さらに、金を返せず、焼身自殺未遂に終わった従業員もいる。 『次にやる時はレギュラーじゃなく、ハイオクをかぶって確実に死ね』。 事件の次の日、社員たちにこう訓示を垂れたそうである。 社長に嫌気がさし、直後に退社した知り合いの現場監督が言っていた。
以前、社長と親睦会で話した時、『ばれれば塀の向こうに落ちる危ない橋を渡って会社をデカクした。若い時は男芸者のサービスもした。身体をはってるのだから、おいしい仕事をいただいて当然だろう』。 酒によって饒舌だった。
金のためなら何でもやる人間は、確実に存在する。 大金を生む情報を、指をくわえて大人しくしているはずがない。 隠せば隠すほど、堅気には真似できない方法で入手してくる。 そして、アウトローがまともな業者を支配する暗闇が広がりつつある。
予定価格の事前公表は業界を確実に浄化したが、再非公表でもっとひどい腐敗に逆戻りしている。 現場の実態を知らない者たちが、机上のルールを作っているからである。 もちろん、重要情報の秘匿は、役所や政治家にとっても打ち出の小槌だった。
5年ほど前になるが、元市会議員が語ってくれた。 『議長になれば、重要情報は何でも分かった。役人がすぐ報告に来るからな。もちろん、市発注工事の秘匿情報もあった』。 予定価格はもちろん、材料費や労務費の単価、数量までも議長には知らされていたという(当時は予定価格等すべて非公表だった)。
議長は子飼いの議員たちに情報を流し(もちろん有料)、議員たちは一部の業者に流す(こちらはもっと高い)。 そして、一部の業者が業界を仕切ってきた。 談合の調停、だれがどの仕事を取るか、政治献金の各社負担額、選挙時の人手だしなどなど。
今日も読了ありがとうございました。 おやすみなさい。
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