児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

自死について 3 対策の続き

2025-02-05 15:33:04 | 学校での活動について
前回の続きです。

いつも見ていただきましてありがとうございます。
少し前に、メディアで青少年の自死が最多になったと報道されました。投稿主の少し関係しているところでも、そんなこともありそうな部分もありまして、自死について、何とかできれば予防をしたいなあと思うところですので、自死に触れながら考えてきました。予防としての方途について全体的に記してみましたが、具体的な方策も必要かと思われ、少しではありますが、記してきました。前回は心を健康に保つ方策や、いざというときの話の聴き方等に触れてみました。

 今回は、続きで、
対策について、少し具体的に触れてみたいと思います。
心理教育の推進はとても必要なことです。相談窓口や相談を受けてくれる人の配置、その組織に属している人が誰でも聴いてくれる人になれるようにすることも大切です。

 今回は、自死の念慮や意図や企図につて、できる限り早くに気づき発見できるようにすることの意義について触れてみます。自死に至る場合は、そのかなり前から何らかの信号を出している場合が多いと考えられます。その信号には、気づきながらもそのままに放置されている場合や、まったく気づかれない場合や、何となくおかしいかな等を思いながらも組織の中等では共有されずに、そのままになっている場合が多いと思います。もっとも、最近は孤独・孤立で生活している人も多く、人との触れ合いもない場合が多くありますので、何とも言えない所です。孤独・孤立の人が突然に衝動的・突発的な出来事を生じさせる場合もあるので、対応が難しいところです。やはり行き過ぎた個人主義や相互に無関心が広がりすぎると大変な状況にもなるかと思います。

 該当の人への気づきを得るためには、やはり人間関係が存在することが必要です。物理的な距離が遠すぎれば、心理的な距離も遠くなり、気づくチャンスが失われてしまいます。
 一緒に生活していても気づけないこともあるので、大変です。学校でも企業でも、いい意味でプラスの意味で相互に関心を持つことは大切と思います。
 最近もメディアで、おかしなことがあるようですが、人権に関しても鈍感さが支配しているようではだめです。変な事件が起こります。「のり」を重視していて、「のり」が支配的な人間の集団は、付和雷同的な雰囲気が支配するようになりますので、いつかおかしなことになります。上司が「のり」だけで活動しているようでは、勤務者は大変です。
 
 少しずれましたが、ある有名な哲学者が、「観察と実験だけが真理に近づく方法だ」と言っているようですが、本当に良い意味で観察することが極めて大切と思います。観察とともに必要なのは健全な「感受性」です。「共感力」といってもいいのかもしれません。「共感力」の大切さは、何度言っても言い切れません。人を人としているのは「共感力」だと思います。単純に言えば、人の気持ちがわかるということかと思います。
 共感力と言うことは簡単なのですが、残念ながら共感力を発揮するのはかなり難しいことと思います。特に優れた共感力は難しいです。
 と言うのは、人は他の人の気持ちに気づくよりも、あるいは気づくように努力するよりも、自分の気持ちの方を、どうしても優先してしまいがちになるからです。共感ができるようになるには、自我・自分をコントロールできる節制力がとても大切です。

 そしてこの「節制」が極めて難しいことなのですね。聴く人が自己を節制して聴くと、相手は自分の思いを表現することができるようになります。この自己表現が大切なわけですね。そして表現に共感してもらえると救われたような心情になりやすいのですね。
 救われるということは、そこに自分以外の人が確実にいるということを実感することですから、孤独や孤立から離れることができるチャンスになることも考えられるわけです。
 孤独な人の心には「鬼」が住んでいて、それが暴れまわるようになるとさまざまなことが起こってくるわけです。孤独・孤立が長く続いて、他の人からの関心がなくなるということは、人間と言う存在にとって一番いやなことなのだと思います。

 周りの人が、共感力を自覚しながら該当の人をきちんと見ていて、必要に応じてそれを発揮できるような状況になっていると、救われる人が多くなると思います。
 そして共感力の発揮に到達するまでに必要なことは「観察力」だと思います。観察こそが人への関心をもたらすことであり、相互に人間になれる貴重な機会であると思われます。マイナスを探す観察はダメですが、プラス、あるいはプラスを探すということでなくても、自然で素直な心から生じる観察が本当に大切と思います。
 
 人間は正直な存在ですから、こころの中にあることは、自然に外部に出てきます。その出方に着目して見ていれば、自然に相手の状況に気づけると思います。
 「手は外部脳」と言う話を聞いたことがありますが、手の動き一つでも心の中のことが表現されています。ずうっと昔のことですが、「咳一つで知れ、感受性」と言う言葉、当時の学び集団の標語を聞きました。咳一つでもその様によって心の内がわかるということかと思います。あるいはわかるくらいになりなさい、と激励された言葉かと思います。
 これは名人技ですが、そのくらい人の内情がわかるようになると素晴らしいということでしょう。なかなか難しいことですが・・・。

 発見は、発見しようとする心の働きによって可能になると思いますが、そうでなくても自然で素直な純粋性のある心でも可能と思います。専門的な知識や技術よりも、一般的な人の素直で純粋な心の方が発見に役立つことは多いと思います。但し、一般的な発見はそこで止まってしまう可能性があるので、その先に進む専門性等があると思われます。
 
 要約してみると、人と人の自然なかかわり、サポートしあおうとする心の働きの実行、互いに個性等を尊重しながらも親和的な人間関係が保たれていると、観察も共感もしやすくなると思われます。人の心の働きが自然に発揮できることが一番大切なことと思われます。このような働きが回復できるように望んでいるところです。

 今回はここまでにさせていただきます。また見ていただけますようよろしくお願いいたします。



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自死について 3 対策を考えてみると・・・

2025-02-03 17:32:05 | 学校での活動について
自死について 3 具体的な方策を考えてみると・・

今回は表題のようにしました。見ていただければ幸いです。

 前回で1の項目としてあげた心の健康に関する教育の活動で、できそうなことやこうし
てみたらどうかと言うようなことについて触れてみます。

 ストレスがとても強い状況ですので、それらへの対処の方法を知ることが必要と思いま
す。
 ストレスの強さは、睡眠の質と大きな関係を持っていると思います。過剰なストレスで
睡眠が浅くなったり眠れなくなったりします。その状態が続くと、そのこと自体がストレ
スになったり不眠の状態になったりします。それで、良くない方への循環が始まり強くな
ってしまいます。
 眠りたいのに眠れないのが続くと、衝動的や突発的な行動に出てしまうことがあります
ので、十分な注意が必要と思われます。ストレスの影響を強く受けていると思われる人の
周りにいる人は、相手の人が眠れているかをきちんと確認する必要があると思います。
 眠れていなそうに見えれば、その時は、多くの周囲の人がフォローする必要も出てくる
と思います。
 但し、多すぎる言葉、多すぎるかかわりは相手を追い込む危険性もあると思いますので、
十分に注意をする必要があると思います。学校ではSC等との連携が必要でしょうし、会
社等では、専門職との連携が必要かと思います。
 受容的な雰囲気や親和的な関係が大切です。孤独・孤立ではないことを相手が感じ取れ
るようにしていくのが基本と思います。医療への受診も必要なケースがあるとも思われま
すので、風邪で受診するのと同様な感覚で、受診を勧めることも考える必要もあると思い
ます。

 話が具体策から少し離れましたが、具体策としては、医療の受診と服薬とは別に、以下
のようなことが考えられると思います。但し、これも該当者がもうすでに追い込まれてい
る状態だと、実施しようとしてもうまくできずにストレスがかえって増すことも考えられ
るので、留意が必要と思われます。

 適切な呼吸の仕方、落ち着いたある程度深い呼吸法を身につけること。呼吸法ですね。
それから身体をリラックスさせる方法を知ること。この方法はネットにも多く紹介されて
いますので、検索で調べられると思います。ストレッチや体操は、自分に適したものを知
っていると、いつでもできて良いと思います。

 自律神経は、心の働きを正常に保つのにとても大切です。ふだんは自律的に働いていま
すが、ストレスや不安、心配、イライラ等が長く続くと、自律神経の分野まで影響してき
ます。これが乱れると心身に不調が現れやすくなると思います。継続的に必要な実施しや
すいストレッチ運動を知らせることも必要です。身体に良いことは心にも良いことが多い
と思いますので、予防の点から教えておくことも大切と思います。
 支援者もやってみて経験しておくことがよいと思われます。その他として、自律訓練法、
リラクセーションの方法、ヨガ、マインドフルネス等々、多様な方法を伝えておけると良
いと思いますが、専門性の高いものは多少の練習や研修が必要な場合もあると思いますの
で、留意が必要です。

 感情の取り扱いの方法も大切な知識だと思います。時々の自分の気持ち・感情をきちん
と自覚することができ、状態に合わせて解放しやすくするようにしておけると良いと思い
ます。
 感情の解放に必要なもっともよい方法は、話をきちんと聴いてくれる人がいることです。
さらに共感してくれれば、それはとても助かることです。共感は一番良い援助法です。何
もしてくれなくても、傍に人がいて、共感的に話を聴いてくれれば、それが不安やいらい
ら等の中にいる人にとっては一番ありがたい人です。共感力は最大の援助力です。
 相手の話を評価をせずに、真摯に耳を傾けて聴く、余分なことは言わないことが相手を
再起させるコツと思います。但し、あまりにも落ち込みすぎている、すでにひどい不眠に
なってしまっているような場合には、医療の力を借りることも必要になります。

 心療内科や精神科は、身近な診療科です。いつでも利用可能です。医療が必要な人が偏
見を持たないように適切に知らせておくことが大切と思います。但し、医療に任せきりで
は良くならないことが多いです。少しずれますが、不登校でも医療の力だけで再登校に至
った例は多くないのではないかと思われます。周囲の人の力が本当に大きいと思います。
医療をはじめとして、各種の相談機関、カウンセリングルーム等と、学校その他組織の連
携が一番大切なことと思います。
 
 感情、特にマイナス感情が内にこもってしまうと、動けなくなります。マイナス感情が
自分を責めるからです。責め始めたらそれは循環してさらに強くなりさらに動けなくなり
ます。マイナスに焦点化すると、マイナスの循環になってしまいます。ルソーが「手を洗
えばさらに汚くなる」と言いましたが、汚さにとらわれてしまうと、汚さから逃れられな
くなってしまうこともあります。
 ある中学生は、一度制服を着ると、それをすべてアルコール消毒しないと二度と着られ
なくなりました。どこかに汚れが付いていると思って着られないわけです。そのような例
もあります。普通の清潔度で十分なのですが、気に病むとそうなるわけです。この循環か
ら抜け出すのは本人だけの力ではけっこう難しいです。
 ですので、その現状を受け入れつつ、そこから抜け出られるように、相手のペースを尊
重しつつ、回復できることも尊重しつつ、あきらめずに適切に歩むことが必要と思われま
す。

 当人が感情を解放できるようにするには、聴く人が必要と思われますが、加えて、当人
の、感情処理に関する知識も必要です。自己表現をしてよいこと、する方が良いこと。聴
く人がいること。話し方、話す方法を教えることも必要です。自己表現のソーシャルスキ
ル(生活技術)を学ばせることが、予防としても大切です。これは方法があるのですが、
ここでは書ききれません。あらかじめ場面を設定して、それぞれの場面での表現法を考え
させる、教えることが必要です。後に余裕があれば触れてみたいと思います。

 他に、毎日の感情を記録すること、その時にあまりマイナスの感情ばかりに注目しない
で、プラスの感情を多く書いてみること、例えば今日一日に良かったこと、嬉しかったこ
と等を書いて、一つだけ、嫌だった、さみしかった、怒ったことなどを書くようにして、
プラスを多くして、一日を終える等の工夫が必要と思います。これは下がってしまってい
る自己肯定感を少しでもあげるという意味です。一日がプラスで終えれば、安眠にもつな
がりやすと思います。
 アート療法、音楽療法、などもありますので、本人の興味や関心・特性に応じて活用で
きるように伝えることも必要と思われます。他にも方法はあると思いますが、検索等をお
願いします。
 今回は、長くなってしまいましたがここまでにしたいと思います。また続きを記してみ
たいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。
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自死について 2 予防的な面について 

2025-01-30 11:17:39 | 学校での活動について
こんにちは。いつも見ていただいてありがとうございます。

 この記事の表題は、自死について 2 予防的な面について となっていますが、当方の不手際で、この記事を出すときに、自死についての1を削除してしまいました。

 そのため、この記事が突然に2から始まっていますので戸惑いの方もおられるかと思います。また、1の内容が不在ですので、それとの関連での3 4 がわかりにくいと思います。
 で、追加のようで申し訳ありませんが、前回の内容について、まったく同じにはなりませんが、このような内容でしたと、概要のみでもあげておきたいと思います。いきさつをご理解していただきまして、よろしくお願い申し上げます。

 前回は、1として、心の健康に関する教育の活動を、いろいろな場所で、継続的に行うことが大切と記しました。時代が複雑で進む速度や変化が大きく、ついていくのが大変です。特に青少年にとっては大変なことと思います。
 自分の心を取り扱うことも大変です。どうしてもゆがんだり圧力に押されたりしがちです。心の平衡を取り戻す具体的な方法を知っていると、何かの時に役に立つと思われます。 
 ストレス等の正体とそれへの対応法を知らせておくことが特に必要と思われます。また、その教育を行う過程で、人間関係の大切さや互いに心を大切に扱うことの大切さが学べればよいと思います。
 具体的な方法は、今ここでは触れられないので、次回以降にしたいと思います。

 2としては、話ができる場所や人がいることが大切です。孤独・孤立と不安が重なると、本当に対応が難しくなります。人間は人の間に存在するのが基本的な特性ですので、孤独や孤立は本来的なものではありません。しかし、心が健康であれば、ある程度のそれには対処できるのですが、様々な条件が重なるとわずかのことでも大きく影響することになります。孤独・孤立の継続はいずれの日にか、心の健康に大きな影響を与えることになると思われます。
 人間相互の親和的な関係が保て、自己表現が楽にできる場所が本当に必要です。必要な時代です。
 ですが、時代は自由主義、個人主義、競争主義です。これは行き過ぎると大きなマイナスの影響を人々に与えると思われます。
 関係性の確保できる場所や人が、どの組織や集団でも必要と思われます。
 もう少し具体化した部分は後に触れてみたいと思っています。


 前回からの続きです。自死は何とかして防ぎたい大きな項目であると思います。

3 早期発見が必要そうな人、自死の予防が必要そうな人を可能な限り早く見つけ出すようにすること。

 早くに発見することがとても大切なことですが、これも実際にはなかなか難しいことでもあると思われます。全体的に言えそうなことは、だんだんにエネルギー感が下がってきている人、その人の能力を生かせていないような状態にあるように見える人、逆に不自然に気分が高揚しすぎているようで、頑張りすぎ等の状況に見える人、鬱に対して躁の状態にあるような人、これらの人に留意をしていくことが必要と思います。異変に気づくことができることが大切と思います。
 集団の中で、何かちょっと違うよねと思える人がいたとしても、その集団の構成員の間の人間関係がよくないと、誰も話題に出すことができない、出さない、避けるような状況になってしまうと思いますので、ここでも集団の中の人間関係がとても大切と思っています。
 今の時代は、学校でもどこでも人間関係が表面的なものになっていることが多く、他者のことには口を出さない、関心を持たないようにする等が多くなっていると思われます。
 周囲にいる人の影響力は大きいと思われますので、日頃から、いわゆる風通しを良くしておくことは本当に大切と思われます。親和的な学級、学校、組織、集団を作るように努めることは本当に大切なことと思われます。
 具体的なことは今後に触れます。

4 社会全体で予防に取り組むこと。

 自死については、社会全体としては少なくなってきていると思いますが、それでも結構多くの事例が出ているのが現実です。予防対策は機能しているかもしれませんが、さらに一層の全体的な対応が必要と思われます。
 小中高の生徒の増加、大学生の状況等を見ても、若い人の自死の増加が問題です。企業等の場合には、最近話題のメディアのように人権感覚の欠けた組織もまだあり、前近代的な権威主義的な経営が行われている組織もありますが、それでも少しずつですが、人権感覚は広がってきていると思われます。
 学校の場合には、対象が子どもや青少年であることもあり、ふだんの指導においても、まだまだ権威主義的、上意下達的なことが行われていると思われます。子どもや青少年が自分の気持ちを指導者や上の人に伝えることはとても難しいと思います。エネルギー感の下がってしまっている子どもには特に難しいことと思われます。
 対象にかかわり、耳を傾けて丁寧に聞く、あるいは聴く活動がどうしても必要と思われます。学校はこれが行われにくい場所になっていると思われます。聞くことは一つの大きな方法です。聞けなければどうしたらよいか、対応の方法がわかりません。話すより聞く、聞けない場合は一定の時間を共有するでもいいかとも思います。場と時間を共有することで相手が情緒的に少しでも落ち着くことができれば、それが予防の活動になると思います。
 家庭も社会の構成要素ですから社会の一部です。親子関係について確認しながら進むことも大切なことと思われます。

 自由主義、個人主義、競争主義、資本主義が進みすぎた場合は、それに伴うマイナスの要素が大きく出る可能性があります。特に社会の弱い部分に出ると思われます。もう出ているとも言えると思われます。
 今回はここまでにさせていただいて、次回はそれぞれの項目についてもう少し具体的に、やること、できそうなこと、等について触れてみたいと思います。よろしくお願いいたします。


 





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1月の活動

2025-01-06 10:35:22 | 学校での活動について
新年おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

生徒指導について触れてきましたが、今回は表題のように1月の活動について簡潔にですがUPしてみます。

1月の活動

1年生
 本年の計画づくりや意識づけを行いながら、日常生活の充実が大切なことを伝える。年初でもあり、生徒に「自分自身の個性、私を生かすことについて、私の生かせるところ」等のテーマで考えさせたり文を書かせて、自己についての客観的な意識を持たせる活動を行う。

2年生
 年初の新たな気持を持てる指導を行い生活設計をきちんとさせる。上級生の入試活動の経験について注目させ観察させる。この時期の生徒が感じやすい悩みや不安についてアンケートを行い、解決への支援として学年を対象にワイド相談を行う。

3年生
 年初の新たな気持ちを確実に持たせ、まとめに向かって整理を行う。やれたことの明確化、やってきたことの整理を行う。将来の生き方や人生への構えの自覚を育てる。自分はこう生きるの気持ちを持たせる。学習の状況を確認し、必要な指導を行い、焦りや不安の軽減を図る。
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生徒指導の取説 4 人の成長を促す過程

2025-01-02 15:25:30 | 学校での活動について
 新年おめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。投稿主なりのペースになるかと思いますが、なるべく多くUPしていきたいと思っています。

 今回は人が人を成長させる方法や過程について触れてみたいと思います。今述べているのは生徒の自立と自律を促す生徒指導のやり方について触れています。
 人と人の関係の中で対象の人が育っていくと思いますので、それをわかりやすくはっきりさせてみたいと思っている次第です。
 支援の過程は、以下のようになっていると思います。まずは、人と人の間に人間関係があることです。関係がなければ当然交流する機会がないのですから、相互に影響力はなしと言うことになると思います。物理的距離は心理的距離と、心理学の臨床の方で言いますが、遠い所に立っている二人には影響はありませんね。
 そこで、二人が近くに立って、人間関係を作り、相互に影響を及ぼすことができるような距離にいることが大切ですね。これが物理的距離と心理的距離と言うことです。近くに立つ人間関係が大切です。同じ場所にいても関係がなければ距離が遠いのですから何の変化も起こらないというわけです。
 学校では、同じ教室の中にいても、支援者の考えや行動によっては、距離がとても遠いということもあるわけですね。ですので、まずはこの点を自覚することが必要と思います。前にも触れましたが、支援を必要としている人が支援をする人に自ら近寄ってくるということはほとんどありません。特に子どもの場合は、本人が自分や自分の環境をはっきりと自覚できるということはないと思われますので、支援者の方が注意してよく見ておくことが大切です。ただ、子どもの場合は体調が悪いとか、おなかが痛いとか、頭痛とか、何となくすっきりしないとかの表現はあるかもしれません。
 心のことが体に出ている可能性は十分にあります。いわゆる「心気症」の状態ですね。この場合には、裏側に心の問題が隠されているわけですから、支援者は、本当によく見て多面的に理解することが必要です。小さい子どもほど、自分の心を言葉で表現することができません。

 人間関係を作るための活動を全体として、「かかわり活動」と言ってもよいと思います。支援者は、かかわり活動を常日頃からすべての対象者に対して継続的に行います。特に支援者から見て、サポートが必要と思われる対象者、何か不全的な状況を示している場合には、日常的にきちんと意識を持って忘れることなく観察を継続する必要があります。
 子どもの状態をよく丁寧に見ながら、関係作りを進めます。声掛けを多くするとか、名前を多く呼ぶとか、机間巡視の際にも自然に少し立ち止まって見るとか、何か工夫ができるかと思われます。
 くどいかもしれませんが、支援者に求められることは、いつも意識してみることと思います。但し、学校では特にそうなりがちですが、教師的な目でマイナス的な部分ばかりを見ることでは関係作りはできないと思います。子どもも他者からの見られ方にはけっこう敏感です。特に課題を持っている場合ほど敏感ですので、できるだけ良さを発見するような気持ちで見るとか、少なくとも客観的に見て課題を明らかにするようにして、それへの対策もプラスの視点で考えながら見るとかの意識は必要と思われます。
 なぜかかわり活動を行うのか、それは子どもの成長を一層促すようにするため。子どもをさらに育てたいという意識の存在が必要と思います。
 高学年や中・高生の場合には、かかわり活動を行う中で相手との人間関係、さらに信頼関係を作り、相手が支援者に対して何らかの自己表現をしやすくするためと考えてよいと思います。

 子どもの問題・課題の原因は、その子どもの心の深いところにあることが多いです。それを上手に扱って、原因の解消や軽減を図らないと、対象の子どもの態度変容、行動変容は起こらないことが多いです。態度変容や行動変容につなげられるように、その第一歩として、かかわり活動を行い、人間関係・信頼関係を作るのが必要と思われます。

 今回は、ここまでにさせていただきます。今後もよろしくお願いいたします。





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生徒指導の取説 3

2024-12-20 10:31:06 | 学校での活動について
 いつもお世話様です。生徒指導について続けてみます。

 生徒指導の意義や目標は相手の子どもの自立と自律の生活を促すことでした。これは何度も繰り返していますが、忘れることはできない基本的な考え方です。
 現実の学校では、この基本的なことが十分に意識されないままに「生徒指導」と言う言葉だけが先走りしてしまって、生徒指導は、生徒を校則や規則に従われせるための活動ととらえられてしまって、こわもての権威主義的な人が行う活動のようになってしまっているのが現実かと思われます。この点から、学校現場でのいろいろな指導者による問題も多く起こってしまっているようです。
 規則等を守る指導も、大切な指導ではありますが、それが生徒指導の中心的な活動になってしまっては、生徒指導の理念も十分に生かせない、偏った指導になると思います。日本の国は、伝統的に権威主義的な要素が強く残っていますので、そうなること多くあると思われます。
 生徒指導は「ガイダンス」の考え方が浸透して、様々な基本的理論の側面や知識・技術がもっと重視されると、個々の生徒を本来的に伸ばせる学校教育になると思われますが、現実は残念な部分が多いようにも思われます。
 生徒指導の内容、すなわちもっと理論的に的確に生徒の伸張を図る方法等がはっきりしていませんので、何をやれば本来的なガイダンスとしての生徒指導になるのか、学校全体での共通理解もあまりありませんので、曖昧模糊とした規律指導に終始するという形になっていると思われます。

 さて、最も簡単に、生徒指導の意味について記してみたいと思います。これは学校ばかりではありませんが、いろいろな組織で、社会生活の中で、例えば二人の人間が相互にかかわって、例えばそれが年長者と年少者の関係であれば、このかかわり、人間関係の中、ふれあいの中で年少者がさらに意欲的になり、前向きに生活するようになり、その年少者の能力を伸ばすような活動ができたとしたら、それは一番良い生徒指導の活動であると思います。
 学校の中には、いろいろな生徒がいますから、例えば問題行動の多い生徒、意欲の低い生徒、発達系の障害も持っていると思われる生徒などに対して、それぞれの生徒との人間関係を積み重ねることで、生徒の伸張を図ることができたら、それは生徒指導の基本的な目標を達成したといってもよいと考えられます。
 但し、子どもは発達過程の中にいますので、次の課題もすぐに表れてきますので、継続的に生徒指導を行うというのが基本になると思います。

 先生・支援者と接することで、対象の生徒が元気になり、それまで以上に前向きに正しい方向に活動しようとするようになり、それこそ、自分の考えと足で活動していくようになれば生徒指導の実践として素晴らしい活動と言えるとおもいます。 
 但し、この活動は学校の中で目立たず、あまり取り立てて取り上げられることもなく、その活動を行っている人が賞賛されるわけでもなく、普通に進んでいくのが現実です。でもこの活動が一番大切な活動だと思われます。
 非行の生徒が立ち直っていく、不登校の生徒が再登校するようになる、意欲の低い子がその子なりに学習に取り組むようになる。これらの裏側には、よく見ると必ず、本来の生徒指導を着実に行っている人がいるのを見つけることができると思います。権威主義の人が感情的に怒ったり、大声を出したりしていることが生徒指導の進展につながっているというわけでもないと思われます。

 子どもがよい方に向かっていく活動に着目して、何をどのように行っていることが結果につながっているかを明らかにすれば、自然に生徒指導の内容が明らかになると思われます。
 それを明確化・理論化して、それぞれの現場で着実に実践していくことが子どもを伸ばす原動力になると思われます。一番大切なのは、支援者・教職員の人間関係能力だと思われます。それぞれの生徒との間に信頼関係を作り、適切に子どもと言葉を交流し、その中から、子ども自身が大切なことに気づき、自己の目標を設定することができ、その目標の実現に向かって意欲的に歩む過程を作り出せることが生徒指導の能力であると考えられます。
 このような過程を形成するための活動が生徒指導ではないかと考えているところです。

 今回はここまでにさせていただきます。次回以降も生徒指導のもろもろに触れながら何をどのように行うかについて記してみたいと思います。また、人間関係能力のことにも触れてみたいと思います。またみていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。では、また。
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生徒指導の取説 2

2024-12-12 17:44:13 | 学校での活動について
今回もよろしくお願いします。
先日の生徒指導の取説は、多くの人に見ていただきました。ありがとうございました。
今回も続けてUPしてみたいと思います。

 生徒指導は、生徒の自立と自律を促す活動が中心と思います。
 この点について、少しの思いを記してみます。
 ここでは、学校を中心に行われる活動を取り上げていますので、生徒指導と言う言葉で代替して表現していますが、大人間の関係、例えば組織における人間関係でも、家庭における親子関係でも、その他の人間関係でも、自分がかかわる相手の人が、かかわりの中で、不安や不満、怒り、憤りの感情等が少なくなり、一方で、心の落ち着きが図られ、情緒が安定し、今の生活に意欲を持って積極的に取り組めるようになり、前向きな生活が続くことで、その個人の能力が一層高く発揮できるようになれば、そのかかわりは生徒指導のかかわり、生徒指導の活動と言ってよいのではないかと思います。

 人間関係の中で、気持ちが落ち着き、意欲が高くなり、いろいろと経験して、あるいは話の中で新たな大切なことに気づき、その気づきを実際の活動の中に生かすようになり、より積極的な前向きの生活が営まれるようになること、これが生徒指導の中心的な成果と考えられます。

 少し口説くなったかもしれませんが、人と人がかかわっていく中で、成長の方向に生きていくことができるようになることが生徒指導の本質的な目標と考えられます。
 この観点では、生徒指導は人間関係論的な成長促進の活動と言えるかと思います。支援者と生徒が触れ合う中で、生徒が自然に意欲化され、一層成長するようになれば、それは本当に素晴らしい生徒指導であると思います。
 ただし、その技法には、留意が必要な点もあると思われます。どのようなやり方であっても、相手が意欲化すればよいとの考えでは、ある意味、時々問題が生じる事例もある、いわゆるスパルタ式の指導も生徒指導とされてしまう危険性があると思います。
 やり方を問わず、意欲化を最優先にすると、支援者の思惑や思い込み、経験主義的な技法で生徒指導を行うことにもつながってしまいます。そのようなやり方は、相手がその支援をどのように受け止めるかわかりませんし、年齢的・発達的な特性で、誤っていることも受け入れてしまうことがありますので、それは注意する必要があると思われます。
 単純な思考、経験だけで判断して行うものではなく、きちんとした理論的な背景のある考え方や技術に基づいて行われる必要があると思われます。
 高校のスポーツなどで、高校在学時は意欲的に取り組んで素晴らしい成果を得ていたが、上級のレベルに行くとほとんど活躍もできず、意欲的な活動もできないで終わってしまう例も多くあります。そして、ただ過去を懐かしんでいるばかり、自分に正しい自己評価もできない状態になってしまう、このような例では、適切に生徒指導が行われたとは言いにくいでしょう。
 その場、その場で必要な前向きの生活ができるようになること、自立と自律ができて適切な生徒指導が行われたことになるかと思われます。

 学習指導でも、生活指導でも、進路指導の中でも、生徒指導はどの場面でも行われる必要がある活動です。かかわりの中で相手を生かす、伸ばす活動だと思われます。
 生かすこと、伸ばすことは、究極的には相手を意欲化することと考えてよいと思われます。生徒と支援者・教職員のかかわりの中で、生徒が伸びて行ったらそれが本当の意味での生徒指導と言ってよいと思われます。

 今回は理念的な言葉が多くなりましたが、次回は、相手を伸ばす人間関係の作り方やその技術について記してみたいと思います。
 生徒指導の中心になる人間関係論です。よろしくお願いします。その次は、今後の生徒に必要とされる生活技術とその身につけ方等の指導についてなどを記してみる予定でいます。今後もよろしくお願いいたします。他の方に紹介していただけると幸いです。では、また。

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生徒指導の取説

2024-12-10 11:14:01 | 学校での活動について
当方の多用で、12月の活動3は投稿できませんでしたので中断します。内容は、3年生の精神的安定と進路実現への支援をどのようにするかでしたので、1年と2年の部分を読んでいただいて援用することでよろしいかと思っています。
何事につけ、教育の活動は、支援者・教職員と生徒の関係が一番影響がありますので、その部分をどのように作って継続と深化を図るようにすることが大切と思っています。

今回は、生徒指導の部分に戻って、また投稿してみたいと思っています。よろしくお願いいたします。

生徒指導の定義と言いますか、意義や目的ですが、前にも触れましたが、生徒指導は児童生徒の自立と自律をめざした活動です。これは変わりません。自立は自分の足で立つということですから、それぞれの本人が誰かに必要以上に依存している状態ではなく、年齢に応じて自分の力で生活して行けるということです。
自立は、本人が自分の生活を自分の力で統制できる(コントロールできる)と言うことですから、適応的な行動を自分の考えや力で実践できるということと考えてよいと思います。

自立や自律の力を伸ばしてやることが生徒指導の活動です。とは言え、これだけですと行うことの具体的な内容は提示されていませんので、何を行ったらよいかわからなくなって、支援者集団における共通の理解もなくなって、実際には本当に必要なことが何も行われずに、「問題が起こらなければよし」の状態になって、生徒の自立や自律を一層促す活動は見られなくなり、多くの学校で行われているような、規則を守らせる活動、行動を規制する活動、罰と反省を促すだけの活動等が中心の活動だけになってしまっているようにも思われます。
これらも生徒指導のいちぶではあり必要な活動ではあるのですが、こればかりになってしまうと本来的な生徒指導は行われにくいものになってしまうと思われます。

けっこう生徒指導はあいまいな部分があり、しかも内容も奥深いので、本当に必要なことに気づき、それを実行するための手法の勉強も必要なので、多忙な学校生活の中ではその部分の勉強・研修が不十分になると思われます。
またさらに、生徒指導の理論と言うようなきちんとした体系がないのも研修を難しくしているように思われます。

生徒指導が適切にきちんとできる支援者・教職員は優れた支援者だと思います。でも実践はけっこう難しい部分があるとも思われます。
教員になるための、大学等における課程でも生徒指導の理論はありませんので、それもあいまいさの一因かと思われます。
自学・自己研修にゆだねられている生徒指導ですが、今日における学問研究分野の進展によって、ある程度の内容と範囲をほどほど明確にできるのではないかと思っています。

児童生徒が社会生活を営んでいくうえで必要となる考え方や生活上の技術等を抽出して、その内容を学校教育上の生徒に教えるのが望ましいと考えられる部分、それを知り身につけることで生徒の自立と自律を促す内容を実践可能な教育内容としてまとめていくことで、具体的に使えて生徒を育てることのできる手立てが作れるのだはないかと考えられます。

今回はここまでとして、次回から生徒の自立と自律に役立つと思われる具体的な内容について考えてみたいと思います。



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12月の活動 その2

2024-11-24 08:29:27 | 学校での活動について
今回も12月の活動について続きを投稿してみます。
よろしくお願いいたします。

前回は、学校における12月の活動について、1年生を中心に記してみました。今回は、2年生について触れてみます。
短文のまとめは前回にありますので、それを少し詳しくいろいろな面に関連させて記します。

2年生
 2年生は学校生活の後半になります。そしてこの年末は、後半を充実させることへの意識をきちんと持てるようにすることが大切と思います。1年生と同じことですが、年末の振り返りをきちんとすること、生徒と支援者・教職員で同時に行うことが必要と思います。面接、アンケートその他の活動は1年生と同様でよいと思います。
 これから進路の実現に向けた本格的な生徒の活動を始めさせるように促します。それには現状の把握・理解、自己の特性と課題の明確化が大切になると思います。この点をポイントにしてどのような活動を行うかだと思いますので、それぞれの考え方で工夫をしながら進めていくことでよろしいと思います。
 進路を考えるとなると、現状の社会状況を知ることが必ず必要になりますから、それらに関する情報は日常的に提供していくことが必要です。社会への関心が高まるだけでも効果があると思います。
 2年生の後半は、将来が近づいてきて、漠然とした心の状況、混とんとした心情になりやすいと思いますので、いつもと同じですが、情緒の安定がとても大切と思います。
 安定をもたらすのは、親和的なクラスの状況と、共感的な交流の存在だと思われますので、クラスづくりは引き続き大切と思います。支援者・教職員との共感的な交流も同様に大切だと思います。
 進路実現を強く考えている生徒の中には、次の学年で使う教科書を2年のうちに手に入れて自分で予習等を行い始める生徒もいます。受験の先取りは競争を激化させるので、必ずしも良いこととは思っていないのですが、そのような生徒もいることが現実かと思います。現実も無視せずに、自己の特性を磨く心持ちを育てることができたらよいことと思われます。
 成績不振生徒に対しては、やはり個別指導を行うことが必要です。今年のうちに指導をきちんと行います。指導と言っても。教職員からの一方的な働きかけでは効果は期待できにくいので、相互的な交流、人間関係力で乗り越えるようにすることが大切です。


今回はここまでにさせていただきます。

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12月の活動 その1

2024-11-23 15:59:43 | 学校での活動について
こんにちは。また投稿してみます。見ていただけると幸いです。
今回は、12月が近づいてきましたので、月ごとにやっている各月の活動について、12月を取り上げて投稿してみます。

12月の各学年や学級での活動について、学年ごとに記してみます。

1年
 
 中学ではどうかわかりませんが、高校では、1年生や2年生では、年末に個別生徒面接を行う学校が多くあると思います。 また、行われない学校もあるかもしれませんが、この時期は、やはり一年の振り返りを行うことが大切で必要とも思われます。
 個別面接が行われる学校では、その機会を利用し、行われない学校では、独自にクラス担任と生徒の意見交換を行う機会があった方がよいと思います。この時期の面接はメリットが多いと思います。
 面接の代わりに、各生徒に一年を振り返ってのアンケート調査のようなことを行うのもよいかと思っています。
このページを読んでくださるような教職員の方は、知っている人も多いかもしれません。またよく知らなくても、「構成的グループエンカウンター」と言う言葉を聞いた方もおられるかと思います。これは略称でSGEともいうことがあります。そのSGEの中に、生徒の活動として、「一年間の棚卸」というような名前が付けられた活動があります。関係の本を見ていただければすぐに探せるとは思います。細かいところまで記すわけにはいきませんが、これは、過去一年の自分の心の状態の変化を、上がった下がった等の線で記してみようというものです。上がりの時には、何がどのように作用して上がったのか。下がった時にはその作用ポイントは?、等を文字であらわしてみようということです。
 一言でいえば振り返りを十分に行わせることですね。自分の状況と自分の活動や行動がどのようにマッチングしているかについて自ら考え感じさせるということですね。自己省察の活動と言うことですね。
 この活動や類似の活動で、自分を客観化させてみるということです。自己を客観的にみられることは、生徒が自己理解が自分の力でできるということですね。それは大人に近づいたということです。
 自己の良さや要改善点、活動・行動の成果への影響を自分で理解できることです。ここまでできれば、自己理解も相当進みますので、自己の今後の課題も自分で発見できて明確化することができると思います。
 ここまでできると、自立した生徒と言うことですね。今、別のところで扱っている生徒指導の目標です。年末は自己を振り返る貴重な機会になると思いますので、工夫をして何か活動ができると生徒の成長を促すことができるかと思います。特に高校一年のこの時期の振り返りは2年生以降に大きな影響を与える可能性があると思いますので、何かを実践したいところです。
 別のポイントですが、成績不振の生徒への対応も本当に必要な活動だと思います。年を越えればすぐに学年末になってしまいます。新年のあわただしい動きの中で、成績不振への対応はやりにくい活動です。
 先ほどから振り返りの時期と記しましたが、その振り返りに合わせて、不振への対策も実施できれば良いと思います。学業不振の背景には、複雑な条件が横たわっていて、短時間での解決は難しいかもしれませんが、何も行わないで過ごしてしまうのでは、手遅れになってしまう可能性が高いと思います。留年や中退等にもつながりやすいので、ここがポイントと思っています。
 話がずれますが、このようなときに支援者・教職員からの一方的な指導は効果がないことが多いと思います。カウンセリングでは、相手の意欲や具体的な動きを促すのには、4つの過程があると考えられています。きちんと人間関係がある、その関係の中で相手が自己の心の中を十分に見つめることができる、見つめて自分の感情や思いを表現することができ課題に気づく、課題の克服に向けて具体的に動く。この過程が発動するように持っていければよいと思います。でもすぐにはできませんので、年末は、一つ目と二つ目ができればそれでよいと思います。
 対象の生徒には、また新年になったら話を聞かせてもらう機会を作ろうと思っているよ、程度でよいと思います。この時期に詰めようと思ってもそれは難しいです。支援者が心のゆとりを持ちながら、生徒の事情をくみ取りながら進めるのがよいかと思います。
 思い浮かんだ言葉を記しておきます。「人は、話を聞いてくれる人の話を最終的に聞くようになる」と言う言葉です。心の働きは奥が深いですね。        
 学習のことは、また別の機会にさらに記したいと思っています。


2年
 進路実現に向けた本格的な生徒の活動を始めさせる。自己の特性や社会の状況に目を向かせる活動を行う。
成績不振生徒に対して個別指導または集団での指導を行い、学年末の進級をめざして指導を行う。進路部との連携を図りながら学年の活動の充実を図る。

3年
 前月に引き続き、情緒の安定を図る。受験手続きの確実な実践を促す。進路の決定した生徒は決まらない生徒の援助を行う。相互扶助の雰囲気づくりを行う。着実な学習を促し日々の生活の中で、やれている、伸びているの実感を持たせる。生徒の身近に立って支える活動を行う。



文が長くなりましたので、今回は、ここまでにさせていただきます。2年生と3年生に関しては、短文でポイントだけを記しましたが、なるべく早くにもう少し説明を加えたいと思っています。よろしくお願いいたします。では、また。
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