
再建に向けた取り組みを続けている、福井鉄道福武線。地元紙・福井新聞の地域面で、これまでの取り組みと課題が載せられた。
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まず、福井鉄道(事業者)の取り組みとしては、昨年からイベントと連携した電車利用の呼びかけや、数々の割引乗車券の発売などを行っており、昨年末から10本以上の企画を立ち上げているという。会社としては、「まず電車に乗ってもらおう」との戦略であるそうである。
今年の大型連休では、さばえつつじまつり(5/3~5/5)が開催された西山公園の最寄り駅、西山公園駅での利用者数が4577人であったという。昨年は3153人であったそうで、45%の利用増となった。
また、大型連休期間中(5/3~5/6)の土日祝日フリー乗車券は全体で2033枚、武生新駅だけで785枚販売されたという。また同期間中、家族連れなどを対象とした4人グループフリー乗車券は520枚売れたとのこと。これらの乗車券は往復利用を前提としており、利用者換算では枚数の2倍になる。
さらに、沿線3市にあるホテルのランチ付き割引乗車券は、4月に81枚、母の日記念のカーネーション付き(5/8~5/10)で40枚売れたという。
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また、福井鉄道を支援する市民団体側も取り組みを行っている。「福井鉄道福武線サポート団体等協議会」では、3月に電車を利用してのまちなかウォーキングを企画。「越前市・福武線を応援する連絡協議会」では、同企画に合わせて高校生の吹奏楽演奏で出迎えたり、地区のウォーキングで電車を利用したりしている。
このほか、越前市ではこの春から公共交通対策室を設置するなど、行政としての沿線3市の取り組みも進む。
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ただし、イベントでの利用が増えているといっても、沿線住民の日常的な利用の増加までに結びついているという実感は薄い。越前市の市民団体も、「イベントで一度乗って終わりでなく、日常的な意識につなげられるかが鍵」として、車を運転する高齢者を中心に、どう電車へ目を向けてもらえるかを課題としているという。また福井鉄道でも、まず「イベントで一人でも乗っていただくことが大事」としたうえで、高齢者の昼間利用促進へ向け、優遇策などを検討しているという。
さらに越前市の市民団体の意見として、「ただ乗って欲しいだけでなく、運賃・ダイヤの改善や、P&R(パークアンドライド)駐車場の拡充など、乗りやすくする条件づくりが重要であり、サポート団体も、団体への働きかけから地域住民へ幅を広げて活動していきたい」としている。
きっかけとしては、福井鉄道の再建には行政支援として補助金が出ている事から、「税金という形で市民は応援資金を出している。福鉄に一役買っているという意識をもってもらい、乗ることにつなげていきたい」とも。市民の意識付けは、福武線の存続のための重要課題となっている。
・参照:福井新聞 記者リポート「今 何が」- 福鉄福武線乗客増取り組み(2009.5.17付)
福井鉄道福武線の今年度の利用者の目標は、165万3000人と設定されている。国の支援計画の中では、10年後に200万人と設定しており、イベントなど一時的・短期的な利用者はもちろん、沿線市民の日常的な利用の増加が重要となる。大型連休での状況から、イベント連携や割引券による利用客増加の取り組みは決して悪くは無いだろう。
ただ、日常的な利用増加をどう増やすかについては、やはり日常の運賃やダイヤの見直し、車利用者のためのP&R駐車場設置が大きいと思うが、車をあまり利用しない利用者を念頭に、路線バス・コミュニティバスとの連携といったことも、重要になってくるのではないだろうか?いずれにしても、事業者・市民団体・行政のアイデアの出し合いと、それに対する沿線市民・県民の積極的な利用、という流れがもっと必要でないかと感じる。
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まず、福井鉄道(事業者)の取り組みとしては、昨年からイベントと連携した電車利用の呼びかけや、数々の割引乗車券の発売などを行っており、昨年末から10本以上の企画を立ち上げているという。会社としては、「まず電車に乗ってもらおう」との戦略であるそうである。
今年の大型連休では、さばえつつじまつり(5/3~5/5)が開催された西山公園の最寄り駅、西山公園駅での利用者数が4577人であったという。昨年は3153人であったそうで、45%の利用増となった。
また、大型連休期間中(5/3~5/6)の土日祝日フリー乗車券は全体で2033枚、武生新駅だけで785枚販売されたという。また同期間中、家族連れなどを対象とした4人グループフリー乗車券は520枚売れたとのこと。これらの乗車券は往復利用を前提としており、利用者換算では枚数の2倍になる。
さらに、沿線3市にあるホテルのランチ付き割引乗車券は、4月に81枚、母の日記念のカーネーション付き(5/8~5/10)で40枚売れたという。
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また、福井鉄道を支援する市民団体側も取り組みを行っている。「福井鉄道福武線サポート団体等協議会」では、3月に電車を利用してのまちなかウォーキングを企画。「越前市・福武線を応援する連絡協議会」では、同企画に合わせて高校生の吹奏楽演奏で出迎えたり、地区のウォーキングで電車を利用したりしている。
このほか、越前市ではこの春から公共交通対策室を設置するなど、行政としての沿線3市の取り組みも進む。
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ただし、イベントでの利用が増えているといっても、沿線住民の日常的な利用の増加までに結びついているという実感は薄い。越前市の市民団体も、「イベントで一度乗って終わりでなく、日常的な意識につなげられるかが鍵」として、車を運転する高齢者を中心に、どう電車へ目を向けてもらえるかを課題としているという。また福井鉄道でも、まず「イベントで一人でも乗っていただくことが大事」としたうえで、高齢者の昼間利用促進へ向け、優遇策などを検討しているという。
さらに越前市の市民団体の意見として、「ただ乗って欲しいだけでなく、運賃・ダイヤの改善や、P&R(パークアンドライド)駐車場の拡充など、乗りやすくする条件づくりが重要であり、サポート団体も、団体への働きかけから地域住民へ幅を広げて活動していきたい」としている。
きっかけとしては、福井鉄道の再建には行政支援として補助金が出ている事から、「税金という形で市民は応援資金を出している。福鉄に一役買っているという意識をもってもらい、乗ることにつなげていきたい」とも。市民の意識付けは、福武線の存続のための重要課題となっている。
・参照:福井新聞 記者リポート「今 何が」- 福鉄福武線乗客増取り組み(2009.5.17付)
福井鉄道福武線の今年度の利用者の目標は、165万3000人と設定されている。国の支援計画の中では、10年後に200万人と設定しており、イベントなど一時的・短期的な利用者はもちろん、沿線市民の日常的な利用の増加が重要となる。大型連休での状況から、イベント連携や割引券による利用客増加の取り組みは決して悪くは無いだろう。
ただ、日常的な利用増加をどう増やすかについては、やはり日常の運賃やダイヤの見直し、車利用者のためのP&R駐車場設置が大きいと思うが、車をあまり利用しない利用者を念頭に、路線バス・コミュニティバスとの連携といったことも、重要になってくるのではないだろうか?いずれにしても、事業者・市民団体・行政のアイデアの出し合いと、それに対する沿線市民・県民の積極的な利用、という流れがもっと必要でないかと感じる。