日焼けした鼻や頬、胸が痒い。
皮が剥けてきとるんじゃと思う。
毎年の事じゃ。
お礼参りは済んだか?
まだ行かにゃあいけんところ、
忘れてないか?
飲み会に誘われても
「祭りが終わってからね」
と断っとったのが、えっとある。
そろそろアルコールは
控えにゃあいけんお年頃
と思いながらも、この分だけは、
と飲んでしまうワシがおるんよねー?
ホンマは酒、好きじゃないし弱いし、
じゃが、みんなでワイワイやるのは好きなんかも?
祭りが終わったら、
女房殿とどこか温泉宿で
美味しいもの食べて
『おつかれさま』
と1本のビールを分け合うて、
今年の祭りはああじゃった、
こうじゃった、あの人を見たよ、
とたわいもない事を喋ることで
疲れが溶けだしてゆく。
月明かりに照らされた
宿の庭にはススキがこうべを垂れ、
お喋りが途絶えた静寂な空間を、
虫の音が遠く通り過ぎていくような、
そんなイメージを描いとったが、
しばらくはいろんな集いがありそうじゃ。
1週間前の続き
横浜のシャッチョさんと
タクシーで広島駅まで行って別れ、
ワシは在来線岩国行きの
下り列車を待った。
およそ30分くらい待ったか?
もうしんどーて、
しゃがみ込みそうになったところへ
列車が入って来た。
11時半頃じゃったと思う。
列車に乗り込んだとたん、
良い子はお眠の時間を
とうに過ぎとるんで、睡魔が襲うが、
『ここで寝たら寝過ごしてしまう』
と強い気持ちで、カッと目を見開く。
新白島駅に到着したのは覚えとるが、
その後、不覚にも睡魔に負けたみたいで、
列車が停車する感覚で目が覚めた。
寝ちゃあいけんとゆー意識が
働いとったんじゃろうね?
停車した駅が五日市駅に見えたんで、
『こりゃいかん!』と飛び降りた。
他の乗客と一緒に階段を上がって、
目に入った景色は五日市駅と違うじゃん!
ここはどこ? ワシは誰?
のような感覚に陥り、
駅名を探すがどこにも書いてない。
誰かに聞くしかない。
後ろから階段を上がって来た若い女性に
「ここはどこですか?」と訊ねた。
『西広島です』
あ~エカッタ!乗り過ごしたんじゃなかった。
次の列車の時間を見たら、
それからまた30分も待たにゃあいけんじゃんか!
しょうがない、駅のホームのベンチで
寒さと眠気に震えながら、
寝んように頑張って列車を待った。
やっと電車が来たんで、
今度こそ寝んようにと
頑張って起きとったが、
なんとこの列車、五日市止まりじゃった。
終わった、終わった
事故もなく、大きなトラブルもなく終わった秋祭り。
ウチの家族の殆ど全員が参加の秋祭り。
息子んとこの次女は、
今日は新人戦の試合があったらしいが、
誰も見に行ってやれなんだ。
秋祭りに参加のためじゃ。
息子はワシが地元の秋祭り復活に
力を注ぎ始めてから、ずっと協力してくれとる。
息子と兄弟のように育ったYっちんも一緒じゃ。
最初は『何で?』みたいな反発も
あったように感じたが、
昭和の父親の権限で
無理やりレールに乗せた感じじゃった。
今では一家で応援してくれとる。
ワシとしては感謝しかない。
孫娘は生まれた時から
秋祭りの中で育ったようなもんで、
秋祭りが大好きじゃ。
今では生活の一部になっとるようなもんで、
ワシとしては大満足な孫娘です。
午前中、子供の俵みこしの
組み立てを手伝い、
その後、友人の父親が亡くなったんで、
モノを言いに行き、
午後からは子供の俵みこしについて周った。
天気が良すぎて日に焼け疲れた。
夕方からの大人の俵みこしの
組み立ては殆ど手伝えんかったが、
懇親会には出席。
日焼けに弱いねー!
明日は、朝早い!
今夜5時前頃、神社に行ったら、
すでに東地区から2名の
役員さんが来ておられた。
輿蔵のカギは、前日ワシが
神主さんから預かっておいた。
続々と西地区、北地区からも
仲間が集まってきたんで、
鍵を開け、神輿を運び出し、
組みたて作業が始まった。
今年は神輿の順番を
くじ引きで決める事としとったが、
結局、話し合いで決めた。
神輿の台座の裏側に
『弘化3年』の墨書きが見え、
当時、神輿を作る費用を寄贈した
人たちの名前も墨書きしてある。
弘化3年とゆーたら江戸時代じゃ。
NHKの大河ドラマで以前やった
『八重の桜』(?)の主人公の
山本八重(後の新島八重)が
生まれたのが弘化2年らしい。
その頃からの先輩たちの
汗がしみ込んだ神輿を、
今、ワシらも担がせてもろーとるんじゃねー?