大塚でつぶやく

北大塚にある、とあるおでん屋で働く夫を観察する妻のブログです。立ち上げは夫だったはず・・・・ですが・・・

山がまだらになる季節

2007-04-23 00:26:22 | いきものよもやま話

高校時代、すごい山中の田舎から通っていた女の子がいた。
私たちは自然を愛でるという点でとても仲良くなり、その繊細な感性と
彼女自身の純真無垢さに憧れすら抱いた。

彼女がこの季節をさしてこういった。「山がまだらになる季節だねぇ」 
当時、こういって直ぐ伝わるひとはお互い皆無だったし、私はいまだに出会っていない。

つまり、こういうことなんです。(境港駅付近より写す)


出稼ぎ!

2007-04-20 15:28:47 | いきものよもやま話

ある日、一通のメールが入った。

「ヘーーーールプ!もう仕事が忙しくてデータ入力とか書類整理とか銀行とか手が回らないの秘書求む! あっ、掃除してごはんつくってくれたら日給あげるーーーー!」

・・・・またかよ。

そりゃ秘書って言う名前の家政婦でしょうよぅ。
姉は先月引越したばかりであるが、フルタイムで働いている上に仕事量が瞬間的に激増し、娘(私の姪)は小学校に進学して学校とのやりとりやお弁当などでパンパンらしい。店長に相談すると「まあ、お姉さんのピンチだから・・・」と優しくこころよく承諾してくれたが、「日給くれるって!」と慰めのつもりでいったとたん
「何、キミ、それはすぐ行きなさい。
できるだけ長く、しっかりお手伝いしてくるんだよ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんなわけで、またまた境港に行ってたりする。

だけどあまり働いていない。
午前中金融機関めぐりをしたが午後は散歩ばかりして、ネットで遊んで、まったりしている。

人口密度の低さ、朝夜の静寂がうれしい。選挙カーの密集地南大塚駅前となんという違いか。空はツバメの声が満ちている。お隣で巣づくり中のペアは、庭の物干し竿がソング・ポストなのか奥さんがそばで草むしりしていても動じない。
弓ヶ浜半島に近く見える山地は主に広葉樹に覆われているらしく、さまざまな展葉の色をまとって山がまだらにみえる。アラカシやコナラなどのどんぐり系の樹々の、柔らかい銀毛をまとったオリーブ色の新葉がひるがえっている。楠の新芽はみずみずしい光沢をもって目にまぶしい。
田に巨大なタガラシが、畑にヒメオドリコソウやカラスノエンドウが咲いている。
いまは花風と初夏の風の中間。鳥取でも、やはり緯度の低い西は日差しが強い。

ぶはーーーーーーっっっ!

これで夜はまた美味しいお酒飲めるしひょひょひょひょ(食費は姉夫婦にたかっている) ←侵略的外来生物として認定間近か

・・・・・・結局自分が息抜きに来ただけぢゃんっ!
はい、そうですがそれがなにか?
お義兄さま、お姉さま、おじょうちゃま、よろしくね~


ユキヤナギ

2006-12-29 18:25:42 | いきものよもやま話

どうしよう。

今月初め、おでん屋の隣の花屋さんに美しい紅葉がひとむら、出ていた。
家に飾りたいな、でも落ち葉が大変だし、それにしてもどこかで見た植物だけどなんだったろう・・・?と逡巡の末に、12月もなかばになって購入した。
それが、上の写真。
紅葉が散って、さぁ、そろそろ捨てて週末のパーティのためにも新しいものを用意するかなと思ったのだが、心なしか、芽がふくらんでいる。

「・・・・?」

よく見ると、あっ、この姿はユキヤナギか!
捨てるのも不憫になり、どこまでいくか楽しみになったので放置。すると、葉を落とした枝はゆっくり、花芽を満々とたたえ、開花は年末になって速度を増した。で、下の写真のような満開に至った。
それのみならず、今度は新しい葉まで出ている。

植物って、どうなっているんだろう?
根からの供給は一切無い。水に栄養剤も溶かしていないから、茎からのミネラル補給も不可能だ。光合成をする葉がついてないのだから、糖を生産する「稼ぎ手」も不在なわけだ。なのにこの、枝の中に溜めたエネルギーだけで、これだけの花芽を作り、花を咲かせ、さらにまた新しい葉を作り出すとは!

枯れかけたり中折れした樹木がよく、「ばか芽」といって存在自体これ生産(同化)器官のかたまりといった若芽をさかんに出すことがあるが、そう考えると非同化器官(枝、幹、花、緑でない部分)の持っているストックはかなり大きく、他の部分が腐っても枯れても少々大丈夫な仕組みでエネルギーの融通をきかせているのだろう。

以上のこういう薀蓄を聞いて店長は、毎朝のようにユキヤナギに光を当てている。葉に、「がんばれよ~」と声をかけている。

でも、この葉で光合成をした栄養分は幹や枝を通して根元の水に出て行ってしまう。切断された足や腕を放置しているようなものだ。これ、土に挿してやったら根が出るんだろうか・・・・?

そういうわけで、年の瀬に華やかな花や門松やらを飾りたいのに、ほとんど実験心でこのユキヤナギを見守っている。


放浪癖のある女

2006-10-10 13:41:51 | いきものよもやま話

学生時代は広島に住んでいたのだが、いつも友人や家族からかかった電話に出るとまず開口一番

「いまどこ?」

と聞かれるのが常だった。

自分ではそんなつもりはなかったのだが、住所不定と疑われるほどに移動が多かったらしい。ちゃんと呉と広島に住所があったのにね。
仕事に就いてしばらくは、内勤が多かったのでちゃんと家にいた(いや、正しくは会社にいた)のだが、近頃やはり「いまどこ?」が復活してきた。

先週は神奈川は丹沢山麓で植物相の調査に同行していた。山中ゆえ電波が通じず、一部のひとには行方不明になったかと思われた。この現場は今年受けた仕事で一番ハードだったかもしれない。道なき道を踏み分け、標高差数百メートルを一気に登りまた下り、また登り、を一日中繰り返す。沢を数百メートル詰め、足を滑らせて膝を強打する。ほぼ垂直な崖をわずかな足場に手をかけながら登ったときは、あの「火の鳥」黎明編のタケル兄さんの葛藤シーンが頭をよぎりました。

そして週末は巣鴨「もん家」のスタッフさんと常連さん総勢11人で伊東温泉に一泊旅行。前日までの風雨が嘘のような好天に恵まれて、すばらしい風景を堪能しました!

写真は伊豆バイオパークで。みんながパターゴルフをするというのにひとりはずれて遊園地でちょっと「スタンド・バイ・ミー」してみました。そのときそばにつきあってくれたもりもりさん、ありがとぅ!!

で、明日は渡良瀬遊水池(栃木と群馬の境あたりにある)でヨシ原の現地調査です。
夏はひとつき軽井沢に行ってたし。たしかに「いまどこ?」という挨拶をうけてもしかたないのかも。

あ、ちなみに神奈川のおみやげ丹沢山純米吟醸と、純米大吟醸「吟の華」と、伊東のおみやげ若竹純米吟醸、おでん屋に入荷してます。(なんだか巣鴨周辺のどなたかのようになってきたなー。)

余談ですが、私は大抵、仕事でこれらの地へ行っています。仕事ですから、酒屋でお酒を吟味する時間なんかあまりないのですよ。仕事の性格上、大抵、人里をはなれているので、酒蔵はおろか酒屋もない場合が多いのです。だから「○○?美味しいお酒発掘してきて!!」という

無理はあまりいわんといてください。


かしわ餅の分布について

2006-05-22 16:20:13 | いきものよもやま話

友人の結婚式で広島に帰った。

おみやげは白鴻特別純米、白鴻純米吟醸雄町、龍勢大吟醸・・・・おっと脱線、これらはなじみのお店たちに配られることでしょう。

そして、おまけのおみやげが写真のコレ。西日本人いうところの「かしわ餅」
祖母は「しば餅」と言ったりするが、どうみても「カシワ」の葉ではない。
正式和名サルトリイバラSmilax china L.、主に暖地の山野に分布する、ユリ科のつる性半低木である。およそブナ科のカシワQuercus dentataとは縁の遠い植物で、なぜこれが同じ名前で代用されるのかいまだ持って先人の知恵が不可解であるが、食べ比べると確かにそっくりな香りがするから驚きだ。

東京生まれ東京育ちのとある研究室の当時助手だった先生が「広島に来たらかしわ餅ってかしわの葉じゃないんだよねぇ!」とひどく感動していたことから話は始まった。おおまかに、カシワの葉でつくるのは関東、関西以西ではサルトリイバラが用いられるという。
もうすこし突き詰めれば、どこにその文化的境界はあるのか。大雑把に言えばそれらの植物の手に入り易さで決まるといえる。しかし祖母は広島でも北のほうの出で、さがせば本当の「カシワ」は生育していただろうがもともとアカマツ林文化に育ってカシワに接する機会は少なかったのかもしれない。

その生態学系のいくつかの研究室には色々な地方出身者がおり、聞き込みを続けて以下まではわかった。

四国・・・・サルトリイバラ
山口・・・サルトリイバラ
広島・・・サルトリイバラ
三重・・・サルトリイバラ
兵庫・・・・サルトリイバラ
東京・・・カシワ
仙台・・・・当然カシワ(というより、サルトリイバラをみつけるほうが珍しいという)
山形・・・同じくカシワ

んっ?東海地方が抜けているぞ?(←名古屋出身者は「知らない」といったしほかの県出身者は少ないし)
境界は関が原説、糸魚川構造体説が飛んだがそののちの検証はなされていない。

が、先日有力な情報を得た。
岐阜は瑞浪市にある始禄・小左衛門さんが東京にいらっしゃったのだ。
これは、聞いてみるしかない!!

「カシワ餅の葉っぱはどうでしたか?」

お答え:「子供の頃から、当然、カシワの葉ですよ、あのふちがなみなみの

とりあえず箱根の関は超えてカシワ優勢。
次は鈴鹿山脈以西での検証例求む。同時に、日本海側からの証言が極端に少ないので情報求む。

もっと細かいことを言えば、関東でも伊豆諸島とか、房総半島とか、暖地ではどうなんでしょうね??

証言の有効性は一応30台以上の方を対象とさせていただきます。自分で葉っぱとりに行かされてつくるとこから立ち会った経験者優遇。(何が?)
近年は流通が良くなって、広島でも菓子処ではわざわざカシワの葉で売っていますが、こういう食文化をこそ伝えて欲しいと思うものなのです。


 


暇をもてあまし

2005-12-07 03:39:30 | いきものよもやま話
今日は暇だったのでやっとオンラインで利用できるようになった鳥獣関係統計資料をグラフにしてみた。しかしこれからでは、狩猟対象鳥獣の個体群動態は読み取れない。いったい、何をもとに狩猟の規制はきまっているのか、実はあまり定量的根拠はない。密度推定法も確立していなければ、放鳥の手法や効果も充分検討されているとは言えず、狩猟行政にあまりやる気が感じられない。

ハンターも減少しているし、食材として流通していない限りこれらの個体群はあまり表立った問題にならないのかもしれないにゃ。。。売れない研究になること必至。でも、、、、日本固有種や原産亜種が野生状態で管理も無く狩猟対象になっているってどうなんだ?誰も野生個体群を追跡しないのは何故だ?生息地管理手法を日本で真面目に検討しないのは何故だ?そんなことを6年も追っかけて結局成果は無しのまま。なんとも情けない実情である。

このブログ、全く違う人間がつぶやいていることにお気づきのかたもおられるかと思います。そう、おでん屋で、サーブする人と客が勝手にツブヤイテいるのです。あまりの統一性のなさにどうかなぁと思いつつ、本日いただいたもの。

お通し
ナマコの酢の物
ヒイカの醤油漬け(ゆずポン酢がきいてたような、、、)
鶏肉の蒸したもの春菊巻き
マグロの漬け生干しをあぶったもの(?)マヨネーズ添え

おでん
豚足→けっこう量が多くて、しっかり下味がついてて、なぜこれをおでんにするのかシェフの発想に首をかしげる。美味しいのですが、、。
おとうふ→岩海苔に万能ねぎがのった定番。

お酒
岩手 よえもん 特別純米→食中酒とも食前酒ともいえない繊細で軽妙な味でした。
鳥取 千代むすび純米吟醸新酒→新酒らしい、いろんな味や香りがざくっと立ったかんじでした。うーん、、、かなりぅわっと思いました。
泉川 純米吟醸新酒→酸が強く、にごり酒のような乳酸菌の香りがあり飲みやすかったです。
広島 美和桜→故郷のお酒。独特の香りと旨みがあり、お魚系と合う。食中酒に。

ジビエの季節

2005-11-29 16:34:39 | いきものよもやま話
澄明な空の下、風が名残の紅葉を散らす11月15日、狩猟が解禁となり所謂ジビエの季節が到来しました。
私の実家は曽祖父から四代続くハンターの家です。そして4人とも高校の教員です。ハンティングを趣味とする人は、教員が多いのですが、なぜだかわかりますか?

猟期は冬。高校の先生には冬休みってものがあるんですよね。つまり猟がしたくて高校教員を営々と選び続けている奴らなんです。父がキジ、ヤマドリ、コジュケイ、各種カモ類、ときにはウサギやタシギなどを持って帰っては廊下で解体したり、剥製を作ったりするのを見て育ったわけです。

子供の頃は、自分がそんな野生動物を普通に食べていることを怖くて友達にいえませんでした。大人になって、西洋人がこれら野生鳥獣を食べることを無上の喜びとしてきた歴史を知り、それがジビエなんて日本人にも重宝がられていると知ったときはかなりショックでした。

でも、、、、いい環境で美味しい木の実や、農家のこぼれ穀物を食べて育った鳥は、はっきりいって超美味しいんです。
カモは渡り鳥ですが、きれいな環境で美味しい水草や木の実を食べて冬を越すカモを食べたら、スーパーの中国産合鴨なんて、食べられません。

しかし、スポーツハンティングという趣味は、日本では滅びかけています。ハンターは年々高齢化し、減少する一途です。イノシシは関西を中心として流通に乗り、イノシシを専門とするわな猟師が増え、最近ではエゾジカもやっと駆除が供給として流通するようになったようですが、日本のキジ科やカモ類はまずお店に行って食べるのは無理です。ハンターは、どれだけお金を出しても苦労して得た獲物を売ったりはしません。だから国産ジビエが食べたかったらハンターと仲良くなりましょう!都会人にはほとんど無理な話ですが、、、。

ハンターが居なくなれば、自然は守られるか?答えはNOです。限定された大して効率の良くない猟具で獲物を狩る人は、何よりもその環境を敏感に知っています。開発や耕作放棄のほうが、よほど動物に与えるダメージは大きく、存在に気付かない無関心は、名も知られない植物がうっかりとつぶされるのと同じで、最悪の自然破壊です。

欧米の野生動物管理は、彼らが完膚なきまでに原生自然を破壊しつくして、それでも止まらぬ西洋人の狩猟欲求が再導入や放鳥野生化の技術を進歩させたのがもとです。最終的には、良好な生息地のために農地を健全に、森林を保護するのに莫大な投資がなされています。今は、純粋に生態系を健全に保つというエコロジー思想が定着しましたが、、、もともと自然保護は資源保護、自分達の獲物の住処を保全することが基本なんですよね。

日本は野生鳥獣に対する関心が、食べるって事にあまり繋がってない分、一部の自然愛好家に限定されちゃってるのが残念。地鶏だなんだって言ってるけど、どうして食べるための獣は飼われて無いとだめなんでしょうね?身近な野山に住んでいる動物って本当に美味しいって知ったら、きっと耕作放棄だ無駄な開発だっていうのも改善される大きな一石と思うんですが。

欧米で狩られたカモやキジを、日本のレストランが重宝がって輸入するって、ほんと、変な話だと思う、、、それが「文化」ってものの不思議さなんでしょうか。

ミシシッピアカミミガメを食べる?

2005-11-26 22:11:28 | いきものよもやま話
先日、全然紅葉前の六義園を散歩しました。
広大な池をこれでもかと埋め尽くすほどのカメがおり、田舎育ちの私は反射的にクサガメだと思っていたのですが、近づいて確認すればあにはからんや、全てミシシッピアカミミガメではありませんか!ゆうに20cm超えるのも、、。さすが東京!

外来生物法における特定外来生物ではないものの、要注意外来生物リストに記載、「IUCNの「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されているとともに、亜種ミシシッピアカミミガメが日本生態学会の「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されている。」(環境省)。「繁殖確認事例は少ない」って書いてあったけど、繁殖してなくてあんなにいるかー!?

と、驚いていたら傍らの氏が「食っちまうか」とつぶやいた。
エッ??今なんて言った??
その発想は職業柄なのかなぁと思い直しましたが、ん?待てよ、生態学の最大手MLに某大学の超有名教授がこのカメの料理法を教えてくださいというメールを流しておられましたな。それにマジスレが何件もあり、要は淡白な白身だからスッポンと同じか、淡白すぎるか臭みがあるようなら鍋よりは油分や香味を加えたほうがいいでしょうとか、中国では食べられている等、云々。

確かに、特に生物を専攻する人はどうしてもそうなりますよね、周りそんな人ばっかりです。。だけど。。。

裏メニューで登場しないことを祈って明日はカウンターにつこう。

勉強中。

2005-11-26 00:18:42 | いきものよもやま話
昨年失敗した生物分類技能検定植物部門2級の勉強を、また昨年と変わらず泥縄でつまり一夜漬けでやっている。
嫌がらせに近い問題が出る、正答がはっきりしない、実務にほとんど役に立たないと悪評の高いこの試験。環境省の入札資格になっている。

でも、遅まきながら勉強を始めるとちょっとハマります。
北大塚のおでん屋さんに行ってあしらいのシソの穂(花)を手に取り、シソ科に特徴的な四角い茎、総状花序、合弁唇形の花、4裂した子房。。とマイルーペで観察したあげくに解剖したところで料理長氏にツッコまれる。イネ科の花の構造についてお店に飾ってある稲穂をつまんでしゃべり始める。

ちなみに、稲の花ってイネ科の中では変り種なんじゃないか。
包穎が退化していて第2第3小花が第1小花の下にごく小さくくっついていておしべが6本もある。普通は二つの包穎が、いくつかの小花の下を大きく覆っていて、小花は同じ大きさです。ごめんなさい。