グーグルマップより
Yahoo地図より
またもや土石流である。これまでこうした災害が発生すると、詳細な位置図が新聞などに掲載されていたものだが、今回の熱海市伊豆山のケースでは、具体的な図が現在のところ掲載されていない。発生したのは逢初川という川の水系にあたる。「二級水系逢初川水系」という県のページには、その延長1300メートルとあるから管理河川としての延長は短い。この水系にグーグルマップで訪れるとすぐに気がつくのは、山の頂に地肌が見えている画像だ。「何?」と思うのは誰しも思うだろう。加えてすでにその脇に「熱海市にい土石流災害」と赤色で日を氏されている。まるでここが土石流の発生源のようにだ。真偽はともかくとして、被災地の頂近くにこのような空間があることは、はっきりするだろう。グーグルマップがいつ撮影されたものか、最近のグーグルマップでは判明しない(記憶ではかつては撮影年代で検索上に表示されたが、今は「2021」としか表示されていない)。ようはこの画像は現状ではなく、その後の姿は、と検索していると次のような画像がYahooの地図にアップされていた。地肌が現れていた上半分くらいはソーラーが置かれている。下半分が現在どうなっているかまではわからないが、これらが影響しているのかどうか、という記事も、すでにウェブ上には見られる。どうも開発状況をよく見てみると、逢初川水系側ではなく、反対側に雨水が流れるような傾斜になっているようで、今回の土石流に直接影響したともいえないようだ。
グーグルマップより
ただし、とても気になるのは、このソーラーが置かれている東側の尾根が開発されている。まだグーグルマップでは家が何軒も建っていないが、Yahooの地図では明らかにその数は増えている。いずれこの地は住宅街になるのだろうが、ソーラーが置かれている尾根よりは少し標高は低いものの、山の上。この開発地の雨水は逢初川水系には流れ出ていないようだが(国土地理院の地図で確認すると、この住宅開発地とソーラー開発地とを結ぶ道路のあたりが、逢初川水系の分水嶺とみられる)、いずれにしても熱海市界隈の様子をうかがうと、こうした山の上まで開発されている空間があちこちに見られる。たまたま今回逢初川に土石流が発生したが、たまたまにすぎないという印象である。このエリアで目立つのはゴルフ場。そもそもこうした開発が進められてきた、ということは土石流のリスクが高いエリアと、ふつうに考えてよいということ。何十年も暮らしてきて「こんなことは初めて」などという感想は不要だ。そういう地域に暮らしているということを、行政も住民も強く認識して暮らしていかなくてはならない。
ストリートビューより
ストリートビューより
盛んにテレビなどで流される映像、いずれも逢初川に掛かる橋「逢初橋」付近のもの。国道135号線の逢初橋付近には、東海道本線や東海道新幹線といったインフラが集中している。これは想定内のこと、と受け止めてほしいものだ。
追記 ここへきて、「熱海・土石流災害 起点の盛り土がすべて流出 開発行為が被害を甚大化させたか」という記事が掲載されている。前述日記内の「住宅開発地とソーラー開発地とを結ぶ道路のあたり」から崩落が始まったよう。そしてそこに盛土されていたと思われる土がほとんど流れ出ているというから、土石流もうなづける。このことについて、現在放映中の「バンキシャ」で詳細が述べられている。この後、高地の盛土は容易にはできなくなるだろう。
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