どうしよう。
今月初め、おでん屋の隣の花屋さんに美しい紅葉がひとむら、出ていた。
家に飾りたいな、でも落ち葉が大変だし、それにしてもどこかで見た植物だけどなんだったろう・・・?と逡巡の末に、12月もなかばになって購入した。
それが、上の写真。
紅葉が散って、さぁ、そろそろ捨てて週末のパーティのためにも新しいものを用意するかなと思ったのだが、心なしか、芽がふくらんでいる。
「・・・・?」
よく見ると、あっ、この姿はユキヤナギか!
捨てるのも不憫になり、どこまでいくか楽しみになったので放置。すると、葉を落とした枝はゆっくり、花芽を満々とたたえ、開花は年末になって速度を増した。で、下の写真のような満開に至った。
それのみならず、今度は新しい葉まで出ている。
植物って、どうなっているんだろう?
根からの供給は一切無い。水に栄養剤も溶かしていないから、茎からのミネラル補給も不可能だ。光合成をする葉がついてないのだから、糖を生産する「稼ぎ手」も不在なわけだ。なのにこの、枝の中に溜めたエネルギーだけで、これだけの花芽を作り、花を咲かせ、さらにまた新しい葉を作り出すとは!
枯れかけたり中折れした樹木がよく、「ばか芽」といって存在自体これ生産(同化)器官のかたまりといった若芽をさかんに出すことがあるが、そう考えると非同化器官(枝、幹、花、緑でない部分)の持っているストックはかなり大きく、他の部分が腐っても枯れても少々大丈夫な仕組みでエネルギーの融通をきかせているのだろう。
以上のこういう薀蓄を聞いて店長は、毎朝のようにユキヤナギに光を当てている。葉に、「がんばれよ~」と声をかけている。
でも、この葉で光合成をした栄養分は幹や枝を通して根元の水に出て行ってしまう。切断された足や腕を放置しているようなものだ。これ、土に挿してやったら根が出るんだろうか・・・・?
そういうわけで、年の瀬に華やかな花や門松やらを飾りたいのに、ほとんど実験心でこのユキヤナギを見守っている。