連日あちこちの地裁で、衆院選の違憲、無効判決が相次いでいる。 一票の格差が憲法違反なのだそうだ。 立法の怠慢を糾弾する声も多い。 たしかにその通りだと思うが、私の見方は180度違う。
一票の格差を無くすために選挙区(定員)を変えるのではなく、格差が合憲になるように憲法を改正すればいい。 その意味で、憲法改正をしなかった立法府は怠慢であった。
まったく解せないのは、地方紙まで判決を支持していることだ。 今の一票の格差こそが、地方と中央との権力格差、経済格差を是正する最大の武器なのに(官報メディアだからしょうがないか)。
そもそも戦後60年以上、一度も改憲していないことの方が異常なのだ。 こんな国は日本だけで、同じ敗戦国のドイツでも戦後10回近く憲法を改正している。
ただ、将来的に格差はなくされていくだろうな。 そして、一票の格差の是正⇒地方交付税均等の削減⇒地方経済の疲弊⇒首都圏への人口集中⇒またまた一票の格差発生⇒一票の格差の是正⇒地方交付税均等の削減⇒。という循環で累積的に首都圏への人口集中が進んでいくだろう。
平時の経済効率だけを考えれば、首都圏への一極集中は理にかなっている。 しかし、戦時の防御力、継戦能力を考えれば、自殺行為に等しい。
東京大学法学部の権威を守るために、現実と不適合を起こしている憲法と法律を守り、国を滅ぼすのか。