寒い朝のお散歩で、道端に健気に咲く水仙が話題になったとき、Hさんは、君たちはどう生きるか、という本の最終章に、描かれた水仙の話しが、心に残っていると話された。作者は、昭和を代表する進歩的知識人、雑誌「世界」の初代編集長として知られていると、ウィキペディアにある吉野源三郎。
「同人誌」を見せていただきました。
「新撰組おし」を自認するHさんのルーツのひとつと思われます。
お会いした最初から、新選組が好きとおっしゃっていましたが、
そんなお若いころから、のめりこむように「好き」だったのですね。
手書きの文章に、表紙も、挿絵もかわいい女性漫画の主人公のような
わかさむらいの絵が踊っています。
奥付を見ると、編集者も発行人もHさんご本人で、第一号は昭和52年5月30日。
その日付けは、新選組ファンにとっては忘れられない沖田総司の命日。
そして最終発行は昭和60年のやはり5月30日「廃刊記念」とあります。
通巻34号と記載があるので、8年にわたって活動があったとわかります。
お預かりして家で、奥付を見ながら発行日順に並べてみました。
一冊一冊に思いの詰まった、手書きの文章に、すてきな絵を添えて
手で綴じた冊子をながめていると、何とも言えない思いがこみ上げてきました。
ロシアのウクライナ侵攻は現実のものとなった。
映像から破壊された建物、逃げ惑う人々の様子が伝えられる。
あのチェルノブイリがウクライナにあることを初めて知った。
なぜ、どうして力で何かを変えようとするの。
思い出すのはロシア語同時通訳の米原万里さんのこと。
素敵な美人が独特の視点で、下ネタもさらりと解説してしまう。
縁のあった猫や犬に熱い思いを寄せてたいせつにする。
ラジオのディスクジョッキーも楽しいものだったと聞く。
「不実な美女か貞淑な醜女か」「噓つきアーニャの真っ赤な真実」
独特の経歴をもつ彼女に今のロシアについて何か言ってほしい。
惜しい人は、早く逝ってしまう。