弁護士辻孝司オフィシャルブログ

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デッドマン・ウォーキングを見ました。

2012-08-23 23:25:56 | インポート

Deadman_walking  

 1995年制作 ティム・ロビンス監督

 出演 スーザン・サランドン、ショーン・ペン

 死刑囚とカトリック修道女との交流を描いたドラマ    

 

 この映画は、実在の修道女、シスター・ヘレン・プレジャンが自身の経験した死刑囚との交流を描いた「デッドマン・ウォーキング」が原作となっています。

 シスター・ヘレン・プレジャンは2007年に来日されており、京都でもノートルダム女子大学で講演をされました。
 目と鼻の先に来られていたのにもかかわらず、私はその機会を逸してしまい、ずっと心残りになっています。

 いつかお会いできることを切望している方です。

  

 さて、映画の方ですが、死刑囚からの手紙に心を動かされたシスター・プレジャンが面会を繰り返しますが、彼の行った犯罪はあまりにも惨たらしく、他に責任転嫁をして真摯に反省をすることもありません。
 被害者遺族をも非難し、人種差別やヒットラー、テロを支持するような発言を繰り返す死刑囚にシスター・プレジャンも悩みます。

 さらに、シスター・プレジャンは被害者の遺族とも接し、非難されて、苦しみますが、それでも、死刑囚に最後まで寄り添います。

 映画のクライマックスの死刑執行シーンでは、彼の行った犯罪の再現場面(被害者らが強姦され、殺害される場面)と、執行場面がオーバーラップし、二人の被害者と彼の3つの命が奪われていく場面が映し出されます。

 死刑囚はどのような人物なのか、死刑はどのように執行されるのか、被害者遺族がどういう思いでいるのか、シスター・プレジャンが見た事実が忠実に再現されているそうです。

 そうした事実を通じて、人を裁くとはどういうことなのか、死刑をどのようにとらえるべきなのか、命をもって償うとはどういうことなのか、赦すことは本当にできるのか、とても考えさせられる映画です。

 そして、死刑囚マシューの態度の中に、人の持つ弱さがとてもよく描かれています。
 

 死刑制度廃止に賛成、反対の立場を問わず、この映画を見て感じてくれる人が増えてくれればいいのにと思います。
 そして、日本でも、こうした問題提起がしなければと思います。

 スーザン・サランドンとショーン・ペンも素晴らしかった。
 主題歌はブルース・スプリングスティーン!
 ぜひ、多くの人に見てもらいたい映画です。   

 

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YouTube: 映画「テ?ット?マン・ウォーキンク?」日本版劇場予告 

       

【ストーリー】

 ルイジアナ州ニュー・オーリンズ。

 セント・トマスの希望の家で働くシスター・ヘレン(スーザン・サランドン)は死刑囚マシュー・ポンスレット(ショーン・ペン)から何度か手紙を受け取る。

 マシューは相棒と二人でカップルを惨殺し、州立刑務所に収監されていた。
 

 死刑囚と会うのは初めての経験だったが、ヘレンはマシューの求めに応じ刑務所を訪れ、彼と面会する。傲慢で冷酷そうなマシューは印象こそ悪かったが、共犯者が無期懲役なのに、不利な証拠が重なって彼だけ死刑が確定したという事実に彼女は疑問を持つ。

 

 しばらく後、マシューから死刑執行の日が決まったという焦りの電話を受けて、ヘレンは特赦審問会請求のため弁護士ヒルトン・バーバー(ロバート・プロスキー)に協力を依頼。ヒルトンの説得により、彼らはマシューの母親(ロバータ・マックスウェル)を審問会で証言させ、万座の同情を得ようとしたが、努力も空しく嘆願は却下。残る手段は知事への直談判だけとなり、ヘレンは彼の精神アドヴァイザーとなることを承諾。

 
 ところが彼女はそこで、居合わせた被害者の遺族から非難を受ける。ショックを受けたヘレンは、殺されたカップルの青年ウォルターの父親デラクロワ氏(レイモンド・J・バリー)、娘ホープ・パーシーの両親(R・リー・アーメイ、シリア・ウェストン)を相次いで訪問。愛する家族を惨殺され、怒りと悲しみをあらわにする彼らを前に、彼女には言葉がない。

 
 そんな執行の日が近づく中、ヘレンはマシューの精神アドヴァイザーとして、彼と毎日数時間をすごし、彼の心に少しでも近づこうと努力を続ける。マシューは人種差別発言や犯行否認を相変わらず繰り返し、ヘレンを憤慨させたりしたが、そんな彼も家族には思いやりをみせ、ヘレンには心を開きはじめていた。 

 

 死刑当日。刑の執行の午前0時まで、知事への嘆願の返事を待ち続ける二人。
 結局、上訴審は却下。死にゆくマシューに勇気を与えられんことを……と、ヘレンは神にひとり祈る。

 

 最後の面会。マシューはヘレンからあずかった聖書に名前と日付を入れ、彼女に渡す。マシューはヘレンに、犯行の事実を告白した。「ウォルターを撃って殺したのは自分だ。レイプは自分もしたが、ホープを刺したのは相棒だ。今は二人の死に責任を感じる。昨夜は二人のために祈った」と。午前0時数分前。マシューは迫りくる死の恐怖のためかすすり泣いた。

 

 そしてついにその時が。ヘレンは護送されるマシューの肩に手をかけ、最後まで付き添う。処刑台に縛られたマシューの最後の言葉は、処刑に立ちあった被害者の遺族への謝罪だった。

 マシューの葬儀。彼はヘレンらの教会の墓地に葬られた。

 

 「キネマ旬報 映画データベース」より