このブログでも取り上げた、発達障害のある被告人が姉を刺殺した事件での裁判員裁判の判決(大阪地裁H24.7.30)について、京都弁護士会が会長声明を出しました。
今回の判決が発達障害者への偏見を助長し、支援を阻害しかねないものであることに懸念を示すとともに、社会に対して正しい理解と支援の必要性を訴える内容です。
http://www.kyotoben.or.jp/siritai/menu/pages_kobetu.cfm?id=644
同様の声明を、
日弁連 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120810_3.html
大阪弁護士会 http://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/kanri/db/info/2012/2012_5021d6f2e13e7_0.pdf
も出しました。
具体的な裁判に弁護士会が意見を述べることは極めて異例です。
裁判には相対立する二つの立場があり、そのどちらにもそれぞれに主張があります。そして、その判断は判決によって決せられるべきものです。
弁護士会がどちらか一方に肩入れするような意見を公にして裁判に干渉するようなことはすべきではないと考えられているからです。
特に、今回の事件のように殺人事件では被害者は現実に殺害されており、その遺族の心情を考えると、判決が重いからといって弁護士会が判決を非難することは通常はありません。
それにもかかわらず、今回、京都弁護士会、日弁連、大阪弁護士会が異例の会長声明を発表したのは、この判決の酷さが際立っており、看過できないものだからです。
京都弁護士会の常議員会で、この会長声明は全員一致で支持されました。