産業技術センターに試作用酒造プラントが導入されることになりました。昨年6月の一般質問は、すべての時間を使って地酒振興策を知事に求めましたが、その中で、「市場のニーズにあった新製品の開発は不可欠であり、県は支援をすべきだ。中国5県で酒造プラントがないのは鳥取県だけなので経産省の補助金などを活用して早急に導入すべきだ」と知事に強く求めたのですが、それが実現したもので、嬉しい限りです。県内の酒造メーカーの皆さんが、このプラントをしっかり活用して、鳥取の地酒は日本で一番と思っていますが、その魅力がさらにアップしていただけるものと期待しています。
質問の中で指摘しましたが、平成11年には県内には29社の酒蔵がありましたが、現在は19社で、今春でさらに1社が製造を停止します。消費者ニーズの多様化などで清酒の需要が低迷していることと、杜氏さんの高齢化と後継者難から杜氏制度の維持が難しくなっていることが、その理由です。産業技術センターに酒造プラントがあれば、新製品の開発に産業技術センターが今まで以上に助力するとこがきでますし、酒蔵も酒造整備を新製品開発に割く必要もなくなります。杜氏さんに代わって、社長さんら蔵元の社員による醸造が主となりつつありますので、技術指導にも活躍してくれるはずです。
酒造プラントが約2800万円と高価ですが、経産省の補助金を活用できるようになり、3月末までには設置が終了。調整やセンター職員の研修に2ヶ月ほどかかりますが、6月ごろからは稼働できると県商工労働部から報告を受けました。酒造りは時間がかかりますので、酒造プラントを1回稼働させると約45万円かかります。これだけランニングコストがかかると、酒蔵も使用に二の足を踏まれるのではないかと心配したんですけど、県の単独事業で、新しい産業センターの運営費補助金(酒造りプラント補助金)を新設することで解決してくれました。産業センターが5万円分負担し、残りの3分の2を県が産業センターに補助形で間接補助し、酒蔵は約13万円で使用できることになったんです。このため、新年度予算には133万円が計上されています。
ハードの整備をしても、ソフト部分まで配慮しないと、せっかくのハード整備が活用されないケースが散見されます。今回、県商工労働部には酒造プラントを整備するだけでなく、プラント使用料にも配慮して、新しい補助金制度も設けていただきましたので、きっと酒造プラントは活用され、鳥取県の地酒に新しい魅力を付加してくれることでしょう。頑張れ! 鳥取の蔵元。頑張れ! 鳥取の地酒!