からくの一人遊び

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サントリー天然水<北アルプス>×藤巻亮太コラボ 「まほろば」ミュージックビデオ(ショートバージョン) 2分29秒

2021-07-12 | 小説
サントリー天然水<北アルプス>×藤巻亮太コラボ 「まほろば」ミュージックビデオ(ショートバージョン) 2分29秒



AURORA - Cure For Me (Official Video)



The Monochrome Set - Iceman (official)




"orbe" 田辺玄 + haruka nakamura MV



おまけ
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Monochrome Set - The Jet Set Junta - (Official Video1983)



(ちんちくりんNo,34)

リマッチ



―どうしたのですか。

 僕が電話をかけ終えると隣の居間にいる大家の大山さんが顔を出してきた。座敷に置いてある電話は大山さんの好意により、断りがなくとも使用していい事になっている。しかも、通話時間に応じて料金を払おうとしても大山さんは決して受け取らない。それはとてもありがたいことで、僕は遠慮なく使わせていただいているのだが、元々僕の声が大きすぎるのか、或いは実家に掛けるときはつい強い調子で喋ってしまうので、そのため、隣室にいる大山さんを心配させてしまうことがままあった。

「すみません。実家に掛けていたのです」

「そうなの、喧嘩しているみたいに聞こえたものだから」

「母と話していて・・・。耳が悪いからつい大きな声で」

 そうは言ったが、実は故郷の言葉は標準語とそう変わらない癖に、語尾が妙に強い調子になってしまう。同じ出身者どうしが普通に話していると思っていても外野にはどうも喧嘩をしているようにしか聞こえないようだ。

「あ、・・・で、八月十二日に向こうに帰ります」

「ああ、そう。お盆に帰るなんて、海人さん、ここに来て初めてかしら」

「そうですね」

 お盆に限らず、年末年始やゴールデンウィークなんかも多分殆ど帰っていない。だから、急に帰郷すると母に連絡することは却って「不安」を煽りやしないかと思ったが、意外に母は冷静だった。母の症状が落ち着いてからもう五年にはなるが、それでも極たまに激しい「不安」に襲われるようだし、反応が乏しい時もある。ただそれらの症状は長くはかからないし、普段は家事も出来るし散歩もする。買い物もする。いずれはそういう症状もなくなるだろう、と家族は考えている。
 ごめんなさいね、気になったものだから―、大山さんは居間に戻った。
 さてと、あとは・・・。僕は教育実習の時控えた担当教員の連絡先メモをズボンのポケットから出しかけたが、止めてまた奥に突っ込んだ。「明日、直接行って言えばいいかな」。まずはこちらから、だ。




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