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770形電車は、もともと名古屋鉄道岐阜市内線で運行されていた路面電車だった。1987(昭和62)年より、4編成が造られ、運行された。
2005年の同路線廃止により、全車両が福井鉄道に譲り渡された。福井鉄道では、2006年4月から運行を始め、小型電車のグループとしては早くから主力となっている。なお、880形電車と異なり、車体広告は現在、控えめなものに限られている。
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中はすべて横掛けシート。連接部分はカギ穴形になっている。また、この電車には車椅子のスペースが1両に4ヶ所、1編成で8ヶ所設けられている。このスペースは補助席としても利用できるようになっている。ただし、福鉄電車の小型電車では一番幅が狭いため、床に荷物等を置くと足場が狭くなり、通路移動が困難になる場合もある。また小型電車全体に言われている事だが、大型の電車より座席が少ないことも、車両の小ささに加えて混雑時の利用客の不満につながっている。
新しい小型電車のグループとして活躍している770形電車。車両や運行に対する批評は、今後の福鉄電車のあり方や、まちづくりにおける公共交通のあり方などの参考になると思われる。