伊那市上牧は、天竜川左岸にあたる。段丘上に上る主要道路の脇、段丘崖に公民館があり、その相向かいに上牧平成館という建物があり、その裏に小道がある。段丘を上る古い道なのだろうが、その脇に奇石とおもわれる道祖神が立つ。『伊那市石造文化財』(伊那市教育委員会 1982年)には、「五群九個」と記されているが、とてもそんなにたくさんの石は認められない。どうみても、二つだろうか。上伊那誌刊行会の『長野県上伊那誌民俗編上』(1980年)には、表には「奇石60cm」が記載されているが、備考欄に「他にH50cmの奇石、これらは上牧の二・三・四組のを集めた由」と記されている。二つとも思えるが、三つの組のものを集めたとなると三つにも思えるが、前掲書とは様子が違う。
上牧にはもう1箇所に奇石道祖神があり、いわゆる文字碑も双体像も存在しない。ようは伊那市内には、自然石だけを祀った道祖神が多いことがわかる。
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