児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

学校の取説 進路指導の意義と役割

2024-07-25 15:17:41 | 教育相談
こんにちは。
暑い日が続きますね。今日も暑いです。皆さんも体調の方は大丈夫ですか。睡眠時間の確保も大切ですね。
日本人は、世界の人たちの中で一番、平均睡眠時間が短いそうです。ストレスも多い時代に睡眠も十分ではない状態では、心身の健康に大きな影響があると思えるのは当然かもしれませんね。

今回からは、学校の組織の中での「進路指導」あるいは「進路指導部」の活動や意義、役割について考えてみたいと思います。

進路指導というと、将来の職業等について指導すること、考えさせることと考える方が多いかもしれませんが、筆者の考えとしては、
進路指導は、生徒に自分の将来の生活の仕方を考えさせる活動だと思っています。将来の自分の生活の仕方やあり方をイメージさせ、その実現に向かって進む力を育てる活動だと思っています。
ある時、ある学生さんと面接をしていました。その学生さんは毎日の生活にもやもやした感情を抱いていて、まったく充実感を感じられない様子でした。しばらく話を聞いているうちに、本人は、その日暮らしのような状態で、ぼんやりしたような感じで生活していたようです。
この場合、本人には、将来に対する明確なビジョンもなく、やりがいも感じられない状態で生活しているようでした。おそらくこれがもやもやの大きな原因だったのかと思います。
そこで話を聞かせてもらっていた筆者は、この問題のポイントは、自分の将来をどのように切り開いていくか、そこに焦点を当てた思考が行われていないことにあると考えて、進路指導の問題であると判断しました。つまり近い将来、中期の将来、長期の将来のいずれにも焦点が当たっておらず、平凡な日々を淡々と過ごしていたのでは、達成するべき目標が不明確なのですから、目標実現に向かっての努力も行われずの状態になっていたということかと思われます。
それからいろいろと対話を繰り返しながら、ここ1から2年の短期の目標をどのように考えようか、中期の目標は?、長期の目標はと対話しました。もちろん相手の考えや思い、話題を十分に尊重しながらです。一方的に筆者が話す場面はありません。
相手が今までの自分を振り返りながら、進んだり戻ったりしながらも、自分の特性や趣味・志望を思い起こしながら自由に話し、もちろん今の生活上の不満等も吐き出しながら話していきました。
そのような流れの中で、本人は、本当に短・中・長の目標を設定することの大切さに自身で気が付いたようです。それからは自分で目標を設定することができたらしく、将来の展望や職業もイメージすることができたと話していました。また、それかどうかわかりませんが、成績が大幅に向上したと本人が話していました。
(以上の例は、多くの事例からポイントを抽出して再構成したものですので、まったく一人の人の話ではありません。念のために記しておきます。)
それぞれの期の目標をなるべく明確に具体的に設定することが大切なことなのですが、とは言え、計画どうりに進とは限りませんので、筆者としては、高校生くらいの年代であれば、10年後にどのような生活ができていれば自分は満足できるか、それについて考えておいてみてと、伝えるようなことをしています。
10年後の自分の生活の様子を考えて、それぞれの人がなるべく具体的にイメージできるように支援すること、これが進路指導と思っています。繰り返しですが、将来の自分の生活を、自分の特性や能力、興味・関心を勘案しながら考えてみて、そこに到達する単一の道でも、複数の道でも可能な道を考えてみるように支援することが進路指導の活動と思っています。
この観点では、生徒指導の目標である「自立的・自律的生活を送る能力を育てる」ことと重なっているかもしれません。進路も生徒指導もそこに到達できるように支援する分野や方法の違いということかもしれません。

小学校の小さい時から、仕事のこと、働くことの大切さ、働くことで得られる自分へのメリット等について関心を持たせ年齢に合わせて考えさせることが大切でしょうし、中学校に入れば、今まで記してきたことを、自己理解を進める活動を行いながら進めることが大切と考えられます。

昔のことですが、少し極論ですが、ある進路指導で有名な学者さんが、「進路指導が適切にきちんと行われていれば生徒指導はいらない」と話されたのを覚えていますが、それはかなり身びいきの論であると思いますが、確かに進路指導がきちんと行われて、それぞれの生徒が自己目標をはっきりとイメージすることができていて、その実現に向かって進んでいれば、他のことには強い興味や関心は少なくなるでしょうから、自然と自律的な生活ができるようになって、生徒指導は必要なくなるかもしれません。本当にそうなると素晴らしいのですが。
若い人は迷いも生じやすいので、やはり継続的な進路指導も生徒指導も必要なのが現実というところと考えられます。
今回は進路指導の意味について総論として考えてみました。この観点に気づいた指導をしている場合は多くないかもしれません。幅狭く職業に関する指導としている例が多いかもしれません。ですので、もう少し幅広く考えていただいて進路指導を進めるのがよいかと思われます。

今回はここまでにさせていただいて、次回は進路指導の具体的な活動等について触れてみたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
何かコメント等がありましたら記していただけると嬉しいです。重ねてよろしくお願いいたします。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿