児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

自死について 3 対策の続き

2025-02-05 15:33:04 | 学校での活動について
前回の続きです。

いつも見ていただきましてありがとうございます。
少し前に、メディアで青少年の自死が最多になったと報道されました。投稿主の少し関係しているところでも、そんなこともありそうな部分もありまして、自死について、何とかできれば予防をしたいなあと思うところですので、自死に触れながら考えてきました。予防としての方途について全体的に記してみましたが、具体的な方策も必要かと思われ、少しではありますが、記してきました。前回は心を健康に保つ方策や、いざというときの話の聴き方等に触れてみました。

 今回は、続きで、
対策について、少し具体的に触れてみたいと思います。
心理教育の推進はとても必要なことです。相談窓口や相談を受けてくれる人の配置、その組織に属している人が誰でも聴いてくれる人になれるようにすることも大切です。

 今回は、自死の念慮や意図や企図につて、できる限り早くに気づき発見できるようにすることの意義について触れてみます。自死に至る場合は、そのかなり前から何らかの信号を出している場合が多いと考えられます。その信号には、気づきながらもそのままに放置されている場合や、まったく気づかれない場合や、何となくおかしいかな等を思いながらも組織の中等では共有されずに、そのままになっている場合が多いと思います。もっとも、最近は孤独・孤立で生活している人も多く、人との触れ合いもない場合が多くありますので、何とも言えない所です。孤独・孤立の人が突然に衝動的・突発的な出来事を生じさせる場合もあるので、対応が難しいところです。やはり行き過ぎた個人主義や相互に無関心が広がりすぎると大変な状況にもなるかと思います。

 該当の人への気づきを得るためには、やはり人間関係が存在することが必要です。物理的な距離が遠すぎれば、心理的な距離も遠くなり、気づくチャンスが失われてしまいます。
 一緒に生活していても気づけないこともあるので、大変です。学校でも企業でも、いい意味でプラスの意味で相互に関心を持つことは大切と思います。
 最近もメディアで、おかしなことがあるようですが、人権に関しても鈍感さが支配しているようではだめです。変な事件が起こります。「のり」を重視していて、「のり」が支配的な人間の集団は、付和雷同的な雰囲気が支配するようになりますので、いつかおかしなことになります。上司が「のり」だけで活動しているようでは、勤務者は大変です。
 
 少しずれましたが、ある有名な哲学者が、「観察と実験だけが真理に近づく方法だ」と言っているようですが、本当に良い意味で観察することが極めて大切と思います。観察とともに必要なのは健全な「感受性」です。「共感力」といってもいいのかもしれません。「共感力」の大切さは、何度言っても言い切れません。人を人としているのは「共感力」だと思います。単純に言えば、人の気持ちがわかるということかと思います。
 共感力と言うことは簡単なのですが、残念ながら共感力を発揮するのはかなり難しいことと思います。特に優れた共感力は難しいです。
 と言うのは、人は他の人の気持ちに気づくよりも、あるいは気づくように努力するよりも、自分の気持ちの方を、どうしても優先してしまいがちになるからです。共感ができるようになるには、自我・自分をコントロールできる節制力がとても大切です。

 そしてこの「節制」が極めて難しいことなのですね。聴く人が自己を節制して聴くと、相手は自分の思いを表現することができるようになります。この自己表現が大切なわけですね。そして表現に共感してもらえると救われたような心情になりやすいのですね。
 救われるということは、そこに自分以外の人が確実にいるということを実感することですから、孤独や孤立から離れることができるチャンスになることも考えられるわけです。
 孤独な人の心には「鬼」が住んでいて、それが暴れまわるようになるとさまざまなことが起こってくるわけです。孤独・孤立が長く続いて、他の人からの関心がなくなるということは、人間と言う存在にとって一番いやなことなのだと思います。

 周りの人が、共感力を自覚しながら該当の人をきちんと見ていて、必要に応じてそれを発揮できるような状況になっていると、救われる人が多くなると思います。
 そして共感力の発揮に到達するまでに必要なことは「観察力」だと思います。観察こそが人への関心をもたらすことであり、相互に人間になれる貴重な機会であると思われます。マイナスを探す観察はダメですが、プラス、あるいはプラスを探すということでなくても、自然で素直な心から生じる観察が本当に大切と思います。
 
 人間は正直な存在ですから、こころの中にあることは、自然に外部に出てきます。その出方に着目して見ていれば、自然に相手の状況に気づけると思います。
 「手は外部脳」と言う話を聞いたことがありますが、手の動き一つでも心の中のことが表現されています。ずうっと昔のことですが、「咳一つで知れ、感受性」と言う言葉、当時の学び集団の標語を聞きました。咳一つでもその様によって心の内がわかるということかと思います。あるいはわかるくらいになりなさい、と激励された言葉かと思います。
 これは名人技ですが、そのくらい人の内情がわかるようになると素晴らしいということでしょう。なかなか難しいことですが・・・。

 発見は、発見しようとする心の働きによって可能になると思いますが、そうでなくても自然で素直な純粋性のある心でも可能と思います。専門的な知識や技術よりも、一般的な人の素直で純粋な心の方が発見に役立つことは多いと思います。但し、一般的な発見はそこで止まってしまう可能性があるので、その先に進む専門性等があると思われます。
 
 要約してみると、人と人の自然なかかわり、サポートしあおうとする心の働きの実行、互いに個性等を尊重しながらも親和的な人間関係が保たれていると、観察も共感もしやすくなると思われます。人の心の働きが自然に発揮できることが一番大切なことと思われます。このような働きが回復できるように望んでいるところです。

 今回はここまでにさせていただきます。また見ていただけますようよろしくお願いいたします。



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自死について 3 対策を考えてみると・・・

2025-02-03 17:32:05 | 学校での活動について
自死について 3 具体的な方策を考えてみると・・

今回は表題のようにしました。見ていただければ幸いです。

 前回で1の項目としてあげた心の健康に関する教育の活動で、できそうなことやこうし
てみたらどうかと言うようなことについて触れてみます。

 ストレスがとても強い状況ですので、それらへの対処の方法を知ることが必要と思いま
す。
 ストレスの強さは、睡眠の質と大きな関係を持っていると思います。過剰なストレスで
睡眠が浅くなったり眠れなくなったりします。その状態が続くと、そのこと自体がストレ
スになったり不眠の状態になったりします。それで、良くない方への循環が始まり強くな
ってしまいます。
 眠りたいのに眠れないのが続くと、衝動的や突発的な行動に出てしまうことがあります
ので、十分な注意が必要と思われます。ストレスの影響を強く受けていると思われる人の
周りにいる人は、相手の人が眠れているかをきちんと確認する必要があると思います。
 眠れていなそうに見えれば、その時は、多くの周囲の人がフォローする必要も出てくる
と思います。
 但し、多すぎる言葉、多すぎるかかわりは相手を追い込む危険性もあると思いますので、
十分に注意をする必要があると思います。学校ではSC等との連携が必要でしょうし、会
社等では、専門職との連携が必要かと思います。
 受容的な雰囲気や親和的な関係が大切です。孤独・孤立ではないことを相手が感じ取れ
るようにしていくのが基本と思います。医療への受診も必要なケースがあるとも思われま
すので、風邪で受診するのと同様な感覚で、受診を勧めることも考える必要もあると思い
ます。

 話が具体策から少し離れましたが、具体策としては、医療の受診と服薬とは別に、以下
のようなことが考えられると思います。但し、これも該当者がもうすでに追い込まれてい
る状態だと、実施しようとしてもうまくできずにストレスがかえって増すことも考えられ
るので、留意が必要と思われます。

 適切な呼吸の仕方、落ち着いたある程度深い呼吸法を身につけること。呼吸法ですね。
それから身体をリラックスさせる方法を知ること。この方法はネットにも多く紹介されて
いますので、検索で調べられると思います。ストレッチや体操は、自分に適したものを知
っていると、いつでもできて良いと思います。

 自律神経は、心の働きを正常に保つのにとても大切です。ふだんは自律的に働いていま
すが、ストレスや不安、心配、イライラ等が長く続くと、自律神経の分野まで影響してき
ます。これが乱れると心身に不調が現れやすくなると思います。継続的に必要な実施しや
すいストレッチ運動を知らせることも必要です。身体に良いことは心にも良いことが多い
と思いますので、予防の点から教えておくことも大切と思います。
 支援者もやってみて経験しておくことがよいと思われます。その他として、自律訓練法、
リラクセーションの方法、ヨガ、マインドフルネス等々、多様な方法を伝えておけると良
いと思いますが、専門性の高いものは多少の練習や研修が必要な場合もあると思いますの
で、留意が必要です。

 感情の取り扱いの方法も大切な知識だと思います。時々の自分の気持ち・感情をきちん
と自覚することができ、状態に合わせて解放しやすくするようにしておけると良いと思い
ます。
 感情の解放に必要なもっともよい方法は、話をきちんと聴いてくれる人がいることです。
さらに共感してくれれば、それはとても助かることです。共感は一番良い援助法です。何
もしてくれなくても、傍に人がいて、共感的に話を聴いてくれれば、それが不安やいらい
ら等の中にいる人にとっては一番ありがたい人です。共感力は最大の援助力です。
 相手の話を評価をせずに、真摯に耳を傾けて聴く、余分なことは言わないことが相手を
再起させるコツと思います。但し、あまりにも落ち込みすぎている、すでにひどい不眠に
なってしまっているような場合には、医療の力を借りることも必要になります。

 心療内科や精神科は、身近な診療科です。いつでも利用可能です。医療が必要な人が偏
見を持たないように適切に知らせておくことが大切と思います。但し、医療に任せきりで
は良くならないことが多いです。少しずれますが、不登校でも医療の力だけで再登校に至
った例は多くないのではないかと思われます。周囲の人の力が本当に大きいと思います。
医療をはじめとして、各種の相談機関、カウンセリングルーム等と、学校その他組織の連
携が一番大切なことと思います。
 
 感情、特にマイナス感情が内にこもってしまうと、動けなくなります。マイナス感情が
自分を責めるからです。責め始めたらそれは循環してさらに強くなりさらに動けなくなり
ます。マイナスに焦点化すると、マイナスの循環になってしまいます。ルソーが「手を洗
えばさらに汚くなる」と言いましたが、汚さにとらわれてしまうと、汚さから逃れられな
くなってしまうこともあります。
 ある中学生は、一度制服を着ると、それをすべてアルコール消毒しないと二度と着られ
なくなりました。どこかに汚れが付いていると思って着られないわけです。そのような例
もあります。普通の清潔度で十分なのですが、気に病むとそうなるわけです。この循環か
ら抜け出すのは本人だけの力ではけっこう難しいです。
 ですので、その現状を受け入れつつ、そこから抜け出られるように、相手のペースを尊
重しつつ、回復できることも尊重しつつ、あきらめずに適切に歩むことが必要と思われま
す。

 当人が感情を解放できるようにするには、聴く人が必要と思われますが、加えて、当人
の、感情処理に関する知識も必要です。自己表現をしてよいこと、する方が良いこと。聴
く人がいること。話し方、話す方法を教えることも必要です。自己表現のソーシャルスキ
ル(生活技術)を学ばせることが、予防としても大切です。これは方法があるのですが、
ここでは書ききれません。あらかじめ場面を設定して、それぞれの場面での表現法を考え
させる、教えることが必要です。後に余裕があれば触れてみたいと思います。

 他に、毎日の感情を記録すること、その時にあまりマイナスの感情ばかりに注目しない
で、プラスの感情を多く書いてみること、例えば今日一日に良かったこと、嬉しかったこ
と等を書いて、一つだけ、嫌だった、さみしかった、怒ったことなどを書くようにして、
プラスを多くして、一日を終える等の工夫が必要と思います。これは下がってしまってい
る自己肯定感を少しでもあげるという意味です。一日がプラスで終えれば、安眠にもつな
がりやすと思います。
 アート療法、音楽療法、などもありますので、本人の興味や関心・特性に応じて活用で
きるように伝えることも必要と思われます。他にも方法はあると思いますが、検索等をお
願いします。
 今回は、長くなってしまいましたがここまでにしたいと思います。また続きを記してみ
たいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。
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