待ちに待ったお月見会
その日、お天気は朝から晴れたり曇ったり
ザッと雨が落ちてきたと思ったら、またお日様が顔を出して
こんなに気まぐれに変わることも珍しいというほど
前日の予報は9日午後は100%雨
野点が目玉のお月見会です
主宰の公民館の担当者も気を揉んでなんどもお電話でやりとり
途中で席を変えることは出来ません
何年か前に、お月見会の途中で降り出し
屋内に引越しをして、大混乱だった記憶があります
もう屋内に準備をと心積もりはしていたのですが
太陽が出てます、せっかくですから屋外にステージを作りますが
お茶席はどうしましょうといわれれば
おまかせしますといったものの
室内と屋外の両方に釜を準備することにしようかと思案
とにかく気を揉ませる空模様でした
荷物を積んで公民館に着いたときは土砂降りの雨
これで決まりました
屋内です
清水公民館のエントランスロビーにお団子とススキを飾り
椅子のお茶席をしつらえることにて
これまでお稽古を続けてきた親子点前は
お茶室で行う、という2本立てで行くことにしました
これが簡単ではないのです、
野点の場合、水屋は一つのはずでした
茶室の水屋はほんの2畳ほどですから
すでに90枚の前売りお茶券が売れている
という状況には対応できません
ろうそくを立てる灯篭を作るなどの準備室に
お借りすることになっていた調理室を
第二水屋にすることにしました
はたして灯籠をつくっても使えるのかしらと心配しましたが
とにかく、みんなで予定通り
灯籠作りをはじめました
これが簡単で
楽しいのですよ
あきかんに障子紙を巻いて色紙などで飾りを貼り付けます
なかに明かりをつけると
透けてロマンチックな灯籠が出来るのです
光源はろうそく
大根に釘を刺してろうそくを立てるのです
この作業で、これからする野点がとても楽しみになるのです
暗い中で、灯りを入れた灯籠を想像して
色紙をいろいろな形に切ったり貼ったり
お子様方の楽しい共同作業で15個の灯籠を作りました
もうこれでお月見会は半分成功したようなもの
公民館の方のテキパキしたお手伝いで
ロビーに椅子のお茶席を作り
テーブルには灯籠を置き、証明を落としますと
そこには幻想的な月夜の野点のイメージが作り出されました
同時に茶室には床の間に満月に「和」の文字の色紙を掛け
ススキと野の花を飾り、客座には赤い毛氈を敷きました
点前座にろうそくを立て、床の間だけ照明をつけますと
これも、ほのくらい夜の野点のイメージ
ゆらめくろうそくの灯りは幻想的な夜の世界を演出するのですね