
月がとても綺麗です
何故みんな、衒いもなく「愛している」と言えるのだろう?
この胸の中に沸々と煮えて滾る、何もかもを破壊し兼ねない激しい『貴女』への想いを、「愛している」なんて言葉で伝えられる、のだろう?
それは安易な三文芝居のセリフ、にもなりはしまい。
一説に漱石が英文解釈の講義中、解釈してみせたという、「月がとても綺麗です」、という解釈文ほど美しい告白を、私は知らない。
抱かれている最中、『貴女』が耳元で「月がとても綺麗だわ」と囁いた、としたら。
悶死しそうで、とても文章化、など出来ない。
2017/10/01
01:50 am
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