「あっちでね、あじさいがさいてたの。いっぱいさいてたの。
でも、かたつむりはいなかったんだよ。どこにいるのかな?」
子育ての杜の緑の扉を開けるなり、H君が目をきらきらさせて,たった今自分が感じたことを精一杯伝えてくれました。
「これもあじさいだね。」
出席カードに貼るシールの中にもあじさいを見つけて、またまたうれしくてたまらない様子。
「この小さな花がたくさん集まったお花は「あじさい」って言うんだ!」
その発見がうれしくてうれしくて、それを伝えられることがうれしくてうれしくて。
お母さんはもちろん、H君の喜びにまわりのみんなも笑顔になっています。
来る道すがら、お母さんに教えてもらったのでしょう。
「あじさい」という花の名前がひとつH君の辞書に加わったことで、その単語とともにいろいろなところで、いろいろなものがつながって見えてきたようです。
新しい単語がただ増えたのではなく、生きたことばが子どもの中に芽生えた瞬間を感じました。
水色やピンクや紫の花の色、雨の季節、 お母さんと探したかたつむり……
「あじさい」にまつわる体験とともに、ことばのイメージができてくるのでしょう。
子どもにとって、毎日が新しいもの、新しい言葉との出会いでいっぱいです。
共にその発見を喜び、その出会いを心から大切にしてあげたいですね。