ビルマからの便り（ミヤンマー）

近所の屋台レストラン、テーブルに付いてもいつもの愛想のいいお姉さんが注文を取りに来ない。

ん？　どうしたんだ？

彼女はテレビの前で釘付けになっている。
ブラウン管からはミヤンマーのデモの様子がなま生しく放映されていた。そういえば彼女はミヤンマー出身だって言っていたっけ。
アパートの近所には、ミヤンマーから来ている人たちが多く働いています。彼らがどのような経緯でマレーシアに住んでいるか、聞いたことはありませんが、祖国の混乱はさぞかし心配なことでしょう。

ミヤンマーはトランジットでヤンゴンに一度降りただけで、実際に行ったことはありません。
友人のお姉さん、石塚まみさんのアルバム「ビルマからの便り」から、ミヤンマーは優しく美しい国というイメージがあっただけに、今回の事件はとてもショックでした。



「ビルマからの便り」は石塚まみさんのおじい様に当たる方が、戦争中ビルマ（現在のミヤンマー）に派兵され、戦地から奥様とお嬢様（まみさんのお母様）宛てに送られた絵葉書の数々からイメージされて、作られたアルバムです。絵葉書には戦地の厳しさや戦況の激しさは一切無く、きれいなビルマの風景と、そこに暮らす人々の姿が美しく描き出されていました。ご家族に心配をかけまいとする、おじい様の思いやりであふれています。送られた絵葉書は百枚を超えたそうです。
その後、おじい様は戦地で帰らぬ人となりました。まみさんはもちろんおじい様にお会いしたことはありませんが、子供のころからその絵葉書を見て、いつかはそのイメージを音楽にしてみたいと思い続け、ついにこのアルバムを作られたそうです。
まみさんのどこまでも透き通った歌声で、その美しいビルマの風景と、祖国で待つ家族への思いやりが見事なまでに表現されています。
ご兄弟もみなミュージシャンですが、みんなで共演されて、すばらしい作品に仕上がっています。ぜひ聴いてみてください。

http://www013.upp.so-net.ne.jp/maming/burma.html

このアルバムのように、人々の思いやりで一刻も早くミヤンマーに美しい平和が戻りますよう、願って止みません。