今日はあの地震から5年目にあたる。
私はちょうどその時勤め先に居り
揺れで外に飛び出してみると
向かいの美容室の大きな窓ガラスが
波打っていたのを思い出す。
遠くの家の瓦が飛び、立っていられないくらいだった。
こんな大きい地震は生まれて初めてだ。
しばらく外で様子を見た。
上を見ると自衛隊のヘリコプターが何十機も北に向かって飛んでいく。
なんだろう?
すこし落ち着いて休憩室に入ると
東北の沿岸部に津波が襲い
田畑にドンドン海水が侵入しているのがテレビに映しだされ
この地震が地震だけではとどまらない事を知った。
そして津波の恐ろしさも。
仕事は途中で中止。
家に帰る途中 あまりに暗く
今日は闇夜かな、 えっ、 いや停電?
街の半分が停電になり
市内の建物から明かりが消えた。
信号もおそるおそる渡る。
家についても真っ暗で当然テレビも見れず
全く周りの様子がわからない。
とりあえず家族は無事で湯呑が2,3個割れた程度。
懐中電灯やクリスマスのろうそくで
明かりをとり、 古いストーブを持ち出して
朝を待った。
* * *
今日の夕方はとても冷え込んで
あの日を思い出す。
あの日もとても寒かった。
ただ未曾有の災害だという事で気持ちだけが
妙にシャンとしていた気がする。
今、 復興はずいぶん進んでいるらしいが
それですべてを無くしてしまった人々の事を思うと
言葉が見つからない。
「花は咲く」を聞くと頑張れと思いながらも涙がうかぶ。