永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

主に建設業の話題を書きたい。
私自身建設会社の社長だったので、
業者贔屓の発言も大目に見てください。

談合(カルテル)ブレーンストーミング(その12)

2012-06-16 | 談合
人、モノよりはるかに足の速いお金が、自由に国境を超え、お金を買うようになるとどうなるか。

結論を一言でいえば、『バブル(インフレ)と貧血(デフレ)のまだら模様』である。

お金でモノを買うのは、主にモノの使用価値がほしいからである。しかし、お金自体に使用価値はない。あくまでも、投機による利益を得るために買う。
だから、投機的利益を得やすいところ(新興国やインフレ地域など)には、マネーがどっと流れ込む。一方、うま味の少ない、あるいは成長性の低いところからは、ますますマネーが流出していく。
このとき、人やモノもマネーと同じスピードで貧血地域からバブル地域に移動すれば、問題はない。どちらの地域でも需要と供給が一致する。だから、インフレにもデフレにもならない。

しかし、出来ない。マネーが流入する地域でお金は激増しても、人やモノはそう増えない。インフレになり、投機が投機をあおりバブルになる。マネーが流出する地域では、モノを買うためのお金も少なくなってしまう。人やモノはだぶつきデフレになる。そして、世界経済は『バブルと貧血のまだら模様』になる。

金融自由化前であれば、行政当局が無理やりマネーを貧血地域に縛り付けていたからデフレは悪化しにくかった。しかし、いまはできない。
借金だらけで、将来の成長も望み薄な超高齢化社会の日本からマネーが流出し、デフレ経済になるもの当然である。この点では、実体経済の構造改革を要求する日銀の白川総裁の論理は正しい。しかし、論理的に正しいことと、社会的、道義的、現実的に正しいことは異なる。 

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