Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

熱海の開発地について

2021-07-04 19:32:41 | つぶやき

 あらためて、熱海の現場を見てみよう、と思ったのは前掲文に「国土地理院の地図で確認すると、この住宅開発地とソーラー開発地とを結ぶ道路のあたりが、逢初川水系の分水嶺とみられる」と記述したことについて、疑問もあったからだ。この記述は、過去の地形からは正しかったと思われる。しかし、おそらく現状は異なったのだろう。この開発、誰が認めたか知らないが、責任は重い。

 国土地理院の地図をもう一度よく見てほしい。

国土地理院の地図より

 元宮社といわれる社があるが(神社マーク)、社の北側が谷になっていて、南側も谷になっている。南側が今回土石流が発生した逢初川の上流部である。北側の等高線を左側に刻んでいく(標高の高い方へ追っていく)とそのまま岩戸山東側まで到達する。いっぽう南側の逢初川の等高線を刻んでいくと、元宮社の左手300メートル余で尾根となって分水嶺となる。ところがである。グーグルマップで見てもわかるが、元宮社の北側の谷は、住宅にするために盛土されて、谷は地図には痕跡を残しているが、実際は谷形状は消失している。そしてその左手、道路がU字状に逆コの字になっているあたりも埋められて、水の流れは変更されているとも思われる。さらに左手には道が等高線に沿ってつづら折になっているが、このあたりも盛り土されているようだ。それは等高線と道の表示が一致していないことでわかる。

 崩落地の映像が夕方になって盛んに流されているが、崩壊面に流水が見られる。地中にこのような流水が見られるということは、そもそも人為的造成の湧水処理として埋設されたものか、あるいは暗渠とも考えられる。造成によってかつての分水嶺が消滅して、逢初川側に流域が変化していることも予想される。岩戸山は標高734メートル。ここから海岸まで一気に下り降りる斜面。造成地は400メートル付近から450メートルあたりまでされていると思われる。逢初川流域に限らず、その北側の流域は標高350メートルあたりから盛土が始まっており、こちらも将来的に危惧される。もしかしたら、このあたりこういった造成があちこちで行われているのかもしれない。


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