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サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

エース7~七人の侍ジャズメン

2005年05月04日 02時29分24秒 | 邦楽
「エース」という言葉は今の時代となってはなかなか使われない言葉である。
せいぜいバレーボールなどの競技で使われるくらいか。
しかしいつかの時代にとっては「エース」という言葉は重みを持って
使われていたのではないかと思う。
(余談ですが、The Whoの四重人格を元にした映画「さらば青春の光」で、
 あのスティングの役名は「エース」でした。言葉通りモッズの花形。
 更に余談ですが、この映画は私の生き方を決定したといっても良い位、
 影響を受けた映画です。何百回と観ました)

そこでこの「エース7」である。面子は、
・石川晶(ドラム)
・中村八大(ピアノ)
・沢田駿後(ギター)
・鈴木勲(ベース)
・松本英彦(テナー・フルート)
・平岡精二(ヴァイブ)
・仲野彰(トランペット)
と一人でも立派にソロをはれる当時のジャズのスタープレーヤー達である。
彼らは1968年に一枚目のLPをRCAから発表。以後1971年までで11枚のLPを発表している。いずれもRCA。そう彼らはRCA専属で、この同じ顔ぶれでは他社では吹き込まないという制約のもと活動していたという。

今は編集盤やオムニバスでちょこちょこと聞ける程度なのが非常に残念。
(昨年発売されたラブ・サウンズ・スタイルに収録されており、
 同時発売の本にも紹介されています)
一番まとまった形で聞けるのは、99年にBMGから発売された、
『中村八大◆エース7マストコレクション』(BVCK38038・写真)である。
おそらく中村八大の名前が冠してあるのは、今となっては中村氏が抜きん出て
知名度が飛び出ていることに起因していると思われるが内容は「エース7」という
名前に恥じないような素晴らしいプレーを各人とも聞かせてくれる。
彼らの発表した11枚のオリジナルLPはラテンだとか映画音楽などテーマごとに分かれているのだが、このCDでは『死刑台のエレベーター』と『モダン・ジャズ・ベスト12』の二枚のアルバムからの選曲と他のアルバムからピックアップして編まれた編集盤である。

その名の通りシネマジャズやジャズのスタンダードのカヴァーを演奏している
のだが、これがやはり一筋縄ではいかず、とてもグルーヴィーでイカしてる。
今のクラブで回してもなんら遜色ない出来のアルバムなのだがその中でもやはり中村八大によるオリジナルの曲が異彩を放っており素晴らしい。
今はやりのジャズメンなんかは足元にも及ばない程である。
現在の若者でジャズを嗜好している人やクラブジャズが好きな人にこそ、
聞いて欲しい、そんな一枚である。