弁護士にも夏休み。
見逃していたフジTV 「リーガル・ハイ」第1話を、ようやく見ました。
やっぱりよく出来ている!
殺人事件が題材。
被告人は捜査段階で自白している。
しかし、被告人は、刑事から脅されたり、暴力を振るわれて虚偽自白をしてしまったと主張し、自白の任意性が争点となる。
本当は、どのような取調べが行われていたのか?
当時、刑事課にいたという3人の刑事が証人として出廷して、
「取調室のドアは開いていた、しかし、取調室からは物音一つしなかった。」
と証言する。
これに対する、古美門の反対尋問はこんな感じ。
「警察署の横に新しいビルがありますね。」
「取調べの行われた頃はまだ工事中でしたね。」
「取調べの日は解体工事が行われていましたね。」
「夏でしたね。」
「役所では節電していましたね。」
「警察でも窓を開けていましたね。」
解体工事の音が聞こえていたはずなのに、物音一つしなかったと証言した刑事たちの偽証を暴く。
刑事たちの敗因は、ガードを上げすぎたこと。
「怒鳴り声は聞こえなかった」「騒ぎはなかった」と答えておけばよかったにもかかわらず、自分の証言を正当化しよう、強調しよう、よくわからせようとするあまり、ガードを上げすぎて、「物音一つしなかった」と証言してしまった。
これは実際の裁判でもよくあります。特に刑事さん。
「認めたら保釈になる」と利益誘導して自白を引き出した刑事が、「保釈なんて言葉は取調べでは一度も出ませんでした。」と証言したり、
「弁護人なんていらない」と弁護権を侵害した刑事が、「弁護人のことは話題にならなかった」と証言したり。
必要以上のことを言って失敗してしまう。
弱みのある人間は、ついつい、必要以上にガードを上げすぎてウソを大きくしてしまい、結局、ボディはがら空き、馬脚を現してしまいます。
そこをすかさず、突き崩すのが反対尋問の技術です。
リーガル・ハイ第1話はこちら。
http://www.fujitv.co.jp/legal-high/story/story01.html
早く、続編始まらないかな。