サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

ザ・バンド/ラストワルツ

2005年05月16日 01時31分45秒 | 洋楽
つくづく幸せな時代になったものだと思う。
何せザ・バンドの解散コンサートを収めた歴史的映画『ラストワルツ』の
DVDが1,000円を切る値段で購入出来る時代になったのだから。
これを幸せといわず何と言おう。

この映画の概略を簡単に書くと・・・
1976年サンフランシスコのウィンターランド(老舗ライブ会場、CREAMのライブ盤もここで録られた)で行われたザ・バンドの解散コンサートの模様を収めたドキュメンタリー映画。監督は、ブルース・ムーヴィー・プロジェクトやライトニング・イン・ア・ボトルなどで再び熱い注目を集めるマーティン・スコセッシ。とにかくこの映画はゲストが豪華。ボブ・ディラン、マディ・ウォーターズ、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、リンゴ・スター、ロン・ウッド、ドクター・ジョンなどなどざっと挙げただけでも超がつく豪華なメンバーである。

その中でやっぱり見入ってしまうのが、大好きなエリック・クラプトンの場面。
ザ・バンドをバックに「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード」を演奏するのだけど、
二回しし終わるところで何とストラップがはずれてしまうのである!
ギターの神にあるまじき行為ながらも、神も失敗するのねとちょっと珍しい場面に
毎度ほくそ笑む。その時はロビー・ロバートソンが絶妙なサポートをして
熱いソロの応酬で終わるのだけどこの曲だけ何度も見てしまう。
ストラップの位置が危なっかしくいつ外れるか知っているんだけど、
それをいつもドキドキしながら見てしまう(笑)

それだけじゃなくこの映画は凄い。
バンド自身が合間合間に色々話すんだけど、どれも興味深い話ばかりだし、
豪華なゲスト陣の1976年での姿も見ることが出来る。
意外に1976年の映像って少ないんじゃないかしら。そう思うと貴重。
ドクタージョンのお洒落さや、二ール・ヤングの無骨さ、
それにボブディランのピンクの帽子の素晴らしさといったら!

DVDでは字幕でロビーの文字解説というおまけもある。
これは本編再生中にロビーがその場面に関する思い出を話してくれるのだけど、
これが実に興味深い。なので何度DVDをみても飽きない。
DVDって便利ですね。

それにボーナス映像でコンサート終了後のセッションが収録されているのだけど、
これが本当に凄い面子でジャムってる!本編では最後にちょこっと出ただけの
感じだったリンゴ・スターとロン・ウッドがかなり頑張っている。
(ロン・ウッド、素晴らしいスライドだけど、服が変・・・笑)
本編ではアコギだった二ールもエレキで参戦。
この人のエレキはいつ聞いても凄いなぁ。
ザ・バンドのアヴァンギャルドな部分を担うガース・ハドスンの奇妙なシンセに
つられてセッションが開始。ポール・バターフィールドのハーモニカも聞こえる。
クラプトンは最初いたもののすぐギターを置いてしまう。残念・・・
途中からリヴォン・ヘルムも参加。
この人の重量感溢れるそれでいて歌心あふれるジャストなドラムが大好きです。
更になんと本編に出てこないスティーブン・スティルスも参加!
ニールとスティーブンが同じステージに!す、凄い!
こんな凄いセッションを見ることが出来るだけで、買う価値あります!

でも本編がやっぱり感動的。
もともとボブディランのバックで有名になった彼らだけに、
ボブディランとのステージは素晴らしい!の一言だし、
ラスト全員で「アイ・シャル・ビー・リリースト」を合唱。
大団円を迎えるのですが、やっぱり音楽っていいなぁ、しみじみ思える。

こんな映画が1、000円を切る値段で買えるって幸せですよ。
未見の方は借りてと言わず、是非是非買って見てください。
永久保存版で手元においておいて下さい。損はしません。

他にザ・バンドを見ることが出来る映像としては、
あの有名なウッドストックでのライブ。映画には出ていないけど、
日別で3タイトル発売されているものに収録されています。
他には先日やっと日の目をみた映画『フェスティバル・エキスプレス』
彼等のすごく荒々しくロックな演奏を見ることが出来る正しく必見な映画。
今年中にDVDされるんでは?と思ってますが、どうでしょうか。

最後に。
「ザ・バンド」ってアメリカン・バンドの代表格だと思われてますが、
実はカナダのバンドです。意外に知らない人多いんじゃないかしら。