産性向上を目的としています。
今日も読了ありがとうございました。 おやすみなさい。
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