エネルギー・雇用促進調査特別委員会の県外調査の2カ所目は、茨城県土木部港湾課から説明を聞いた洋上風力発電所の事業主体であるウインド・パワーにお伺いしました。
同社は太平洋に面してあり、高床式のような建物でした。小松崎社長に対応していただきましたが、午前中は秋田県議会の視察があったそうで、洋上風力発電所に対する関心の高さがわかります。以下は小松崎社長の説明の概要です.
国内で最初の本格的洋上風力発電所「ウインド・パワーかすみ」は2MWの発電装置7基を第1期計画として平成22年2月に完成させ、6月に稼働させた。第2期計画として第8基を平成24年12月に稼働させたので、計30MWの洋上風力発電所だ。第1期計画分は順調に稼働しており、減価償却をしながらの黒字。融資は10年で返済する。発電装置を設置するモノパイルは歪んではいけないので第1期は打設用導枠を設置して、打設した。モノパイルは直径3.5メートル長さ20メートルあり、重さは100トンにもなる。第2期は国内で初めて作業船を2隻使って工事した。
本社は水戸市から昨年7月に引っ越した。ここは発電装置の直下。振動や風切り音などの騒音を一番受けるところに私たちがいることが地元の皆さんへの信用になる。加えて、設備をいつも目視できるメリットも大きい。東日本大震災では震度6で揺れ、4~5メートルの津波もあったが、何の被害もなく、安全を確認し、3月14日からは通常通りに発電した。
ウインド・パワーの洋上風力発電所の特徴は地元との連携との立地にある。鹿島臨海工業地帯にあるため、鉄塔などの送電インフラは整っているし、消費地に隣接していることから送電ロスもほとんどない。見学者も前年の3倍以上ある。泊まられる人もいるし、地元の活性化にも繋がっている。
計画中の洋上風力発電所は5MWの発電機を50基建設する。技術的な開発は目処がたっている。
質問にも丁寧に答えていただきました。以下はその要旨です。
Q 環境問題などはないのか
A 環境アセスメントを実施し、沖合でウミガメやスナメリを確認しましたが、ここには砂浜がなく、人工護岸で影響がないでしょう。現在稼働中の洋上風力発電装置では、そのまわりに魚が増えた。県からも魚礁設置の話が来ています。景観も、ここは工専地帯なので、鉄塔なども多くあり、発電装置を設置しても問題は少ない。
Q メガ発電所の課題は
A 工事では工事船の確保。新造、改造、海外から連れて行く、そのまま使うの4種類の方法を考えている
Q 買い取り価格が下がりそうだが
A 22円ではなく、18円と想定して、資金計画を立てているので、大丈夫だ。
Q 新しい発電機は、既存の2.5倍。技術上の問題はクリアしたのか。
A 現在は80メートルのブレードを、130メートル弱まで大きくすることで対応したいと思っており、問題は解決できそうだ。
Q 地震や津波の想定は?
A 地震は震度7,津波は波高10メートルを想定している。津波以上に波対策が重要で、過去の気象データと比べている。
Q 資金は調達できるのか
A 政府系やメガバンクと話をしており、大丈夫だ。
本社の前が洋上風力発電所「ウインド・パワーかすみ」です。
海岸線沿いにあり、洋上って感じではありませんが、巨大な風車は壮観です。
近づくとホント、でかいです。
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