からくの一人遊び

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Culture Club - Do You Really Want To Hurt Me (Official Video)

2020-05-28 | 音楽
Culture Club - Do You Really Want To Hurt Me (Official Video)



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猛スピードで母は



著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
長嶋有
1972年生まれ。2001年に「サイドカーに犬」で第92回文学界新人賞、02年に「猛スピードで母は」で第126回芥川賞を受賞した。ブルボン小林(コラムニスト)、肩甲(俳人)としても活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

〇あらすじ
「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。現実に立ち向う母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文学界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。

〇レビュー
「猛スピードで母は」と「サイドカーに犬」の二編が収められている。
どちらも子供の頃、過去の視点で書かれた作品であるが、どこかしらノスタルジーというものを感じさせる。ノスタルジーを感じさせるには読者と共有できる体験や言葉がなければならないが、私にとってそれは「手塚治虫」と「ムギチョコ」
過去からの芥川賞の受賞作の傾向というのは、人間心理に潜む恐ろしさを描き、読者を戦慄へと誘う作品が多い傾向にあるように思う。しかしこの作品たちは特に何か大きな出来事がある訳でもなし、離婚や不倫といったシリアスな部分があるにも関わらず、どこかユーモラスである。
豪快なところのあるキャラクターが描かれていることもあるが、真面目でシリアスな雰囲気を保ちながら、どことなく変で、それがなんだかユーモラスな小説になっている。
それは作者の文体によることもあるが、決定的なところは小さい頃の「あるある話」がそれとなく差し込まれていることでの懐かしさのせいかと思う。
本書の二作品は、意外にもともに読了後、爽やかな余韻を残してくれる。「サイドカーに犬」などは、あらすじだけを追ってみれば結構重い話であるが、不幸を不幸としない快活さがある。
「快活さ」、そうかもしかしたらそれこそが長嶋有作品の一番の特徴なのかもしれない。
それがあるからこそ、シリアスな物語でもユーモアを感じるのだ。
最後に、この二作品に出てくる子供たちは非常に愛らしい。
私は小説に出てくる少年・少女たちでこんなに愛おしく思ったのは初めてだ、と思った。
コメント (2)
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